①では、霧と雲の違いを説明し、霧も雲と「同じように水蒸気が冷やされることで発生します」と説明がある。また、「霧のでき方」を「霧は海や湖、川など、水分が多い場所で発生します。また、土がたくさんの水分をふくんでいるので、山でもよく発生します。」と説明があり、以下の5種類の霧を紹介している。
・放射霧
「空が晴れていて風も弱い朝方は地面が冷えます。このため地表近くの空気が冷やされて霧が発生します。」
・蒸発霧
「水面から蒸発した水蒸気が冷たい空気にふれてできます。寒い冬に川の上で発生することが多く「川霧」とも呼ばれます。」
・滑昇霧
「山の斜面に沿って水蒸気を多くふくんだ空気が上昇すると、気圧が下がって空気が膨張します。すると、空気の温度が下がるので霧が発生します。」
・移流霧
「暖かい空気が冷たい水の上に流れこんで、冷やされたときにできます。夏の海でよく発生する霧なので「海霧」とも呼ばれます。」
・混合霧
「温度が異なる2つの川が合流する所など、水蒸気を多くふくんだ、暖かい空気と冷たい空気がぶつかると霧が発生することがあります。」
②では、霧が発生する条件について、「空気に水蒸気がたくさんふくまれていて、しかも冷えてくることが必要である。霧粒をつくるには、雲粒と同じように、核となるこまかなちりも必要である。」と説明がある。この条件を満たして発生する、5種類の霧が絵と写真付きで紹介されている。
③では、「霧はどうやってできるの?」という問いに対して「空気は、温度が高いほど多くの水蒸気をふくむことができ、温度が低くなるほど少ししか水蒸気をふくめなくなるという性質がある。空気中の水蒸気は、ふだんは目に見えないんだ。ところがその水蒸気をふくんだ空気が冷やされると、水蒸気はたくさんの小さな水のつぶになって空気中をただよう。これが霧として白く見えるんだよ。」と答えている。次のページでは「移流霧」「放射霧」「蒸気霧」「滑昇霧」「前線霧」について、絵とともに紹介されている。「前線霧」は「あたたかい空気と冷たい空気がぶつかる前線付近で、しめったあたたかい空気が冷たい空気にひやされて発生する霧。」とある。
④では、「放射霧」「蒸気霧」について写真とともに紹介されている。「蒸気霧」は「発生した場所によって、「川霧」「湖沼霧」などと区別される。冬の海で見られる蒸気霧は「けあらし」とも呼ばれている。」と説明がある。
⑤では、「放射霧」「蒸発霧」「移流霧」について、図とともに紹介されている。
・放射霧
「晴天の日の夜間、水蒸気を多く含んだ空気が放射冷却によって冷やされ、湿度が100%と飽和状態になり、水蒸気が水滴に変化して発生した霧です。雨が降ったあとで、夜間、風がなく晴れ上がった冷え込みが厳しい朝などに多く発生します。」
「上空に冷たい空気が入りやすい秋から冬にかけての発生が多くなります。」
「盆地で発生しやすい霧なので、盆地霧ともいわれています。」
・蒸発霧(川霧・蒸気霧・けあらし)
「川霧の発生は、川の水温より極端に低い気温の空気が、暖かい水面上に流れ込んでくることにより、水面から蒸発が起き、その水蒸気が冷たい空気に冷やされて細かい水滴となり、霧となります。蒸発あるいは水蒸気によって起きる霧なので、蒸発霧あるいは蒸気霧といいます。」
「冬の天気の良い早朝、陸地で冷やされた空気が、暖かい海面上に流れ込むと、海面から湯気が立ち上り、霧が発生します。このような霧を「けあらし」と呼んでいます。」
・移流霧(雨霧・海霧)
「この霧は、暖かく湿った空気が、川や湖の上空に流れてきて、川や湖の冷たい水に冷やされて発生します。このような霧は、次々に湿った空気が入ってくるので、太陽が昇っても必ずしも解消しません。天気は下り坂で、しだいに雨となることが多いので「雨霧」と呼ばれることもあります。」