レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2021/01/09 16:06
- 更新日時
- 2021/01/09 16:41
- 管理番号
- 2020-事例11
- 質問
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解決
「目には目を、歯には歯を」という言葉は『聖書』の言葉だったか?『ハンムラビ法典』の言葉だったか?両方に載っているようなら関連はあるのか。
- 回答
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『聖書』(旧約聖書・出エジプト記/新約聖書・マタイの福音書)及び『ハンムラビ法典』両方に記載があった。旧約聖書では、「出エジプト記21 章24 節」に「目には目、歯には歯、手には手、足には足」と記されており、同害報復による償いが要求されている。しかし、新約聖書のマタイによる福音書5 章38 節では、キリストが「目には目を、歯には歯をと命じられたのを、あなたがたは聞いている。しかしわたしはあなたがたに言う、悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬も向けなさい」と言って同害報復を禁じ、悪をもって悪に報いることをせず、善をもって悪に報いることを教えている。バビロニアのハンムラビ王が制定した世界最古のハンムラビ法典は、民法・商法を中心とした国家の基本法律で全文282 条からなっている。その中の刑罰編に「目には目を歯には歯を」という復讐思想にもとづく条文がある。
ハンムラビ法典と聖書の関連性に関しては、『四大文明 メソポタミア』の中に記載がある。当時、メソポタミアからシリア・パレスチナ地方を含む広い地域で学者や官僚となった人たちが学んだ書記学校のカリキュラムに共通して含まれていたためではないかと述べられている。
- 回答プロセス
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「目には目を、歯には歯を」をキーワードに故事、名言、ことわざの辞典に当たる。それぞれの掲載箇所の記載を手掛かりに、新約聖書・旧約聖書を確認した。また、関連については「ハンムラビ」と「聖書」をキーワードに検索した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 聖書 (193 10版)
- 法制史 (322 10版)
- 伝説.民話[昔話] (388 10版)
- 参考資料
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- 『世界の故事名言ことわざ 総解説』 江川 卓[ほか]/著 自由国民社 2017 年
- 『聖書』 [共同訳聖書実行委員会/訳] 日本聖書協会 1997 年
- 『ハンムラビ「法典」 古代オリエント資料集成1』 中田 一郎/訳 リトン 1999 年
- 『四大文明 メソポタミア NHK スペシャル』
- 『世界大百科事典 28』 平凡社 2007 年
- 『ユダヤを知る事典』 滝川 義人/著 東京堂出版 1994 年
- 『学研ハイベスト教科事典 世界歴史』 学研ネクスト 2010 年
- 『大きな活字のコンサイスカタカナ語辞典』 三省堂編修所/編 三省堂 2010 年
- キーワード
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- 「目には目を、歯には歯を」
- ことわざ
- ハンムラビ法典
- 聖書
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000292124