レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年11月28日
- 登録日時
- 2021/03/08 15:04
- 更新日時
- 2021/03/08 17:03
- 管理番号
- 千県東-2020-0016
- 質問
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未解決
「満月の時は出産しやすい」というが本当か。
- 回答
-
満月時に出産が多くなるとする説もありますし、関係ないとする説もあります。
【資料1】『月の誘惑 私たちはそれと気づかず心も体も月に操られている』(志賀勝著 はまの出版 1997)p67
「メナカーらは、ニューヨークでの50万以上の出産例により、出産は満月の直後に最多で新月に最少となり」<出典>Menaker, W., ‘Lunar Periodicity with Reference to live Births,’ American Journal of Obstetrics and Gynecology 98 (1967)
【資料2】『月の魔力』(A.L.リーバー著 東京書籍 1996)p82
「1966年、ロバート・マクドナルドは、『遺伝心理学会報』に満月と新月のときに有意な差で出産が多いと報告した」<出典>McDonald, R. L., ‘Lunar and Seasonal Variations in Obsteric Factors,’ Journal of Genetic Psychology 108 (1966)
巻末には、訳者である藤原正彦による研究報告「出産における月のリズム」が収録されており、新月と満月の1日前と3日後に出産のピークがある、としている。
【資料4】「月の満ち欠けは陣痛、出産と関係があるか にしじまクリニックブログ」
以下の海外の論文を引き合いに、「月とお産は関係なし」と結論している。
・Ong S, et al. J Obstet Gynaecol. 1998 Nov; 18(6): 538-9
・Lagana AS, et al. Kathmandu Univ Med J (KUMJ). 2014 Oct-Dec; 12(48): 233-7
・Arliss JM, et al. Am J Obstet Gynecol. 2005 May; 192(5): 1462-4
・Staboulidou I, et al. Acts Obstet Gynecol Scand. 2008; 87(8): 875-9
・Law SP. Acta Obstet Gynecol Scand. 1986; 65(1): 45-8
・Friedmann E. Am J Obstet Gynecol. 1981 Jun 1; 140(3): 350
【資料5】「「満月の日に出産が多い」は本当? 月の満ち欠けと陣痛間隔アプリ『陣痛きたかも』のDAUの相関」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000031718.html)
東京大学大学院農学生命科学研究科「月の満ち欠けがウシの出産に影響を与える ホルスタインの出産は満月に近づく頃に増える」(2016年9月1日)という論文を紹介している。一方で人間については、誤差の範囲内であると結論している。
【資料6】菊地美帆ほか「自然現象が分娩開始に及ぼす影響」『新潟県立看護大学紀要 2号』(新潟県立看護大学 2013.2)p23-27
結論として、「月齢と自然陣痛発来数・前期破水数に統計学的に優位な差は認められなかった」とある。
- 回答プロセス
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「レファレンス協同データベース」を「満月 出産」で検索する。
⇒「潮の満ち干が人の生死と関係する、というのはいつ頃誰が発見したのか。」がヒットする。紹介されている資料2点(【資料1】【資料2】)を確認する。
「国立国会図書館オンライン」(https://ndlonline.ndl.go.jp/)で「キーワード:満月 出産」で検索する。
【資料3】『月の不可思議学』(竹内均編 同文書院 1993)がヒットし、上記【資料2】を紹介している(p166)。
同様に「キーワード:満月 分娩」で検索する。
・臼井有紀ほか「豚の分娩と月齢(満月)との関係について」(『養豚の友』420号 日本畜産振興会 2004.3)p54-57本文未確認
同様に「キーワード:月齢 出産」で検索する。
・渡邊厚子「月齢と出産日の関係」(『日本看護学会論文集 母性看護』通号29 日本看護協会看護研修学校教育研究部 1998)p42-44本文未確認
「CiNii」(https://ci.nii.ac.jp/)で「フリーワード:満月 分娩」で検索する。
・野口あけみほか「O1-102 満月の日にお産が多いと誤認されている理由(分娩1,一般口演)」(『母性衛生』日本母性衛生学会 2012.11)本文未確認
「Google」で「満月 出産」で検索する。
【資料4】【資料5】のサイトがヒットした。
同様に「月齢 分娩」で検索する。
【資料6】がヒットした。
他に以下の棚をブラウジングしたが、資料は見つけられなかった。
「出産(民俗)」(385.2)、「出産(産科学)」(4950.7)、「出産(家庭衛生)」(598.2)
(インターネット最終アクセス:2021年2月10日)
- 事前調査事項
- NDC
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- 通過儀礼.冠婚葬祭 (385 9版)
- 月 (446 9版)
- 婦人科学.産科学 (495 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『月の誘惑 私たちはそれと気づかず心も体も月に操られている』(志賀勝著 はまの出版 1997)(1101567561)
- 【資料2】『月の魔力』(A.L.リーバー著 東京書籍 1996)(2100102419)
- 【資料3】『月の不可思議学』(竹内均編 同文書院 1993)(9103070026)
- 【資料4】「月の満ち欠けは陣痛、出産と関係があるか にしじまクリニックブログ」(https://nishijima-clinic.or.jp/blog/2020/03/30/)
- 【資料5】「「満月の日に出産が多い」は本当? 月の満ち欠けと陣痛間隔アプリ『陣痛きたかも』のDAUの相関」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000031718.html)
- 【資料6】菊地美帆ほか「自然現象が分娩開始に及ぼす影響」(『新潟県立看護大学紀要』2号 2013.2)p23-27(http://hdl.handle.net/10631/1057)
- キーワード
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- 満月(マンゲツ)
- 出産(シュッサン)
- 分娩(ブンベン)
- 月(ツキ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000294834