レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/07/21
- 登録日時
- 2020/09/16 00:30
- 更新日時
- 2020/09/16 00:30
- 管理番号
- 6001045334
- 質問
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解決
佐渡のオロケ風呂がどのようなものか知りたい。
- 回答
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オロケ風呂は、オロケという風呂桶に藁などで作った湯ブタをかぶせ、桶の底に熱湯を入れ、その湯気にあたってからだを温める蒸し風呂です。昭和初期頃まで佐渡の農村部で使われていました。
以下の資料に記述がありました。
・『日本民俗文化大系 13 技術と民俗』(小学館 1985.5)
「海の技術と民俗」「佐渡の蒸風呂(オロケ)<新潟県佐渡島>」(p.644-645)に次の記述があります。
「佐渡の農村部では、昭和初期ごろまで、オロケ(ユコガ・ユオケとも)呼ぶ、風呂桶に少量の湯を入れ、その湯気によってからだを蒸して温める、桶製の蒸風呂が用いられた。(中略)オロケという呼び方は「居り桶」あるいは「降り桶」の省略されたもので、「居り」は湯の中に浸っていること、「降り」は、台所の上り框から降りて、土間に置かれたオロケに降りるような姿勢で入ること、からの呼び方ではないかといわれている。」(p.644)
「オロケは風呂桶に藁で作った湯ブタをかぶせたもので、桶の底に熱湯を入れ、その湯気にあたってからだを温める蒸し風呂である。(中略)入浴時間は10~15分ぐらいであった。」(p.644)
また、写真「(1)オロケの上にのせてある湯ブタをあけ、中に入るところ」、図「(2)オロケ実測図」、図「(3)オロケ使用図」が掲載され、オロケの形状や使用法についても詳しい記述があります。
・『家具と室内意匠の文化史』(小泉和子/著 法政大学出版局 1979.12)
「中世 (5)中世・近世の沐浴具」(p.165-170)に次の記述があります。
「佐渡のオロケ風呂は、土間の一隅に桶を据え、中に、外で湧かした湯を三〇センチほどの深さまで入れる。中には小さな腰掛があってここに掛け、土間の梁などから荒縄で吊るした藁製の笠や莚蓋を引き下ろし、桶にかぶせ蒸気に浴するのである。」(p.170)
また、写真「(16)佐渡のオロケ風呂(佐渡国小木博物館)が掲載されています。(p.170)
・『風呂と湯のこぼれ話:日本人の沐浴思想発達史話』(武田勝蔵/著 村松書館 1991)
「二、浴槽の種類と変遷」(p.34-45)に「オロケ」の項があります。(p.44-45)
「「オロケ」と呼ぶ風呂桶が北陸辺に昔あったが、明治大正の頃は僅かに佐渡に残ると云うもので、ほぼ飛び込み風呂と同じで、桶の底に腰掛けを置き、その下部数寸に入浴前に熱湯をそそいでおき、十分に湯気がこもったら中に入り、流汗するまで温まる一種の蒸し風呂(後略)」(p.44)
・『日本人の住まい:生きる場のかたちとその変遷(百の知恵双書:VISUAL STUDY BOOKS)』(宮本常一/著
農山漁村文化協会 2007.3)
「便所と風呂」「風呂の発達」(p.156-158)に次の記述があります。
「佐渡のオロケというのは、深い桶に湯を入れて、人が入ると上から蓋をするのである。湯気の中であたたまるわけである。」(p.156)
また、「図83 佐渡のオロケ。」が掲載されています。(p.156)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383 10版)
- 参考資料
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- 日本民俗文化大系 13 小学館 1985.5 (644-645)
- 家具と室内意匠の文化史 小泉/和子∥著 法政大学出版局 1979.12 (170)
- 風呂と湯のこぼれ話 武田/勝蔵∥著 村松書館 1991 (44-45)
- 日本人の住まい 宮本/常一∥著 農山漁村文化協会 2007.3 (156)
- キーワード
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- 風呂(フロ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000287184