関東大震災時に東京都知事だったのは誰か。後藤新平ではないか。

当時の東京府知事は、宇佐美勝夫。
関東大震災（1923（大正12）年9月1日）当時、東京都ではなく東京府だった。
『東京府のマボロシ』（社会評論社　2014年）ｐ11「慶応４（1868）幕府の江戸城明渡しで新政府は閏4月政体書発布し地方三治制を定める（府、県、藩）。城内にできた三裁判所のうち市政裁判所は旧町奉行所の事務を引き継ぎ政府を執行。これが8月に幸橋御門内の旧柳沢甲斐守邸に置かれた東京府となる。（中略）首都行政の一元化と戦時体制強化のため、府と市は廃され戦時下昭和18年（1943）7月1日から東京都となる。」（なお出典は『江戸東京学事典』三省堂1987年より）
インターネットサイトWeblio辞書「東京都知事一覧」によると、当時の東京府知事は、宇佐美勝夫が1921-1925在任。
ちなみに東京都公文書館のHP「歴代東京市長・助役一覧」によると、当時の東京市長は、永田秀次郎が第8代で大正12.5.29～大正13.9.8在任。
後藤新平は第7代で大正9.12.17～大正12.4.27在任、関東大震災直前まで東京市長だったことがわかる。
後藤新平の東京市長在任期間については『後藤新平』（北岡伸一著　中公新書　1998年）年譜p246～247にもある。
後追い調査として、『日本近現代人物履歴事典』（東京大学出版会　2002年）「宇佐美勝夫（大10.5東京府知事）」ｐ81、「後藤新平（大9.12～12.4東京市長、大12.9～13.1内務大臣）」ｐ218、「永田秀次郎（大12.5～13.9東京市長）」ｐ370。
『江戸東京年表』（増補版　小学館　2002年）ｐ193の大正十二年のページの右上「府知事：宇佐美勝夫　市長：後藤新平、永田秀次郎」。
『東京百年史　第４巻』（東京百年史編集委員会編　東京都　1972年）ｐ144「第二十三代　宇佐美勝夫（うさみかつお）大正十年五月二十七日任　同十四年九月十六日退　在職四年四月　（中略）関東大震火災をはさむ四年四か月の非常時代の政府を担当し（後略）」。
『東京百年史　別巻』ｐ402「1923大正12年4月～9月　東京府知事　宇佐美勝夫　東京市長　永田秀次郎（5・29任）　4.25後藤市長、辞意表明。28日辞任。　5.25永田秀次郎、東京市長当選」。（美原図書館）

Weblio辞書＞東京都知事一覧
https://www.weblio.jp/content/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E7%9F%A5%E4%BA%8B%E4%B8%80%E8%A6%A7
東京都公文書館＞江戸・東京を知る＞東京都組織沿革＞歴代東京市長・助役一覧
http://www.soumu.metro.tokyo.jp/01soumu/archives/0702c_mayor.htm 　(2016/12/02確認)