レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年07月30日
- 登録日時
- 2021/11/10 16:19
- 更新日時
- 2022/03/31 18:31
- 管理番号
- 相橋-R3-031
- 質問
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未解決
幼児の粘土あそびの起源についての資料があれば見たい。
- 回答
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図書資料は見つからなかったが、インターネットの情報が見つかり⑩を紹介した。利用者が⑪を見つけられた。後日、⑯の資料が見つかった。
- 回答プロセス
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市内OPACにてキーワード“粘土”で検索したところ、以下の資料が見つかった。
①『そこが知りたい粘土の科学』 前野昌弘/著 日刊工業新聞社 1993 (自館請求記号:R569.7)
該当の記載なし。
②『粘土のはなし』 白水晴雄/著 技報堂出版 1999 (自館請求記号:R573)
該当の記載なし。
遊び・遊戯の書架をブラウジングしたところ、以下の資料が見つかった。
③『遊戯 その歴史と研究の歩み (ものと人間の文化史134)』 増川宏一/著 法政大学出版局 2006 (自館請求記号:R384.55)
該当の記載なし。
④『遊戯 2 日本小史と最新の研究 (ものと人間の文化史134-2)』増川宏一/著 法政大学出版局 202104 (自館請求記号:R384.55)
該当の記載なし。
調べものコーナーの遊び・遊戯の書架をブラウジングしたところ、以下の資料が見つかった。
⑤『日本こどものあそび大図鑑』 笹間良彦/著 遊子館 2010 (自館請求記号:R384.5)
該当の記載なし。
⑥『こども遊び大全 新版』 遠藤ケイ/著 新宿書房 2001 (自館請求記号:R384.5)
該当の記載なし。
⑦『江戸の子供遊び事典』 中田幸平/著 八坂書房 2009 (自館請求記号:R384.5)
該当の記載なし。
⑧『伝承遊び事典』 芸術教育研究所/編 黎明書房 1986 (自館請求記号:R384.5)
該当の記載なし。
⑨『幼稚園事典』 幼少年教育研究所/編 鈴木出版 1994 (自館請求記号:R376)
該当の記載なし。
検索エンジンGoogle(http://www.google.co.jp/ 2021/07/30 最終確認)でキーワード“粘土あそび”で検索した結果、以下の論文が見つかった。
⑩『幼児のための粘土遊び設備の構築』 前嶋英輝 吉備国際大学研究紀要(人文・社会科学系)第26号,13-39,2016 (https://kiui.jp/pc/kiyou/kiyou-no26/honbun/02.pdf 2021/07/30 最終確認)
利用者ご自身のスマートフォンでも検索され、以下の論文が見つけられた。
⑪『どろ遊びと粘土遊びの全国アンケート調査に関する考察 一士粘土活動の可能性を探る-』 武小燕 (https://core.ac.uk/download/pdf/290141834.pdf 2021/07/30 最終確認)
後日、⑪の論文を確認したところ、
「はじめに」の項に、「そもそも、ルソーの著書やフレーベルの実践からみられるように、幼児教育の理念や歴史は子どもを自然に帰すことからスタートしたものであった。」との記載あり。
検索エンジンGoogle(http://www.google.co.jp/ 2021/07/31/ 最終確認)にて、キーワード“フレーベル”で検索したところ、以下が見つかった。
Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/ 2021/07/31 最終確認)の「フリードリヒ・フレーベル」の項に、「フリードリヒ・ヴィルヘルム・アウグスト・フレーベル(Friedrich Wilhelm August Frobel, 1782年4月21日-1852年6月21日)は、ドイツの教育者。幼児教育の祖。ヨハン・ハインリヒ・ペスタロッチに啓発され、寄宿制の学校を運営した後、幼稚園(Kindergarten)を創始した。主著[人間の教育]に記した、幼児(人間)の中に宿る神性をどのようにして伸長していけるか、ということに腐心し、子供たちのための教育に一生を捧げた。」
「フレーベル その後世への影響」の項に、「教育のための玩具として[恩物](おんぶつ、ドイツ語=Spielgabe、英語=Froebel Gifts)を開発したことでも知られる。これは、球や立方体などの数学的な原理の学習や生活の周囲にあるものをそれで表現して遊ぶもので、教育玩具の始まりをなすものといってもいい。」との記載あり。
検索エンジンGoogle(http://www.google.co.jp/ 2021/07/31/ 最終確認)にて、キーワード“恩物”で検索したところ、以下が見つかった。
Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/ 2021/07/31 最終確認)の「恩物」の項に、「恩物(おんぶつ、英語: Froebel Gifts、ドイツ語: Frobelgaben)はフリードリヒ・フレーベルが考案した一連の教材である。これはドイツのバート・ブランケンブルク(Bad Blankenburg)にフレーベルが1837年に設立した幼稚園(Kindergarten、当初の名称は、[幼少年期の作業衝動を育成するための施設])で初めて恩物の制作、および販売に着手した。」との記載あり。
