レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年09月28日
- 登録日時
- 2017/01/24 18:54
- 更新日時
- 2017/01/26 10:08
- 管理番号
- 千県西-2016-0018
- 質問
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解決
千葉県内の自然堤防の場所がわかる資料が見たい。
- 回答
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千葉県内の自然堤防について書かれている資料には、以下のものがあります。
【資料1】『千葉県の歴史 別編地誌2 県史シリーズ 地域誌』(千葉県史料研究財団編集 千葉県 1999)
p35に東京湾岸地域、p236に東葛地域、p386に下総・利根地域、p598に九十九里地域、p787に南房総地域の地形分類の図があり、当地域の自然堤防・砂堤が地図上で示されています。
【資料2】『千葉大百科事典』(千葉日報社編集 千葉日報社 1982)
p388「自然堤防」で、利根川・江戸川・養老川流域、上総地域、九十九里平野などでみられる自然堤防が列記されています。
【資料3】『日本歴史地名大系 12 千葉県の地名』(平凡社 1996)
自然堤防上に集落がある例として、p255「主水新田(現松戸市主水新田・旭町1-2丁目・外河原)」に「集落は江戸川自然堤防上に南北に延び」と説明があります。
また自然堤防上に古墳・遺跡が作られた例として、3項目に記述がありました。
p532「三之分目大塚山古墳(現小見川町三之分目)」(「利根川下流域の自然堤防上にある前方後円墳」)
p923「姉崎上野合遺跡(現市原市姉崎)」(「旧海岸線から80メートルほどの内陸の自然堤防上に立地」)
p981「芝野遺跡(現木更津市下望陀 芝野)」(「小櫃川北岸の自然堤防上に立地」)
【資料4】『千葉県の自然誌 本編2 県史シリーズ 千葉県の大地』(千葉県史料研究財団編集 千葉県 1997)
p3-8に千葉県の沖積平野においての自然堤防の記述がみられます。またp4の江戸川東側の地形分類図とp7の養老側低地と小櫃川低地の地形分類分布図では、当該地域における自然堤防が図化されています。
【資料5】『袖ケ浦市史 通史編1 原始・古代・中世』(袖ケ浦市史編さん委員会編集 袖ケ浦市 2001)p440「第4章 田園風景の原点―環境と景観の変化から見た横田郷」
ここで取り上げられている袖ケ浦市横田地区(「その範囲は中世の畦蒜庄横田郷の範囲をほぼ継承して」いるため、当項目ではこの地区のことを横田郷と表記しています)は、「南を小櫃川で限られ、北は小櫃川の支流・松川周辺までを範囲とし」、その中で確認できる微地形は「自然堤防、氾濫原、後背湿地、旧河道で構成」されているとの記述があります。
以上の他に、『新河川堤防学 河川堤防システムの整備と管理の実際』(吉川勝秀著 技報堂出版 2011)p137で、自然堤防の位置がわかる地図資料として【資料6】「治水地形分類図」(国土地理院編 国土地理院 2013)が紹介されています。これは「国が管理する河川について、(中略)自然堤防、後背湿地などの治水地形を示したもの」であり、同様の記述がp210でも見られます。
『新河川堤防学』で紹介されている「治水地形分類図」は昭和51(1976)年から昭和53(1978)年に作成されたものですが、国土地理院HP(http://www.gsi.go.jp/bousaichiri/fc_index.html)によると平成19(2007)年から更新図を作成中とのことです。同HPで閲覧できるほか、千葉県立中央図書館では以下の地域のものを所蔵しています。
銚子、龍ケ崎、松戸、小林、船橋、流山、白井、小南、水街道、草加、鹿島矢田部、麻生、潮来、越谷、宝珠花、守谷、佐原東部、佐原西部、取手、野田市、江戸崎、下総境、成田、下総滑川、神栖、浦安
(インターネットの最終アクセス:2016年1月5日)
- 回答プロセス
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・当館郷土資料の棚のブラウジング及び質問者からの情報により、【資料2】【資料4】を確認。
・「自然堤防」の意味を確認する。『地形学辞典』(町田貞ほか編 二宮書店 1981)p240「自然堤防」に、「河川の上流から運搬されてきた砂などが河道の岸に沿って堆積して形成された微高地」で「古くから集落・畑・道路として使用されてきた」との説明があった。
・そこでこれが河川地形に関する用語であることを確認、自館資料検索で全項目「千葉 地形 河川」を検索したところ、【資料1】を見つけた。
・国立国会図書館サーチで「自然堤防 千葉」を検索したところ、【資料3】【資料5】を見つけた。また『新河川堤防学 河川堤防システムの整備と管理の実際』も同様に確認、その中の記述から【資料6】も見つけた。
・以下、記載の見つからなかった資料
『千葉県の歴史 別編地誌1 県史シリーズ 総論』(千葉県史料研究財団編集 千葉県 1996)
『千葉県の歴史 別編地誌3 県史シリーズ 地図集』(千葉県史料研究財団編集 千葉県 2002)
『論集江戸川』(「論集江戸川」編集委員会著 「論集江戸川」編集委員会 2006)
『自然地理学 上巻 大学テキスト』(大山正雄著 古今書院 2004)
『自然堤防の諸類型 河岸平野と水害』(籠瀬良明著 古今書院 1990)
『千葉の自然をたずねて 日曜の地学』(築地書館 1992)
『利根川』(久保田鉄工 1981)
『「河川文化」 千葉県特集』(日本河川協会 2010)
『自然堤防 河岸平野の事例研究』(籠瀬良明著 古今書院 1978)
『利根川 自然・文化・社会』(九学会連合利根川流域調査委員会編 弘文堂 1971)
『微地形学 人と自然をつなぐ鍵』(藤本潔編著 古今書院 2016)
- 事前調査事項
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千葉県立図書館所蔵の『千葉県の自然誌』と『ちばのちけいをたずねて』は確認した。(後者は『千葉の自然をたずねて 日曜の地学』(築地書館 1992)のことか)
- NDC
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- 地形学 (454 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『千葉県の歴史 別編地誌2 県史シリーズ 地域誌』(千葉県史料研究財団編集 千葉県 1999)(1101717927)
- 【資料2】『千葉大百科事典』(千葉日報社編集 千葉日報社 1982)(1100051668)
- 【資料3】『日本歴史地名大系 12 千葉県の地名』(平凡社 1996)(1101482240)
- 【資料4】『千葉県の自然誌 本編2 県史シリーズ 千葉県の大地』(千葉県史料研究財団編集 千葉県 1997)(1101572338)
- 【資料5】『袖ケ浦市史 通史編1 原始・古代・中世』(袖ケ浦市史編さん委員会編集 袖ケ浦市 2001)(1101774979)
- 【資料6】「治水地形分類図」(国土地理院編 国土地理院 2013)<千葉県立中央図書館所蔵:請求記号C5174/ 1>
- キーワード
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- 千葉県
- 河川
- 自然堤防
- 地形
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 資料調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000207252