レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年03月26日
- 登録日時
- 2021/02/24 09:37
- 更新日時
- 2021/02/25 13:03
- 管理番号
- 京歴-545
- 質問
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解決
丹波の昔話「オオカミばあさん」の掲載資料を紹介してほしい。
(丹波の山間に住むおばあさんが村人を襲うオオカミを殺して消えるというような内容)
- 回答
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以下の資料①~⑤に紹介されていた。
いずれも瑞穂町(現京丹波町)井尻に伝わる民話として紹介されている。
①『京都丹波・丹後の伝説』
pp.56-57に「狼哀話」というタイトルで掲載。
②『京都新聞』昭和50年6月7日地方版(丹後・丹波)の連載「ふるさと昔ばなし16」
「狼哀話」というタイトルで掲載。①の京都新聞連載時の記事である。
③『檜山村誌』
p.831に「恵長の供養塔(井尻の狼)」のタイトルで掲載。
p.832には恵長供養塔の写真が掲載されている。(供養塔が存在することはすべての資料に書かれている。)
④『広報みずほ : 新穂月報 : 月刊ミズホ, 縮刷版』
160号(昭和47年7月)の連載「ふるさとの記④」に、「瑞穂の狼(井尻)」というタイトルで掲載。
⑤『ふるさと口丹波風土記』
p.20に「瑞穂の狼」というタイトルで掲載。
なお、内容については、資料①②と③~⑤でやや異なっている。
①②の内容
老婆と狼が暮らしていた。
村人たちが襲われる事件が続いており、狼のしわざだろうと噂されていた。
老婆は、狼が旅人や村人を襲うのは狼の子が人間に殺されたことの報復だと分かっていたが、お坊さんが狼に読経をしている途中で、涙ながらに銃弾で狼を撃ちぬいた。
老婆は丘の上まで狼の死骸を運び供養塔を建て、その後老婆の行方も分からなくなったという。
③~⑤の内容
井尻に一軒の農家があり、その家に居着いた狼に対して老婆は恐ろしく思っていた。
ある日一人の老僧がその家の前で読経すると狼の姿が消えうせた。
老僧は供養碑を建てることを教えて去り、狼が消えたことを村人は喜び供養塔を建立した。
- 回答プロセス
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民話に関する棚をブラウジングしたところ、『京都丹波・丹後の伝説』(①)に掲載されていた。
資料①は京都新聞に連載されていたものが書籍化されたもので『京都新聞, マイクロフィルム地方版』(②)昭和50年6月7日地方版(丹後・丹波)でも掲載を確認できた。
資料①、②により、瑞穂町井尻に伝わる民話であることが分かったため、瑞穂町(現京丹波町)の歴史や地誌の資料が置いてある書架をブラウジングした。瑞穂町の前身の旧村史等が並んでおり、『檜山村誌』(③)のp.831に「恵長の供養塔(井尻の娘)」が掲載されていた。
この本では伝説が7つ紹介されており、「恵長の供養塔(井尻の娘)」については出典がなかったが、『広報みずほ』の「ふるさとの記」が出典として書かれたものが複数あった。
『広報みずほ : 新穂月報 : 月刊ミズホ, 縮刷版』(④)を確認したところ、160号(昭和47年7月)に「瑞穂の狼(井尻)」というタイトルで掲載されており、記事の文末に出典として「口丹波風土記」と記載があったため、『ふるさと口丹波風土記』(⑤)を確認したところp.20に掲載されていた。
- 事前調査事項
- NDC
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- 伝説.民話[昔話] (388)
- 参考資料
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- ①『京都丹波・丹後の伝説』京都新聞社編 京都新聞社 1980 (当館請求記号:K3||388.162||Ky6||)
- ②『京都新聞, マイクロフィルム地方版』京都新聞社編出版 京都新聞社 1975 (当館請求記号:マ||キヨウ||K)
- ③『檜山村誌』檜山村誌編集委員会,檜山財産区編 檜山村誌編集委員会 1993 (当館請求記号:K345||216.2||H61||)
- ④『広報みずほ : 新穂月報 : 月刊ミズホ, 縮刷版』瑞穂町編 瑞穂町 1972 (当館請求記号:MK345||318.56||Mi94||)
- ⑤『ふるさと口丹波風土記』吉田証編著 丹波史研究社 1968 (当館請求記号:K3||291.62||Y86||)
- キーワード
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- オオカミばあさん
- 狼哀話
- 民話
- 瑞穂町井尻
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000294085