レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2003年02月04日
- 登録日時
- 2018/08/15 13:17
- 更新日時
- 2018/08/15 13:17
- 管理番号
- 千県西-2018-0001
- 質問
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解決
千葉県船橋市の地名の由来となった、船にかけた橋について知りたい。
- 回答
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【資料1】から【資料3】より「小さな舟を数珠つなぎに並べて上に板をわたしたもの」とありました。また【資料4】には解説とともに富士川に架けられた「船橋」の絵図が掲載されています。(千葉県船橋市の由来となった「船橋」とは異なります)
なお、由来については【資料5】から【資料10】にあるように諸説あります。
【資料1】「船橋市 魅力発信サイトFUNABASHI Style」の「船橋・地名の由来」(http://www.city.funabashi.lg.jp/funabashistyle/jp/001/p043039.html)より、
「その昔、市内を流れる「海老川」は、現在より川幅が広く、水量も多かったため、橋を渡すのが困難だったそうです。そこで、川に小さな舟を数珠つなぎに並べて上に板を渡し、橋の代わりにしたことから「船橋」という名がつきました。」とあります。
【資料2】「ふなばし市民便利帳 平成28~30年版」(電子ブック版)(http://www.scinex.co.jp/wagamachi/area/prf/chiba/funabashi/_SWF_Window.html)のp12「船橋・地名の由来」にも【資料1】と同様の説明がされています。
【資料3】『船橋の民話』(村上昭三著 聚海書林 1993)
p224-225に、船を太日(おおひ)川(現在の海老川)の東西の両岸に横向きで数珠つなぎに並べて浮かばせ、さらにその船の上に分厚い丈夫な板を被せるように敷き橋にした民話が掲載されています。
【資料4】『絵巻物による日本常民生活絵引 2』(平凡社 1984)
p96-97に船橋という項があり解説が載っています。また富士川にかけられた船橋の絵図が掲載されています。
【資料5】『大日本地名辞書第6巻 坂東 増補版』(吉田東伍著 富山房 1980)
p705より「船橋は其海湾、西南に江戸川口の沙嘴延伸し、東南岸亦彎曲して、まさに半環を成せり。而も小金下野の野水南下して、此の環中に注ぐが故に駅中に一橋梁あり、即船橋の名の起る所とす。」
【資料6】『角川日本地名大辞典 12 千葉県』(角川書店 1984)
p748より「海老川に架けられた船橋が地名の由来か(船橋市史上)」。
【資料7】『船橋市史 原始・古代・中世編』(船橋市史編さん委員会 船橋市 1991)
p316より「(前略)船橋大神宮の由緒書によると、景行天皇四十一年、東征途上の日本武尊が、船で湊郷に着いたとき、人々が旱魃で苦しんでいた。そこで尊が祭場を建て、伊勢の天照皇大神を祭り、蝦夷の降服と祈雨を祈願したところ、たちまち大雨が降り、五穀豊穣になったという。その後、日本武尊の功績をしのび、尊を同じ社殿にともに祭ったところ、大雨で洪水となり、船の橋で往来しなければならなくなった。これより、湊郷を改めて船橋と名付けたという」。
【資料8】『ふるさとの地名 船橋の地名の由来を探る』(船橋市史談会 2000)
p4より「古代、現在の本町通りの北側は、潟の名残の沼や湿地が広がっていた。そこを現海老川の原型の川が流れ、砂州の東端から海にそそいでいた。その川は今よりはるかに広く、水量も多かった。そこへ宮本の台地から、海神方面に行く道が通じ、川には船を並べて上に板等をわたした橋が設けられ、それがやがて地名となっていった。」
【資料9】『船橋のあゆみ』(船橋市郷土資料館編集 船橋市郷土資料館 2008)
p115より「船橋大神宮に伝わる縁起(宝暦五年(一七五五)成立の『意富比神社御鎮座伝記』)によれば、海老川へ船を浮かべて渡したことから、湊郷を改め船橋とした、とある。同縁起にはまた、日本武尊を夏見の宮へ祀ったところ、大雨で湊郷が洪水になり船の橋で渡した、という話も伝わっている。」
【資料10】『滝口さんと船橋の地名を歩く』(船橋地名研究会編著 崙書房 2014)
p38より「(前略)中世、大神宮を中心として町ができてきたころ、その出口の水路は幅が広く、そこを渡るのに大きく長い船の橋が造られたことから、近郷に珍しいものとして「船橋」という地名ができたのでしょう。」
(インターネット最終アクセス:2018年5月28日)
- 回答プロセス
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船橋市の公式HPより【資料1】【資料2】の情報を得る。千葉県立図書館デジタルアーカイブ「菜の花ライブラリー」を「船橋 由来」でキーワード検索したところ、1993年2月8日の千葉日報の記事で【資料3】の情報を得る。
また、『日本歴史地名大系 12 千葉県の地名』(平凡社 1996)、【資料5】、【資料6】にあたり、【資料6】より『船橋市史上』の情報を得る。
このほか、郷土資料の書架を見て回り、【資料8】【資料9】などを見つける。
- 事前調査事項
- NDC
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- 関東地方 (213 9版)
- 日本 (291 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】「船橋市 魅力発信サイトFUNABASHI Style」(http://www.city.funabashi.lg.jp/funabashistyle/jp/index.html)
- 【資料2】「ふなばし市民便利帳 平成28~30年版(電子ブック版)」(http://www.scinex.co.jp/wagamachi/area/prf/chiba/funabashi/_SWF_Window.html)
- 【資料3】『船橋の民話』(村上昭三著 聚海書林 1993)(1101183868)
- 【資料4】『絵巻物による日本常民生活絵引 2』(平凡社 1984)(1100220896)
- 【資料5】『大日本地名辞書第6巻 坂東 増補版』(吉田東伍著 富山房 1980)(1100217578)
- 【資料6】『角川日本地名大辞典 12 千葉県』(角川書店 1984)(1100008021)
- 【資料7】『船橋市史 原始・古代・中世編』(船橋市史編さん委員会 船橋市 1991)(1101516830)
- 【資料8】『ふるさとの地名―船橋の地名の由来を探る―』(船橋市史談会 2000)(1101839017)
- 【資料9】『船橋のあゆみ』(船橋市郷土資料館編集 船橋市郷土資料館 2008)(1102136503)
- 【資料10】『滝口さんと船橋の地名を歩く』(船橋地名研究会編著 崙書房 2014)(1102384735)
- キーワード
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- 千葉県-船橋-歴史
- 地名
- 由来
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000240682