レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年11月18日
- 登録日時
- 2014/11/18 14:19
- 更新日時
- 2014/11/18 14:19
- 管理番号
- 企-140010
- 質問
-
キリスト教の「ニコライズム(聖職者の妻帯)」の語源を知りたい。
ラテラノ公会議で「シモニア」と「ニコライティズム」の2つが禁止とされたと資料に書いてある。「シモニア(聖職売買)」はシモンという人が聖職売買を行ったことが語源だと本に書いてあったが、「ニコライティズム」の語源は書いていない。おそらくこれもニコライという人名が語源と推測しているが、正しいのだろうか?
- 回答
-
次の資料を調査したところ、関連の記述があったので、紹介した。
〇『叙任権闘争』(歴史学叢書)A.フリシュ著、野口洋二訳 創文社 1972年刊
p.19に次のような記述があります。
「ニコライスムという言葉の起源を明らかにすることはかなり難かしい。聖イレネウスが、使徒行伝〔六・五〕のなかで、全く不明瞭ながらアンティオキアの改宗者ニコラウスを主謀者とする一異端をすでにこの名称で呼んでいる。だがそれはともかく、十、十一世紀に、ニコライスムという言葉は姦淫と同義語であった。」
(回答者注:ただし、使徒行伝にはニコラウスの言行について具体的な記述はありません)
〇『グレゴリウス改革の研究』野口洋二著 創文社 1978年刊
p.34に「妻帯・蓄妾聖職者を指すNicolaitaの名が何に由来するかは必ずしも明らかでないが」とあり、この部分の注に「その起源はヨハネ黙示録(二ノ六、一五)とも使徒行伝(六ノ五)とも言われているが明らかでない。」(p.50)とある。
また、下記も参考までに紹介した。
http://www.jesus-web.org/radioprg09/prg_box190_20090325.htm
(「ふくいんのなみ」山下正雄(ラジオ牧師)2009年3月25日に、「ニコライ派とは?」というテーマで放送)
- 回答プロセス
-
下記資料については調査したものの、適切な回答は載っていなかった。
『世界キリスト教百科事典』教文館 1986年
『キリスト教神学基本用語集』教文館 2010年
『リフォームド神学事典』いのちのことば社 2009年
『キリスト教用語辞典』東京堂 1955年
『キリスト教大事典』教文館 1963年
『現代カトリック事典』エンデルレ書店 1982年
『知の教科書 キリスト教』(講談社選書メチエ)講談社 2002年
※「キリスト教は女嫌いか-妻帯司祭の話-」の章はあるが、該当の記述なし。
『これだけは知っておきたいキリスト教史』教文館 2011年
※p.94で「シモニア」に触れているが、語源についての記述なし。
- 事前調査事項
-
世界大百科事典(平凡社)、大日本百科辞典(小学館)
Google
- NDC
-
- キリスト教史.迫害史 (192)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000162325