1 インターネットでホームページを見る。
(1)足立区ホームページ (最終アクセス日2022年10月28日)
<冨嶽三十六景/千住>を検索する。
「武州千住 冨嶽三十六景と千住」
https://www.city.adachi.tokyo.jp/hakubutsukan/2015hugakubusyuusennjyu.html から質問の浮世絵2枚の作品名が「隅田川関屋の里」と「従千住花街眺望ノ不二」であることがわかる。また「従千住花街眺望ノ不二」については「現在では台東区域からの作品になりますが、描かれた当時は、荒川区分の小塚原・中村町の地域にあたっていたため「千住」と表記されています」とあった。江戸時代で千住宿といった場合、現在の荒川区小塚原、中村町のも含まれてたことがわかる説明あり。
「隅田川関屋の里 冨嶽三十六景」
https://www.city.adachi.tokyo.jp/hakubutsukan/2017hugakusannjyuurokkei.html「隅田川関屋の里」に描かれた場所がどこかの記述あり。
「冨嶽三十六景のなかに3カ所も」
https://www.city.adachi.tokyo.jp/hisho/ku/kucho/mainichi-20160322.htmlでは、作品が描かれたと思われる場所に、NPO法人千住文化普及会が顕彰碑を設置したとの記述があり。顕彰碑を設置した場所も記載されている。「従千住花街眺望ノ不二」については「現、南千住側の日光街道から新吉原遊郭を描いたもので(後略)」とあり。設置場所は描かれた場所ではない。関連リンクがあるが、ページは見つかりませんとなる。
(2)千住文化普及会のホームページ (最終アクセス日 2022年10月28日)
「仲町公園北斎顕彰碑」
https://senjubunka.com/%E4%BB%B2%E7%94%BA%E5%85%AC%E5%9C%92%E5%8C%97%E6%96%8E%E9%A1%95%E5%BD%B0%E7%A2%91/顕彰碑写真、建立地、画題の対象地を示した地図あり。「従千住花街眺望ノ不二」の対象地は、顕彰碑のある橋戸町からは南方の東京メトロ日比谷線南千住駅の南側で三ノ輪駅の東側となる地域に、明治通りと土手通りを囲むような楕円で示してある。
2 NPO法人千住文化普及会の関係する資料がないか、自館端末で全項目〈NPO法人千住文化普及会〉と検索する。
【資料1】
p.23「隅田川関屋の里」千住仲町28付近とあり、p.24には「現在の千住仲町公園付近から西方向に向かって描いたという」との記述あり。
p.49「従千住花街眺望ノ不二」について「小塚原町、中村町付近から吉原を描いたものといわれている」とあり。p.12「千住八ヵ町」によると1660(万治3)年に小塚原町、中村町(現在の荒川区南千住)が千住宿に加えられたことがわかる。
3『浮世絵レファレンス事典』(日外アソシエーツ編 日外アソシエーツ 2010)p.373から「富嶽三十六景 従千住花街眺望ノ不二」の所蔵資料にあたる。
『秘蔵浮世絵大観』ベレス・コレクション(講談社 1991)図版のみ
『名品揃物浮世絵』8(ぎょうせい 1991)図版解説p.125「(前略)田圃うしろの塀をめぐらした屋敷は千住の岡場所(花街)である」とあり。描いた場所の記述なし。
『浮世絵八華』5(平凡社 1984)図版4の解説に「千住の遊郭を畑の後方にみながら、その後方に富士がのぞく(後略)」とあるが描いた場所の記述なし
『浮世絵大系』13別巻1(座右宝刊行会編 集英社 1975)p.119「千住大橋に向かって国元に帰る大名行列の一行が進んでいく。橋を渡ってしまえばそこから先は江戸の外(後略)」とあり。「江戸で官許を得た遊郭としては純然たる吉原遊郭のほかに、飯盛り女という名目で許された四宿の岡場所があった(中略)千住大橋の南のたもとで、日光街道を利用する(後略)」とあるが、描かれた場所の特定はされていない。
『在外秘宝』4 欧米収蔵浮世絵集成 葛飾北斎(楢崎宗重編 学研1972)図版のみ
3 参考図書にあたる
『浮世絵大事典』(国際浮世絵学会編 東京堂出版 2008)p.431「富嶽三十六景」描かれた場所の記述なし。この参考文献『絵本と浮世絵』鈴木重三著 美術出版社1979)にあたるが場所の記述なし。
4 足立区資料にあたる
【資料2】p.145「(前略)描写の場所は明らかでないが、荒川南岸の浅草通りであろうか」とあり。
『千住宿と足立』(勝山準四郎著 足立史談会 1981)p.112「(前略)伊達藩に限って、後年参勤交代にて帰国の際に大橋を渡る時、空鉄砲50発を打ちならす不思議な家例を認められている(後略)」とあるが場所は特定されていない。
他に見た資料
『北斎』浮世絵を読む4(浅野秀剛編 朝日新聞社 1998)
『北斎富嶽三十六景』(平凡社 1968)
『大千住マップ』(足立区観光交流協会 2022)
『新修荒川区史』上(荒川区役所編 荒川区役所 1955)
『台東区史』沿革編(東京都台東区役所編 東京都台東区役所 1966)