①『女性労働研究 第63号』によると、#MeToo運動とは、私も被害者であると書き込むオンラインキャンペーンのことだと書かれている。2017年の終わりにかけてアメリカで巻き起こったこの運動は、2018年には世界各地に広がりをみせた。#MeTooは、2017年10月5日、「ニューヨーク・タイムズ」紙がハリウッドで影響力のあるプロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの長年にわたる性暴力・セクハラ疑惑を報道したことがきっかけであった。性暴力やセクハラの被害を受けても黙っていた女性たちがそれまで沈黙していた被害の経験を#MeTooをつけて次々とネット上に書き込み、集団的に声を出し始めたのである。その驚くべき数と勢いは、性暴力・セクハラがどれだけ社会に蔓延しているのかを改めて気づかせてくれた。#MeToo運動で多くの加害者が辞任や解雇に追い込まれ、なかには昨日まで業界の大物として権力をふるっていた男性たちも少なくなかった。女性たちの集団的な証言によって彼らが辞任に追い込まれたことは、#MeTooがさらに広がる原動力となった、と書かれている。
②『フランス人の性』によると、「2017年10月5日、『ニューヨーク・タイムズ』紙にハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインがこれまで多くの女優や従業員にセクハラやレイプを行っていたことが暴露された。これをきっかけに、欧米社会では、ツイッターなどのソーシャルネットワーク(SNS)上に、「#MeToo」というハッシュタグが生まれる。そして、その「#MeToo」上で、これまで口を噤んでいた女性たちが男性のセクハラ、レイプを名指しで糾弾するようになった」と書かれている。
③『現代思想 vol.46-11』によると、“MeToo”運動の創始者はタラナ・バークという女性だと書かれている。「タラナ・バークのMeTooサイト
https://metoomvmt.org/ には【Vision】という項目があり、下記のように書かれている(訳は引用者)。“MeToo”運動は、2006年に性暴力のサバイバーを助けるために、とりわけ、低資産のコミュニティ出身の黒人女性を助け、癒やされる道を見つけるために創立されたものである。」と書かれている。また、「アリッサ・ミラノは、タラナ・バークのことを知らずに2017年に、このように書き込んだという。友達にこう提案された。「性的嫌がらせや虐待を受けたすべての女性が『Me too(私も)』と書き込めば、この問題の大きさを人々に知らせることができるのではないだろうか」。そして「もしあなたが性的嫌がらせや虐待を受けたら、このツイートに『Me too』とリプライして欲しい」(
https://twitter.com/Alyssa_Milano/status/919659438700670976 )。そこから“MeToo”は一気に広がりを見せた。」とも書かれている。