レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20111214
- 登録日時
- 2012/01/31 02:01
- 更新日時
- 2012/02/03 15:51
- 管理番号
- B2011口頭1214
- 質問
-
解決
アセトン(Acetone C3H6O)の誘電率(Permittivity、Dielectric Constant)を知りたい。
- 回答
-
ご照会の事項について、以下のとおり回答します(【 】内は当館請求記号です)。
『標準化学用語辞典』【PA2-H47】「誘電率」(p.699)にに、"真空の誘電率ε0との比を特に比誘電率εとよび、ふつう単に誘電率という" とあります。
※ε0の0は下付き文字です。
アセトンの誘電率および比誘電率について記載している資料(1)-(10)、データベース(11)-(12)がありましたので、ご紹介します。
(1)『化学便覧. 基礎編 2』(改訂5版 丸善 2004.2 【PA2-H22】)
pp.II-620~II-622に、「表14.26 有機液体化合物の比誘電率εr」を掲載しています。
アセトンはp.II-621に記載しており、20℃における比誘電率は21.01とあります。
※比誘電率εrのrは、下付き文字です。
(2)『溶剤ポケットブック』(新版 オーム社 1994.6【PA2-E94】)
「第III編 データ編」(pp.195-819)では、溶剤の物理的性質、化学的性質、溶解度・溶解能、用途、爆発・火災危険性、有害危険性、取扱い・貯蔵・緊急の注意、適用法規などを掲載しています。
アセトンはpp.443-445に記載しており、「表5・16 アセトンの物理的性質」(p.443)に、20℃における誘電率は21.45とあります。
(3)『実験化学ガイドブック』(丸善 1996.4 【PA2-G13】)
「表 6・66 有機溶媒の定数」(p.745)では、主要な有機溶媒の沸点、融点、密度、屈折率m粘度、比誘電率、双極子モーメント、溶解度などを表にまとめています。
アセトンの25℃における比誘電率は、20.70とあります。
(4)『化学工学便覧』(改訂6版 丸善 1999.2 【PA2-G48】)
「表 1・3 物性定数表」(pp.18-45)では、元素、無機化合物、有機化合物の化学式、分子量、融点、標準沸点、臨界温度、臨界圧力、臨界圧縮因子、偏心因子、双極子モーメント、比誘電率、粘度、蒸発潜熱、熱容量、標準エントロピーなどを表にまとめています。
アセトンはpp.24-25に記載しており、25℃における比誘電率は20.70とあります。
(5)『光と化学の事典』(丸善 2002.1 【PA2-G87】)
「付録3 溶媒の性質」(pp.606-607)では、溶媒の誘電率、沸点、屈折率、粘度、溶存酸素濃度、拡散律速速度、透明波長範囲を表にまとめています。アセトンの25℃における誘電率は、20.7とあります。
(6)『大有機化学. 別巻 第2 (有機化学定数便覧)』(朝倉書店 1963 【437-I347d】)
pp.496-499に、密度、誘電率などを表にまとめています
Acetoneはp.497に記載しており、20℃における誘電率は21.3とあります。
(7)『CRC Handbook of Chemistry and Physics』(91st ed. CRC Press 【Z63-C694】)
pp.6-186~6-207に、「Permittivity (Dielectric Constant) of Liquids(液体の誘電率)」を掲載しています。
Acetoneはp.6-190に記載しており、293.2Kにおける誘電率は21.01とあります。
(8)『Lange's handbook of chemistry』(16th ed. McGraw-Hill 2005 【PA2-B22】)
「TABLE 2.49 Dielectric Constant (Permittivity) and Dipole Moment of Organic Compounds」(pp.2.470-2.494)では、有機化合物の名称のアルファベット順に、誘電率と双極子モーメントを表にまとめています。
Acetoneはp.2.470に記載しており、20℃における誘電率は21.0、25℃は20.7、56℃は17.6とあります。
(9)『International critical tables of numerical data, physics, chemistry and technology』(Published for the National Research Council by McGraw-Hill 1926-1930 【530.83-N277i】)
「TABLE 4. ―Dielectric Constant (ε) of Pure Organic Compounds, and Its Variation with Temperature (t) and Frequency (ν) : Liquids and Solids」(v.6, pp.83-97)では、有機化合物の誘電率(ε)などを表にまとめています。
アセトンはp.86に記載しており、複数の温度条件における誘電率を掲載しています。
(10)『Landolt-Bornstein New Series』(Springer 1961- 【M5-B1】)
IV/6では、純粋液体と2成分系混合液の誘電率(ε)を掲載しています。
p.40に、複数の温度条件におけるアセトンの誘電率を記載しています。
p.1にεの説明として、"Dielectric Constant ε (relative permittivity)" とあります。
(11)理科年表プレミアム(当館契約データベース:館内限定)
「2012:物理/化学部:おもな有機溶媒の諸性質」では、分子式、密度、屈折率、比誘電率、双極子モーメントなどを表にまとめています。
25℃におけるアセトンの比誘電率は、20.7とあります。
(12)Reaxys(当館契約データベース:館内限定)
「Substances and Properties」から構造式、名称、CAS番号などを入力して検索すると、物性値や利用例などを調べられます。
「Acetone」の検索結果から「Physical Data」、「Dielectric Constant」の順にクリックすると、誘電率に関する文献の測定値、温度、書誌事項などが表示されます。
調査済資料・データベース
・『物理データ事典』(朝倉書店 2006.7 【MC2-H14】)
・『新編熱物性ハンドブック』(養賢堂 2008.3 【MC141-J4】)
インターネット・データベースの最終アクセス日は、2012年1月4日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 有機化学 (437)
- 参考資料
- キーワード
-
- 誘電率
- 比誘電率
- Permittivity
- Dielectric Constan
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000100867