レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年12月23日
- 登録日時
- 2021/01/18 17:36
- 更新日時
- 2021/03/02 09:20
- 管理番号
- 関大総図 19A-44S
- 質問
-
未解決
『財務協会雑誌』13巻7号(1929年)所収の井垣秀男「営業収益税法取扱方に就いて」に記されている以下2つの文献を探している。
(1)「平田氏法人営業収益税講義案」昭和三年(p.56)
(2)「矢部司税官著書第七版」(p.57)
- 回答
-
(1)の資料は詳細・所蔵機関とも確認できませんでした。
(2)は上記論文p.57に掲載の第七版からの引用部分と照合し、以下の資料と特定できました。
書名:會社の改正所得税營業収益税資本利子税とその實際
著者:矢部俊雄
出版事項:「文精社, 1929.1改訂
注記:奥付の版表示: 7版, 増訂第7版自序あり
NCID:BA36568942
この版は「大阪市立大学学術情報総合センター」と「九州大学中央図書館」に所蔵があります。
また、次の版(訂8版)は国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1271788 【最終アクセス2021/01/18】
- 回答プロセス
-
(1)の調査プロセス
①書名:法人営業収益税講義案、著者:平田〇〇 という資料はCiNii Books、NDL-ONLINE、NDLサーチ、Google Books、WorldCat、ディープライブラリーなど各種の目録ではヒットせず。また、税務研究センター、租税資料館、税務大学校図書館も所蔵なし。
②税法・商事法務に詳しい平田姓研究者をCiNii Booksを利用して検索する。
候補1「平田敬一郎」→生没年は1908- 1992。昭和3年(1928年)は20歳。
候補2「平田央」→1928年から1930年あたりにかけて、平田央名義(著ではなく述)で複数の『〇〇講義案』という資料が文信社より出版されていることがわかる。
③②の結果から平田氏とは「平田央」、『法人営業収益税講義案』は文信社から出版された『講義案』のうちの1冊ではないかと予測する。
④文信社については『ガリ版ものがたり』(K*749.8*シ)に記述がある。
p.71-85「筆耕時代の宮沢賢治-伝説のプリント店文信社をめぐって」
文信社は東京帝国大学の近くに所在し、主に東大の講義内容の謄写プリントを(教員に無断で)発行していた印刷・出版業者とのこと。
上記の状況により『法人営業収益税講義案』は平田央の講義を書き写した資料ではないかと考えられる。しかし『文部省職員録』(国立国会図書館デジタルコレクション・インターネット公開)では、昭和2年、3年ころ平田氏は名古屋高等商業学校教授として勤務している。
その他国内主要大学図書館の蔵書検索システムを使用して個別に40館ほどを調査したが『法人営業収益税講義案』を所蔵している機関は確認できなかった。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 租税 (345)
- 参考資料
- キーワード
-
- 営業収益税--法令
- 収益税法
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 大学院生
- 登録番号
- 1000292640