レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2000年03月
- 登録日時
- 2005/12/07 18:15
- 更新日時
- 2005/12/16 15:45
- 管理番号
- 県立長野-00-014
- 質問
-
解決
「君が代」の歌詞にある「さざれ石」は岐阜県にあると聞いたが、あるとすればどのように石が大きくなるのか知りたい
- 回答
-
「君が代」の「さざれ石」は「細かな石」の意味と解釈されるが、岐阜県の粕川には「さざれ石」という石がある。このうち岐阜県天然記念物に指定されている「笹又の石灰質角礫巨岩」について岐阜県図書館所蔵の『岐阜県指定文化財調査報告書』(岐阜県教育委員会 昭55)p75-77に詳しい記述がある。所在地は揖斐郡春日村川合字下笹又でこのあたりは石灰質の石が多く、これが長い年月のうちに、雨水に溶解して乳状液となったものが、大小の角礫岩をしだいに集結して大小さまざまの岩石を生ずるにいたったとある。
- 回答プロセス
-
① 『日本国語大辞典 第9巻』(小学館 昭53)[N813-142-9]p16で「さざれ石」の意味を引く。「小さな石、細かな石」の意味とある。
② 『君が代史料集成3』(大空社 平3)[767-220-3]、『「きみがよ」考』(伊藤緑苔著 伊藤祥子 平5)[767-209]でも同様の意味のみで、石の実在することについては記載なし。
③ 『国旗・国歌の常識』(所功著 東京堂出版 平5)[288.9-19]p123に、「春日川の上流には伊吹山から流れ出た無数の小石が凝結したコンクリート状の巨岩(石灰質角礫岩、岐阜県天然記念物)が実在している」とあるため、『日本全河川ルーツ大辞典』(村石利夫編著 竹書房 昭54)[291.03-124]の岐阜県の河川を見る。p438の粕川の記事に「さざれ石 国歌に詠まれているという石」とあり。
④ 『地学辞典 新版』(古今書院 昭45)[450.3-13]、『新地学教育講座4 岩石』(地学団体研究会編 東海大学出版会 昭51)[450.8-5-4]などの資料で角礫岩について調べたが、回答には繋がらず。
⑤ 岐阜県図書館に粕川の「さざれ石」の作られ方がわかる資料の有無を電話照会し、答欄の資料と共に、『岐阜県揖斐郡ふるさとの自然』(揖斐郡教育会編発行 平5)p176と『国歌によまれているさざれ石 続』(小林文治編・発行)p18-19、36-37の記述を紹介された。
⑥ 『探石ガイドブック』(「愛石界」編集部編著 樹石社 昭51)[458-10]p83-90に記載された粕川以外の「さざれ石」と呼ばれる石の記述も参考として紹介した。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 岩石学 (458)
- 参考資料
- キーワード
-
- さざれ石
- 石灰質角礫巨岩
- 君が代
- 照会先
-
- 岐阜県図書館
- 寄与者
- 備考
- 『なんでもきいてみよう』(県立長野図書館 平成12 第32集)収録レファレンス
- 調査種別
- 内容種別
- 一般
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000025445