レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/09/28
- 登録日時
- 2022/10/04 00:30
- 更新日時
- 2022/10/20 20:06
- 管理番号
- 12976398
- 質問
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解決
住宅営団が建設した三池炭鉱社宅(大牟田、荒尾、高田町)について、各社宅の棟数、戸数、建設時期、建築面積、間取りなどが知りたい。
- 回答
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ご照会の件について、以下のとおり回答します。
住宅営団は昭和16(1941)年5月に設立され、昭和21(1946)年11月に解散した機関です。この点をふまえて、ご指定の資料1および資料2を確認しましたが、お求めの情報はありませんでした。
末尾に「*」が付された資料は、国立国会図書館デジタルコレクションに収録されており、国立国会図書館内で公開しています。末尾に「**」が付された資料は、国立国会図書館デジタルコレクションに収録されており、インターネットで公開しています。
【 】内は国立国会図書館請求記号、インターネットの最終アクセス日は2022年9月22日です。
資料1
住宅営団 編. 住宅研究資料 第4輯. 住宅営団. 昭和16-21【14.5-1070】*
「一六 大牟田市 三井鑛山 三池炭鑛住宅」として、コマ番号84に社宅の平面図が掲載されていました。しかし、その社宅が住宅営団によって建てられたとする記述は見当たりませんでした。また、いずれも昭和10年から昭和15年までの間に建てられた、または改築された社宅の平面図でした。
なお、この資料は『戦時・戦後復興期住宅政策資料』【EF52-G434】第4巻(1)のpp.219-374にも収録されています。
資料2
市浦健. 住宅営団の全貌. 建築雑誌 = Journal of architecture and building science. 57(702)1943.9. pp.614-618【Z16-80】
資料1、資料2以外の当館所蔵資料にも、住宅営団によって建設された三池炭鉱の社宅の戸数、建設時期、間取りなどがわかる資料は見当たりませんでした。
ただし、以下のような資料がありましたので参考までに紹介します。
1. 住宅営団によって建設された可能性のある三池炭鉱の社宅に関する資料
2. 住宅営団が全国各地で住宅を建設した際の基準となった平面図に関する資料
1. 住宅営団によって建設された可能性のある三池炭鉱の社宅に関する資料
資料3
本田昭四, 山下良二. 戦時・戦後(1930〜1950年代)に供給された炭鉱住宅の平面形式の変遷について : 炭鉱住宅計画に関する史的研究(2). 日本建築学会計画系論文報告集. 382. 1987. pp.67-76
( https://doi.org/10.3130/aijax.382.0_67 )
p.69「図-1 昭和戦前における「炭鑛労務者住宅」の典型平面」に、昭和12-20年に建設された三井三池の社宅の平面図があります。
資料4
農中茂徳. 三池炭鉱宮原社宅の少年. 石風社. 2016.6【GK185-L260】
pp.10-12に、住宅営団によって増改築された可能性のある宮原社宅についての記述があります。p.12に、著者が住んでいた宮原社宅の間取り図が掲載されています。
資料5
足立 壮太, 大月 敏雄, 谷口 尚弘, 安武 敦子, 橋本 泰作. 三井三池炭鉱における炭鉱住宅の建設過程に関する研究. 日本建築学会計画系論文集. 86(788)2021. pp.2410-2421
( https://doi.org/10.3130/aija.86.2410 )
社宅ごとではありませんが、昭和16年から昭和21年までの期間を含む、三井三池炭鉱の社宅の建設数推移が記載されています。p.2412「Fig.3-1 Constructions of Company Houses for Miners(-1948)」から従業員社宅の建設数推移(戸)が、同「Fig.3-2 Constructions of Company Houses for Officers(-1948)」から職員社宅の建設数推移(戸)がわかります。また、p.2415「Fig.5 Construction of Coal Mining Company Housing (Phase. 4.1 ~ Phase. 6)」に、社宅の建設過程がまとめられています。
