レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年05月11日
- 登録日時
- 2017/01/31 14:56
- 更新日時
- 2020/07/27 12:28
- 管理番号
- 中野0702
- 質問
-
未解決
中国・唐の時代の「皇太子」「親王」の衣の色について。皇帝の色は黄色だが、皇太子・親王の色について書かれた文献が欲しい。
日本では養老令から「東宮」の衣の色は「黄丹」と定められたようだが、これが唐の位階制度に習ったものとすると、当時の中国の唐の「皇太子」の衣の色も「黄丹」であったと考えてよいのか。
また、「親王」の衣の色も、日本では「黒紫」だったようなので、当時の中国でも同様と考えてよいのか。
- 回答
-
唐の親王の服色については、後述の資料に記述があります。
皇太子の服色については、明確な回答を得ることができませんでした。
「養老令」とそれを比較対照できる唐の時代の法制についての資料としては、
【資料1】仁井田陞著『唐令拾遺』(1983)または
【資料2】『唐令拾遺補』(1997)(いずれも東京大学出版会)があります。
【資料1】『唐令拾遺』で「衣服令」はp.391-p.468に収録されています。中央図書館からは「国立国会図書館デジタルコレクション」にて1933年出版(東方文化学院東京研究所)の同資料を閲覧することができます。
中国の歴史に関する本を調べる資料としては、以下のものがあります。
【資料3】『中国歴史研究入門』名古屋大学出版会,2006(222/チ)
【資料4】『アジア歴史事典』平凡社,1992(R220.0/ア)
【資料5】『アジア歴史研究入門』同朋舎出版,1983
このうち【資料3】【資料4】のみ中野区立図書館で所蔵しています。
【資料4】の第8巻p.102-の「服飾」の項に、小項目「中国」があり、その最後に参考文献として原田淑人氏の中国服飾の著作が挙げられています。
このうち『支那唐代の服飾』は中央図書館から「国立国会図書館デジタルコレクション」にて閲覧することができます。
同様に【資料3】のp.113にも同氏の『唐代の服飾』(東洋文庫論叢第51,東洋文庫,1970 ※当館所蔵なし)が紹介されています。
また、Ciniiの論文検索にて「唐 服飾」で検索しますと、
【資料6】「漢唐間の礼制と公的服飾制度に関する研究序説」(『埼玉大学紀要 教育学部』58(2),小林聡,p.233-248,2009. pdfファイル閲覧可能)という論文があり、唐代の服飾についての先行研究として前述の原田氏の著作の他に【資料7】『東洋服装史論攷 中世編』(杉本正年,文化出版局,1984)を挙げています。この資料も当館に所蔵がありません。
●その他、調査済みの資料
(1)『図説中国文明史6 隋唐開かれた文明』創元社,2006(222.0/ズ/6)
(2)『古代の服飾』猪熊兼繁,至文堂 1962(383.1イ/閉架)
(3)『日本古代の色彩と染め』前田雨城,河出書房新社,1980(757.3/マ)
(4)『中国服装史』華梅,白帝社,2003(383.1/カ)
このうち(1)のp.192に、親王の服色について記述があり。
(2)~(3)は、日本の衣服令や色彩(染色)が主題だが、唐の服制や伝統的な色彩についても記述がみられ、(4)はp.85~p.86に皇帝の色である「黄色」についての記述あり。(2)~(4)は直接の回答になりそうな記述はないが、調査の補助としてご紹介。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
『和の色のものがたり』(視覚デザイン研究所)には、日本では養老令から「東宮」の衣の色は「黄丹」と定められたとある。
- NDC
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- アジア史.東洋史 (220)
- 中国 (222)
- 参考資料
- キーワード
-
- 皇太子
- 親王
- 養老令
- 衣服
- 位階制度
- 色
- 服飾
- 色彩
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000208430