レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/10/2
- 登録日時
- 2020/11/26 00:30
- 更新日時
- 2020/11/26 00:30
- 管理番号
- 滋2020-0011
- 質問
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解決
滋賀県の安曇川流域で信仰されていた「シコブチ神」、「シコブチ信仰」、「シコブチ神社」に関する資料を知りたい。
- 回答
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シコブチ(思子淵)信仰については、安曇川流域の旧朽木村(現高島市)、旧安曇川町(現高島市)、葛川(大津市)の以下の資料に記載があります。
旧朽木村刊行の『朽木村志』の民間信仰の記載の中に、「思子淵信仰」として、「安曇川筋には七シコブチといってシコブチカミを祀るところが七ヵ所ある。」とあります。高島市刊行の『朽木村史 資料編』には、旧朽木村の思子淵神社について、「朽木の文化財」として、本殿、蔵王権現社、熊野社の建築の解説があります。旧安曇川町刊行の『安曇川町史』には、「幻の小川津」の章に、「七思子淵/筏神信仰」の記載があります。
大津市刊行の『新修大津市史 北部地域』には、「葛川の伝承」の項目に、「シコブチ明神」の記載があります。また「葛川の文献」の項には、『葛川縁起』のなかに、比叡山の僧である相応(そうおう)が葛川に明王院(みょうおういん)を創設する際に、「契(ちぎ)りて信興淵(しこぶち)大明神に曰す」とあります。土着の地主神である「シコブチ明神とのつながりをものがたっていて興味深い」との注釈があります。
安曇川上流の京都市左京区の久多にも思子淵神社があり、『史料 京都の歴史 8』によると、久多に久多五カ村の神社として「下ノ宮 志古淵大明神」が、神社名だけですが挙げられています。現在の神社の漢字表記とは違います。
伝承としては、『滋賀のむかし話(改訂版)』に、小学生向けの「しこぶちさん」という昔話が掲載されています。
また、滋賀県立安土城考古博物館が企画編集した『琵琶湖発「日本史」』3巻「しこぶちさんの踊る川安曇川」によると、「思子淵・思子渕・志古渕・志子淵・信興淵・色佛・色布知等等、様々な文字が当てられていますが、読みは全て「シコブチ」。シコブチ神は、地元では「しこぶっつぁん」と親しまれ、かつて盛んだった筏乗りの護り神とされています。」と記されており、中野の思子淵神社等の祠をカラー写真で紹介しています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 民間信仰.迷信[俗信] (387 8版)
- 参考資料
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- 1 朽木村志 橋本鉄男∥編 朽木村教育委員会 1974年 5-2114- 74 p364~366、377~378
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2 朽木村史 資料編 朽木村史編さん委員会∥編集 滋賀県高島市 2010年 5B-2112- 10 p.48~51 -
3 安曇川町史 安曇川町史編集委員会∥編 安曇川町役場 1984年 S-2115- 84 p.250~252 -
4 新修大津市史 第7巻 北部地域 林屋辰三郎∥[ほか]編 大津市役所 1984年 S-2111-7 p.30~32、64~65 -
5 史料京都の歴史 8 左京区 京都市∥編 平凡社 1985年 2-2162-8 p.594~595 -
6 滋賀のむかし話 滋賀県小学校教育研究会国話部会∥編著 日本標準 1995年 S-3800- 95 p.146~150 -
7 琵琶湖発「日本史」 3 しこぶちさんの踊る川安曇川 滋賀県立安土城考古博物館∥企画・編集 滋賀県ミュージアム活性化推進委員会 2015.7 SB-2980-3 p.2~3
- キーワード
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- シコブチ神
- 民間信仰
- 安曇川
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000289813