レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/10/01
- 登録日時
- 2021/11/06 00:30
- 更新日時
- 2021/11/06 00:30
- 管理番号
- 滋2021-0015
- 質問
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解決
滋賀県甲賀市の飯道山にあった昔の坊と院の名前を知りたい。
- 回答
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『近江輿地志略 全』には、次のように書かれています。
「飯道寺 (略) 五院あり五大尊を表すと云う。五院は所謂梅本院・岩本院・古菴室・鳥居坊・水本坊なり。今梅本岩本の二院のみ住僧有り。此五院の内に又坊あり。梅本院内戒乗院、岩本院内西方院、古菴室院内智積院・行満坊・壽命院・不動院・顯性坊。鳥居坊院内金剛院・法乗院・壽量院・宝泉坊。水本院内化城院・常樂院・大蔵坊・實蔵坊・松壽院・常應院。(以下略)」
なお、『近江輿地志略』は、膳所藩士の寒川辰清が編纂した地誌で、享保19年(1733)に刊行されています。
また、『滋賀県史蹟調査報告』 第5冊の「甲賀郡 飯道山」にも、飯道山寺阯に関する記述が載っています。著者が当山惣絵図を参照して昭和7年に側図したものや、当山惣絵図に記された20字の五院阯や坊が記されています。なお、この絵図は德川時代中期の製作としています。
ただし、院や坊の記述が『近江輿地志略』とは若干異なります。
本書によると、「輿地志略の出来た享保以前より既に之等の書院があり(略)。これは当山惣絵図及飯道寺山粧之図に示された景観とはやゝ一致しない。水本[光寛氏]の談には水本坊は梅本院の分れであった、鳥居坊を古菴室と云って居たといえばやはりそこに種々の変遷があり統属関係なども終始同一でなかったのかも知れないが今これを明らかにすることは出来ない。」と、記載されています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 仏教 (180 8版)
- 参考資料
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- 1 近江輿地志略 全 寒川辰清∥著 宇野健一∥改訂校註 弘文堂書店 1976年 S-2900-734 p.593
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2 滋賀県史蹟調査報告 第5冊 崇福寺に関する延暦僧録の記事 他 肥後和男∥著 滋賀縣保勝會 1933年 S-2200-5 p.37,46~48 -
3 修験道金奇山飯道寺 中西新二∥文 金奇山飯道寺 1989年 5-1833- 89 p61,69 -
4 甲賀市史 第2巻 甲賀衆の中世 甲賀市史編さん委員会∥編集 甲賀市 2012.2 S-2133-2 p381~383 -
1 近畿霊山と修験道 五来重∥著 名著出版 1978年 S-1608- 78 p.91,95,101 -
2 信楽町史 信楽町史編纂委員会∥編 滋賀県立甲賀高等学校社会部∥編 臨川書店 1986年 5-2137- 86 p.89 -
3 甲賀郡志 上巻 甲賀郡教育会∥編 名著出版 1971年 S-2130-1 p.46~47 -
4 甲賀郡志 下巻 甲賀郡教育会∥編 名著出版 1971年 S-2130-2 p.670~671 -
5 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.580~581 -
6 近江の古道 相馬大∥著 サンブライト出版 1985年 S-6800- 85 p.35~36 -
7 高岡功.江州飯道山行者講. あしなか 134号 山村民俗の会 1972年11月 p.14~17 -
8 大日本地名辞書 第2巻 上方 吉田東伍∥著 冨山房 1980年 R-2910-2 p.678
- キーワード
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- 飯道山
- 坊
- 院
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000307218