2. 住宅営団が全国各地で住宅を建設した際の基準となった平面図に関する資料
資料6
西山夘三記念すまい・まちづくり文庫住宅営団研究会 編. 幻の住宅営団 : 戦時・戦後復興期住宅政策資料目録・解題集. 日本経済評論社. 2001.7【EF52-G525】
『戦時・戦後復興期住宅政策資料』【EF52-G434】全6巻(18分冊)の目録・解題集です。pp.77-94「二 住宅営団における住宅設計の変遷」に、住宅営団が日本各地で住宅を建設する際に基準とした住宅設計の変遷が記述されています。p.81「図1 基準平面図の代表的プラン」に、基準となった平面図の変遷がまとめられています。
資料7
①西山夘三記念すまい・まちづくり文庫住宅営団研究会 編. 住宅営団 : 戦時・戦後復興期住宅政策資料 第3巻(1). 日本経済評論社. 2000.11【EF52-G434】
②西山夘三記念すまい・まちづくり文庫住宅営団研究会 編. 住宅営団 : 戦時・戦後復興期住宅政策資料 第3巻(2). 日本経済評論社. 2000.11【EF52-G434】
資料6で解説されている、住宅営団の住宅設計の基準となった平面図が多数収録されています。
なお、三池炭鉱の社宅に関する資料として、大牟田市立図書館OPAC( https://www.omuta-lib.jp/WebOpac/webopac/selectsearch.do?searchkbn=2&histnum=1 )で検索したところ、以下の図書がありました。資料の内容をインターネット上で確認することはできませんが、お尋ねの情報が記載されている可能性がありますので、参考までにお知らせします。
・タイトル 三池炭鉱小屋・納屋・長屋・社宅沿革
著者 武松輝男/著
出版者 大牟田, 武松輝男 1994年
・タイトル 三井三池炭鉱社宅(散在・集団)分類と戸数 1994年10月30日調べ
著者 武松輝男/著
出版者 大牟田, ミニコミ「泥水」 1994年
(その他の調査済み資料、インターネット情報およびデータベース)
・池上重康. 『三井鉱山五十年史稿 巻十六』より : 第十編 労務 第三節 会社自体が行つて来た労務管理施設 第四項 住居管理. エネルギー史研究 : 石炭を中心として. 34. 2019.03. pp.37-51( https://doi.org/10.15017/2244497 )
・池上重康. 『三井鉱山五十年史稿 巻十八』より第十三編 職員 第五章 社宅施設. エネルギー史研究 : 石炭を中心として. 32. 2017.03. pp.181-196( https://doi.org/10.15017/1807804 )
・住宅営団 編. 住宅研究資料 第1輯-第3輯. 住宅営団. 昭和16-21【14.5-1070】*
・住宅営団 編. 住宅研究資料 第5輯-第11輯. 住宅営団. 昭和16-21【14.5-1070】*
・住宅営団 編. 住宅研究資料 第13輯-第26輯. 住宅営団. 昭和16-21【14.5-1070】*
・住宅営団 編. 住宅営団の栞. 住宅営団. 昭和16【特245-57】**
・鈴木千里. 厚生省社会局・設計基準平面図案に示された理念 : 住宅営団の住宅型式に関する考察 その1. 日本建築学会計画系論文集. 71(599)2006. pp.165-172
( https://doi.org/10.3130/aija.71.165_1 )
・西山夘三. 一建築学徒の回想-12-住宅営団. 近代建築. 34(2)-34(7) 1980.02-1980.07【Z11-336】*
・本田昭四, 山下良二. 「坑夫納屋」から「鉱夫社宅」への発展過程について:炭鉱住宅計画に関する史的研究(1). 日本建築学会計画系論文報告集. 375. 1987. pp.76-87 ( https://doi.org/10.3130/aijax.375.0_76 )
・本田 昭四, 山下 良二, 新垣 洋史, 岩下 陽市. 炭鉱住宅の計画と供給に関する住宅計画・政策論的研究(その1). 住宅建築研究所報. 12. 1986. pp.243-255 ( https://doi.org/10.20803/jusokenjo.12.0_243 )
・本田 昭四, 山下 良二, 新垣 洋史, 岩下 陽市. 炭鉱住宅の計画と供給に関する住宅計画・政策論的研究(2). 住宅建築研究所報. 13. 1987. pp.255-269 ( https://doi.org/10.20803/jusokenjo.13.0_255 )
