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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000240685
提供館
(Library)
千葉県立西部図書館 (2120003)管理番号
(Control number)
千県西-2018-0003
事例作成日
(Creation date)
2007年8月18日登録日時
(Registration date)
2018年08月15日 13時38分更新日時
(Last update)
2018年08月15日 13時39分
質問
(Question)
なぜ船底には赤い塗料が使われているのか、その理由を知りたい。
回答
(Answer)
以下の資料によると、船底にはフジツボ等の海生生物が付着しやすく、それらが船体の水中抵抗を増加させ、スピードや燃料効率を低下させるおそれがあるそうです。そこで、付着防止剤として、赤い粉末の亜酸化銅(Cu2O)を主原料とする塗料が使われているそうです。

【資料1】「銅が海生生物の付着を防ぐ 船底を守る赤い塗料」
http://www.jcda.or.jp/center/tabid/80/Default.aspx?itemid=192&dispmid=618

【資料2】神吉正博「塗装・化粧法のアナロジー 塗装の歴史と現状」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ran/12/0/12_KJ00002967835/_article/-char/ja/
回答プロセス
(Answering process)
検索エンジンで「船体」「船底」「塗装」「塗料」「赤」等のキーワードで検索して、以下のインターネット情報源が見つかりました。

【資料1】「銅が海生生物の付着を防ぐ 船底を守る赤い塗料」
亜酸化銅を主原料とした塗料が、フジツボ等の海生生物の付着防止に効果があることがわかり、船底塗料として使用されているそうです。赤褐色をした亜酸化銅(Cu2O)の粉末顔料の写真が載っています。

【資料2】神吉正博「塗装・化粧法のアナロジー 塗装の歴史と現状」
p6「船底部に塗られるフジツボや海藻付着を防止する防汚塗料(船底2 号塗料)は、防汚機能を優先することや防汚剤に赤錆色の亜鉛化銅(ママ)(Cu2O)を便用するため赤錆系の色が中心となっている。」
(調査者注:上の記述における「亜鉛化銅」は、Cu2Oという化学式の意味するところや他の情報源の記述から、「亜酸化銅」の誤りである可能性があります。)

「海運雑学ゼミナール 船底部に塗られた赤い塗料の秘密」(日本船主協会)
https://www.jsanet.or.jp/seminar/text/seminar_044.html
船底は貝類や海藻類が付着しやすく、こうした付着物が、船体の水中抵抗を増加させ、スピードや燃料効率を低下させるおそれがあることから、付着防止のため、「AF(Anti-Fouling) 塗料」という赤い塗料が使われているそうです。

亀山道弘[ほか]「船体防汚塗料による生物付着防止効果の計測手法に関する研究」(『海上技術安全研究所報告』12巻1号 2012)p1-16
https://ci.nii.ac.jp/naid/110009717620
p2「防汚塗料は付着生物に毒性や忌避性を持つ防汚材を樹脂などに配合(中略)製品への使用数では亜酸化銅が多くを占める。」

続いて、千葉県立図書館の蔵書検索システムで件名「船舶」「塗料」や件名「船舶工学」と検索して、関連資料に当たりました。

『船舶知識のABC』(池田宗雄著 成山堂書店 2015)
p193「生物などの付着による汚れを防止するための船底2号塗料(Anti Fouling Paint)を塗装します。」

『造船の技術』(池田良穂著 SBクリエイティブ 2013)
p198「船底防汚塗料には、海生生物の船底への付着を防止するため(中略)生態系への毒性が低く、蓄積しにくい、亜酸化銅など10数種類の物質のみが使用できることとなりました。」

『図解船舶・荷役の基礎用語』(宮本榮編著 成山堂書店 2008)
索引には関連の記述が見当たりませんでした。

『図解・船の科学 超高速船・超巨大船のメカニズム』(池田良穂著 講談社 2007)
p75-83「水の抵抗への対策」やp108「腐食対策」等のページには、関連の記述が見当たりませんでした。

『船舶一問一答』(日本船舶海洋工学会編集 海事プレス社 2006)
目次により「抵抗はどうやって減らすの?」「船はどんな材料でできているの?」「船は錆びても大丈夫?」等の見出しから本文を確認しましたが、関連の記述は見当たりませんでした。

『航海造船学』(野原威男原著 海文堂出版 2005)
目次や索引には関連の記述が見当たりませんでした。

また、自館の書架で化学(NDC430)の辞典類を参照しました。
『化学辞典』(吉村壽次編集代表 森北出版 2009)
p547「酸化銅(Ⅰ)、Cu2O、亜酸化銅ともいう」
「酸化銅(Ⅱ)を熱分解すると赤色の酸化銅(Ⅰ)が得られる。製法により、黄、橙、赤、暗褐色の酸化銅(Ⅰ)が得られるが、色の変化は結晶粒子の大きさの差による。(中略)船底塗料などに用いられる。」という記述があります。

『化合物の辞典』(高本進[ほか]編集 朝倉書店 1997)
p209「酸化銅(1)Cu2O」
「黄~赤色立方晶。(中略)船底塗料、ほうろう着色、整流器、電池などに使われる。」という記述があります。

『化学大辞典 3』(化学大辞典編集委員会編 共立出版 1977)
p925「酸化銅(Ⅰ)、酸化第一銅、Cu2O、俗に亜酸化銅とよばれる」
「性質:暗赤色またはトウ黄色。結晶性粉末」や「用途:船底塗料」等の記述があります。

(インターネット最終アクセス:2018年5月19日)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
化学  (430 9版)
海洋工学.船舶工学  (550 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】「銅が海生生物の付着を防ぐ 船底を守る赤い塗料」(『銅』182号 日本銅センター 2016.9)p3
http://www.jcda.or.jp/center/tabid/80/Default.aspx?itemid=192&dispmid=618 )または(千葉県立中央図書館所蔵0503836990)
【資料2】神吉正博「塗装・化粧法のアナロジー 塗装の歴史と現状」(『らん 纜』12号 日本船舶海洋工学会 1991)p1-11
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ran/12/0/12_KJ00002967835/_article/-char/ja/
キーワード
(Keywords)
塗料
船舶
船舶工業
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000240685解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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