レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016.10.10
- 登録日時
- 2017/12/24 12:56
- 更新日時
- 2018/02/21 18:50
- 管理番号
- 大宮西部-1-00012
- 質問
-
解決
明治末期から大正時代の地理の教科書に、「リアス式(海岸)」という言葉が使われていたかどうか知りたい。
- 回答
-
当時の学習指導要領のような資料によると、大正期には授業で「リアス海岸」という用語が使われているが、この時代の地理教科書本体での記述は探せなかった。
- 回答プロセス
-
「リアス式海岸」「リアス海岸」をキーワードにして、地理事典や外来語辞典を調査。
→『角川外来語辞典 第2版』(角川書店 1978)に「リアス式海岸」の項目内に出典として3点あり。
該当の出典資料を国会デジタルコレクションで確認するも、リアス式海岸についての記述はあるが、教科書との関連があるかは見つからなかった、
Webで検索
→「リアス式海岸」のWikipedia記事中に、「学校教育の教材では1927年の地理教育用教材にリアス海岸が登場し」と記述あり。
さらに脚注のリンクに、論文「三陸海岸における述語「リアス海岸」の受容とその変容」が閲覧可能。この論文中に「地理教育にリアス海岸が導入されたのは(中略)小学校と中学校の教師や一般地理研究者向けの地形誌」とあり、出典先に出ていた、工藤鴨須編著「日本地形概論」1927年 を検索するもヒットなし。
当時の地理教科書を検索
→県内横断検索にて「小学地理」で検索。総合教育センターで所蔵の『尋常小学地理書 巻一』(文部省 1936年)の内容を確認してもらったが、用語の記載なし。
さいたま市所蔵の『日本教科書大系 近代編・地理』の一・二・三(第15~17巻)を取り寄せて、中を確認したが「リアス海岸」「リアス式海岸」の記載はなかった。
国会デジタル資料を検索
→キーワード「小学地理」で検索したところ264件ヒット。うち該当しそうな5件の内容を確認する。
『新国定尋常小学地理教授書 巻一』(六合館編 1918(大正7))→記載なし
『尋常小学地理教授細案 巻上』(此村欽英堂 1920(大正9))→58pに「リヤス式の海岸につきては例と名前を教授すべし」とあり。
『尋常小学地理詳解及学習指導 巻一』(東京出版社 1925(大正14))→69pに「岸手縣(岩手縣の誤植?)の沿岸は所謂リアス式の海岸で」とあり。
『尋常小学地理教授書 第5学年用』(東京宝文館 1925(大正14))→129pに「東部の太平洋の中部は所謂リアス式の海岸で」とあり。
『尋常小学地理学指導案 尋5』(明治図書 1931(昭和6))→90pにリアス式海岸の項目あり。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 日本 (291 9版)
- 教育課程.学習指導.教科別教育 (375 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- リアス式海岸
- 教科書
- 明治
- 大正
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000227329