「恩物 概要」の項に、「フレーベルが考案した恩物は第1恩物から第20恩物まで20種類あるが、日本では一般的に、第1恩物から第10恩物までを[恩物]、第11恩物から第20恩物までを[手技工作]と呼んで区別している。」との記述があり、第20恩物に「粘土遊び」との記載あり。
後日、調べものコーナーの百科事典の書架をブラウジングしたところ、以下の資料が見つかった。
⑫『世界大百科事典 4 改訂新版 オ-カイ』 平凡社 2007 (自館請求記号:R031)
p483「おんぶつ 恩物」の項に、「幼稚園の創始者フレーベルが1830年代に考案製作した一連の教育的遊具。ドイツ語ガーベGabeの訳語で、神から授けられたものという意味の語であり、彼の独自な宗教的世界観と、子どもの自己活動的な遊びを重視する教育思想とに深く結びついている。恩物は20のシリーズからなり、幾何学的な基本形から始まり、具象的なものに及んでいる。日本にも1876年の幼稚園創設とともに導入され、実際の幼児保育に用いられてきた。-後略-」との記載あり。粘土に関する該当の記載なし。
⑬『日本大百科全書 4 2版 おおつ-かき』 小学館 1994 (自館請求記号:R031)
p524「恩物 おんぶつ」の項に、「ドイツの教育学者フレーベルが一八三七年創作した乳幼児用の教育遊具。造物主としての神の似姿として生まれる人間に内在する創造性をはぐくむにふさわしい道具として、神の恩恵を得て賜ったものという意味から、ガーべGabe(ドイツ)と名づけられた。明治の初め、日本で幼稚園が創設されるにあたり、フレーベルの幼児教育論が紹介され、一八七六年(明治九)東京女子師範学校附属幼稚園監事(園長)関信三によってガーベが恩物と訳された。実物を模して製作される定型玩具と異なり、二〇種類のすべてが、立方体、長方体などの積み木的なもの、板、棒、紐、切り紙、畳み紙、折り紙など素材的なものである。単純ではあるが基本的な形のもので、それらを使って多様なものをつくりだすことのできる玩具である。いずれの種類の恩物を用いても、数、形、大きさ、色など対象を認識する基本的な概念を得ることができる。また、身近ないろいろなものをつくりだすことによって、それらの名称、用途など広く生活の知識を得ることができる。さらに、いろいろな模様をつくることによって美しさについて知り、感じることができる。恩物を自由に用いて楽しく遊びながら、しかも、認識、生活、美の各面について豊かな経験が展開するよう、親、幼稚園教師は、子供の恩物による活動を見守り、適切な助言と励ましを行うことが必要である。」との記載あり。粘土に関する該当の記載なし。
後日、教育学の書架をブラウジングしたところ、以下の資料が見つかった。
⑭『教育思想史』 今井康雄/編 有斐閣 2009 (自館請求記号:371.2)
p177-180「C 学校教育を支える思想 第9講 ペスタロッチとフレーベル 2 フレーベルの幼稚園教育学とその影響 恩物教育学」の項に、「(1)恩物とは何か 恩物、ドイツ語のガーベ(die Gabe 贈り物の意)は、神からの子どもへの贈り物を意味している。恩物は神の永遠の法則、神的真理を象徴するものとして考案されたのである。-後略-」と記載あり、「恩物」についての解説はあるが、粘土に関する該当の記載なし。
⑮『フレーベル』 小笠原道雄/著 清水書院 2000 (自館請求記号:371.234)
p208「Ⅱ 作品 二 遊具―遊具への関心」の項に、「*恩物(Gabe)―フレーベルの考察した幼児用遊具であるが、元来ドイツ語では贈り物、賜物、天職の才、天分の意味である。[人間への神の賜物]の意でフレーベルが命名し、それを一八七六年、東京女子師範学校附属幼稚園初代監事、関信三によって仏教的意味に置き換えられ、恩恵をもって父母や仏から賜わった物という意味合いを込めて[恩物]と命名されている。」との記載あり。
p208-224「Ⅱ 作品 二 遊具―遊具への関心 遊具の基礎づけ・恩物シリーズの形成―ボール・[日曜誌]の刊行・[遊具]を普及させるための方策・ドレスデンでの遊具の提示」の項に、それぞれ「恩物」についての解説はあるが、粘土に関する該当の記載なし。
⑯『フレーベルとペスタロッチ』 J.H.ボードマン/著 東信堂 2004 (自館請求記号:371.234)
p107「第二部 フレーベル 第四章 幼稚園-恩物と作業- 恩物の一覧」の項に、「第二〇恩物 これは、模型を製作する材料である。模型製作のために用意された粘土の使用は、子どもたちには自然の作業であるので、フレーベルによってまさに大変高い評価を得ている。模倣や変形と、また事物を取り扱う欲求は、子ども時代のなかにある最も注目すべき特徴であるし、子どもたちはこの課題においてそれを十分満たすことができるのである。同時に、一方で注意深い観察と入念な操作が養われるのである。-後略-」と、粘土に関する記載あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 教育学.教育思想 (371)
- 参考資料
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- 『どろ遊びと粘土遊びの全国アンケート調査に関する考察 一士粘土活動の可能性を探る-』 武小燕
- 『フレーベルとペスタロッチ』 J.H.ボードマン/著 東信堂 2004
- キーワード
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- 粘土あそび
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000307457