・三池鉱業所沿革史. 大牟田市市史編さん委員会 編. 新大牟田市史 資料編. 大牟田市. 2019.03【YU9-M47】
・三井鉱山五十年史稿. 大牟田市三池炭鉱歴史資料デジタルアーカイブ
( https://trc-adeac.trc.co.jp/WJ11C0/WJJS02U/4020215100 )
・国立国会図書館オンライン( https://ndlonline.ndl.go.jp/ )
・国立国会図書館サーチ( https://iss.ndl.go.jp/ )
・大牟田市立図書館OPAC
( https://www.omuta-lib.jp/WebOpac/webopac/selectsearch.do?searchkbn=2&histnum=1 )
・みやま市立図書館蔵書検索
( https://www.library.miyama.fukuoka.jp/WebOpac/webopac/selectsearch.do?searchkbn=2&histnum=1 )
・朝日新聞クロスサーチ [当館契約データベース]
・産経新聞データベース(産経電子版) [当館契約データベース]
・毎索 [当館契約データベース]
・ヨミダス歴史館 [当館契約データベース]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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・「みいけ十年」(三池炭鉱労働組合)p856、第2表「戦後社宅新築戸数表」備考より
・「卒業研究 大牟田・荒尾の炭鉱住宅調査」有明高専 山口光臣 奈須義幸、昭和48年3月10日提出(個人蔵)
・協定書(三池炭鉱と三池労組、昭和30年7月20日)(『三池労組定期大会 昭和31年』、大牟田市立図書館所蔵SK資料=未登録資料所載)
・松岡高弘『大牟田市における三池炭鉱炭鉱関連の社宅調査報告書』(大牟田市教育委員会、平成11年3月) pp.103-108
・『[三池製作所労働組合]十年史』(三池製作所労働組合、昭和46年3月)83pの「規格別社宅欄[調カ]」(三池工場関係分)より
・『産炭地域住民の生活実態調査報告書』(九州大学産炭地問題研究)
・『旧炭鉱住宅の実態と産炭地域の生活環境整備に関する調査研究』
・『炭鉱住宅実態調査(資料編)』
「炭鉱住宅地区一覧(昭和47年12月)」に、大牟田市 29団地 5276戸数 とある。住宅営団が建設したかは不明。第1表 炭鉱住宅現況表(p.43-44) には、団地名と、企業名、所在地、棟数、戸数、一戸当たりの敷地面積、床面積、客数、畳数などはあるが、建設時期は不明。
・『平成5年度 福岡県産炭地域炭鉱住宅実態調査 結果報告書』
「市町村別・炭鉱住宅現況表」(p.58-61)があり、大牟田市と高田町の掲載がある。住宅営団が建設したかは不明。地区名、企業名、建設年度、棟数、住宅戸数、戸当室数と面積、畳数はある。
・『平成10年度福岡県産炭地域炭鉱住宅実態調査 結果報告書』資料編に「地区別炭鉱住宅現況表」があり、大牟田市と高田町の掲載がある。住宅営団が建設したかは不明。
掲載は上記とほぼ同じである。
・『福岡県炭鉱住宅』実態調査 結果報告 昭和52年12月
「表-11 市町村別、地区別炭鉱住宅現況表」があり、大牟田市(社宅を含む)がある。住宅営団が建設したかは不明。掲載は、団地名他は上記とほぼ同じである。
・『〔炭鉱住宅の実態等の調査〕』
「炭鉱住宅実態調査表」「炭鉱住宅改良計画(実績)等調査表」(該当なし)があり、大牟田市がある。住宅営団が建設したかは不明。炭坑名、地区名、総戸数、建て方、構造、入居空家別、所有形態について掲載がある。
- NDC
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- 労働経済.労働問題 (366 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 三池炭鉱
- 住宅営団
- 炭鉱住宅
- 社宅
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 経済社会(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 公立図書館 図書館
- 登録番号
- 1000322203