レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20120207
- 登録日時
- 2012/03/22 02:01
- 更新日時
- 2014/07/08 18:57
- 管理番号
- B2012口頭0207
- 質問
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解決
水溶液中の塩化水素(HCl)の拡散係数(Diffusion coefficient)を知りたい。
- 回答
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ご照会の事項について、以下のとおり回答します(【 】内は当館請求記号です)。
水溶液中の塩化水素の拡散係数について記載している資料(1)-(6)がありましたので、ご紹介します。
(1)『CRC Handbook of Chemistry and Physics』(91st ed. CRC Press 【Z63-C694】)
「Diffusion of Gases in Water(水溶液中の気体の拡散)」(p.6-247)では、10-35℃(5℃ごと)における気体の水溶液中の拡散係数を掲載しています。その中で、「HCl」の25℃における拡散係数は3.07(10^-5・cm^2/s)とあります。
(2)『化学便覧. 基礎編 2』(改訂5版 日本化学会編 丸善 2004.2 【PA2-H22】)
p.Ⅱ-65の表(7.47)「水溶液(25℃)中の電解質の相互拡散係数D/10^-9・m^2/sの濃度c依存性」では、電解質と一定の濃度における拡散係数を表形式で掲載しています。塩化水素については、0(mol/dm^3)は3.3336(10^-9・m^2/s)、0.05(mol/dm^3)は3.07(10^-9・m^2/s)、0.1(mol/dm^3)は3.05(10^-9・m^2/s)、0.5(mol/dm^3)は3.18(10^-9・m^2/s)、1.0(mol/dm^3)は3.43(10^-9・m^2/s)、2.0(mol/dm^3)は4.04(10^-9・m^2/s)、4.0(mol/dm^3)は5.17(10^-9・m^2/s)とあります。
(3)『化学大辞典』(縮刷版 化学大辞典編集委員会編 【PA2-G24】)
vol.2 p.328「拡散」では、20℃におけるさまざまな物質の水溶液の拡散係数等が掲載されています。塩化水素の水溶液中の拡散係数は、0.1mol/lの場合2.5×10^-5・cm^2/sとあります。
(4)『物性定数. 10集(1972)』(化学工学協会編 【PA2-49】)
p.219 表9.14「電解質水溶液中の拡散係数」では25℃における4種類の電解質水溶液の拡散係数を掲載しています。HCl水溶液の拡散係数は、初濃度が0.3178(mol/l)の場合には3.0383(10^-5・cm^2/s)、初濃度が0.3214(mol/l)の場合には3.0802(10^-5・cm^2/s)とあります。
(5)『Landolt-Börnstein:Zahlenwerte und Funktionen aus Physik, Chemie, Astronomie, Geophysik und Technik』(6. Aufl. Springer 【530.83-L258z6】)
II 5a pp.566-697「2521 Diffusion in Flussigkeiten」では、液体に対する拡散係数を掲載しています。「H2O-HCl」はp.612に記載しており、10、15、25、35℃における、異なる複数の濃度の水溶液中の拡散係数を掲載しています。
(6)『International critical tables of numerical data, physics, chemistry and technology』(National Research Council by McGraw-Hill 1926-30 【530.83-N277i】)
vol.5 p.63-76「Coefficients of Diffusion in Liquids」に様々な水溶液の拡散係数等を掲載しています。p.64に「HCl」水溶液について、0-19℃の範囲で異なる複数の濃度における拡散係数が記載されています。例として0℃の場合、9(gmol/l)は2.7(10^5・cm^2/s)などです。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 有機化学 (437)
- 参考資料
- キーワード
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- 拡散係数
- diffusion coefficient
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000104061