レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年10月04日
- 登録日時
- 2018/01/11 21:04
- 更新日時
- 2018/01/16 10:06
- 管理番号
- 0000110702
- 質問
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解決
明治35年(1902年)にハワイに移民した人物の旅券の年齢が20歳9ヶ月だった。農業移民だが兵役にはつかなくてよかったかのかどうかが知りたい。戸主だったので兵役免除だったのか?
- 回答
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下記資料1の徴兵令の沿革によれば、徴兵令は明治5年(1872年)の制定後、明治35年までに4回改正されている。直近は明治28年(1895年)の改正だが、改正後の法令文は未見。明治22年(1889年)改正の法令文は資料2にあり。資料1,2の記述によれば、兵役免除の部分は明治22年と変更がないようだったので、これで調査回答。
資料3所収の『徴兵令詳解』によれば、徴兵の服役は「抽籤ノ法ニ依リ当籤ノ者ヲ以テ之ニ充ツ(第8条)」とあり、年齢に達した者が全て兵役に服す訳ではない。また、資料2によれば、兵役の免除は明治16年改正時に改められ兵役猶予となっている。あわせて明治22年改正で猶予条件から戸主や嗣子が除外されている。
また、海外渡航の関係では、資料4によれば、明治12年改正時には貿易等商用のため外国へ渡航する者にも与えられていた徴集猶予の条文(第30条第8項)があったようだが、資料3所収の『徴兵令詳解』には見当たらない。留学による猶予はあり。
なお、シカゴの日系人の状況を記した資料5には、海外渡航者と兵役について書かれた箇所があり、兵役に就くためにわざわざ帰国するものは少なく、徴集猶予願いを領事の発行する「在留証明書」にそえて、本籍地の役場経由で所属する聯隊区司令部まで届出なければならなかったとあり。ただし1930年頃の話のようである。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 国防史.事情.軍事史.事情 (392 9版)
- 人口.土地.資源 (334 9版)
- 参考資料
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1.山口聯隊区司令部. 徴兵令発布五十年記念. 山口聯隊区司令部, 1923.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000544306-00 (p21-24) -
2.松下芳男 著 , 松下, 芳男, 1892-1983. 徴兵令制定史 増補版. 五月書房, 1981.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001499066-00 (p484-,540-,545) -
3.一ノ瀬俊也 編 , 一ノ瀬, 俊也, 1971-. 近代日本軍隊教育・生活マニュアル資料集成 明治・大正編 第1巻 (〈徴兵逃れのために〉〈連隊独自の教育書〉). 柏書房, 2009.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010597743-00 , ISBN 9784760136773 -
4.菊池邦作 著 , 菊池, 邦作, 1899-1986. 徴兵忌避の研究. 立風書房, 1977.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001338787-00 (p214) -
5.伊藤一男 著 , 伊藤, 一男, 1924-. 市俄古に燃ゆ : 明治自由人の足跡. PMC出版, 1985.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001802191-00 (p99,101)
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1.山口聯隊区司令部. 徴兵令発布五十年記念. 山口聯隊区司令部, 1923.
- キーワード
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- 移民・植民 (日本)--ハワイ州
- 兵役--日本--歴史
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000228194