レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/06/15
- 登録日時
- 2016/07/29 00:30
- 更新日時
- 2024/03/30 00:45
- 管理番号
- M16061509280118
- 質問
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成島柳北の『航微(まま)日記』の中で「借飯魚」と書いて「ままかり」と読ませているが、これは正式な表記なのか。
- 回答
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『航薇日記』は、明治2年、幕末の旗本で、明治になってからはジャーナリストとして活躍した成島柳北が、妻の姉の嫁ぎ先である備中妹尾(現岡山市南区妹尾)を訪れた際の紀行文。柳北の創刊した雑誌「花月新誌」に掲載された。「花月新誌」の複製版(ゆまに書房,1984年)で確認したところ、「借飯魚」の左に「まゝかり」とルビを振っている。資料②は、ままかりの漢字標記について言及、(1)「?」(2)「?」(3)「魚制」の漢字表記を挙げている。(1)、(2)については、資料③に同様な内容がある。資料④には、(1)、(2)は確認できるが、読みの記載はなく、字義は「このしろ」である。資料①に、江戸時代の献立に記載された例が、5件挙げられているが、いずれも標記は「ままかり」である。ほかに資料⑤から⑦の各項目には、それぞれ「飯借り」「ままかり」「ママカリ」と表記されている。参照したいずれの資料にも「正式な表記」に関する記述は確認できなかった。また、資料⑧では、「この味よい魚に飯借魚の文字を当てたのは柳北の漢字好みからであろうが…。柳北は漁夫から聞いたまま、ママカリを気易い気持ちで飯借魚と書いたのであろう…。」としている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 動物学 (480 9版)
- 参考資料
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①岡長平(1954-)『明治初頭の備中妹尾 航薇日記を読む』岡長平,2011年
②岡嶋隆司「古記録にみる「ままかり」料理」『岡山びと 岡山市デジタルミュージアム紀要』第3号,2008年,p41-45
③篠崎晃雄『おもしろいサカナの雑学事典』新人物往来社,1994年、巻末漢字一覧
④『大漢和辞典 修訂版 第12巻』大修館書店,1986年,魚編の該当部分
⑤『広辞苑 第5版』岩波書店,1998年
⑥『日本大百科全書』小学館,1998年
⑦『岡山県大百科事典』山陽新聞社,1980年
⑧藤原丈夫「飯借魚雑考」『倉子城』第13号,倉敷史談会,1978年,p15
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①岡長平(1954-)『明治初頭の備中妹尾 航薇日記を読む』岡長平,2011年
- キーワード
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- ままかり
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2016061509265980118
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢, 高校生
- 登録番号
- 1000195373