レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年12月14日
- 登録日時
- 2017/12/14 19:29
- 更新日時
- 2018/04/26 11:00
- 管理番号
- 名古屋市鶴-2017-031
- 質問
-
解決
熱田神宮には蓬莱伝説があるが、熱田神宮を蓬莱とする史料を探している。林羅山などが書いているように思う。
- 回答
-
『熱田神宮の伝説と名所』p.80に熱田神宮の蓬莱伝説に関する列品解説があり、「海道記」や「熱田宮秘釈見聞」が紹介されています。また、『熱田神宮史料 地誌編』p.289-291には「蓬莱島之説」の翻刻があります。同書の解説によると、この史料は天保12年11月に小田切春江が熱田の蓬莱伝説に関する諸文献より関係記事を集め取り纏めたもので、林羅山の「本朝神社考」もその一つとして挙げられています。
なお、『日本の神々 第10巻』p.20には、熱田神宮を「蓬莱」とみる初見は寛弘年間(1004-1012)成立の尾張守大江匡衡の『江吏部集』だとあります。また、同書には“「小蓬莱」と書いて「おわり」と読ませたり、名古屋が京都から見て熱田の左にあたることから名古屋が「蓬左」、名古屋城が「蓬左城」と呼ばれたりもした。ちなみに、「蓬左」の初見は、芭蕉の『阿羅野』(元禄二年〔1689〕)である”とも書かれています。
- 回答プロセス
-
まず熱田神宮に関する資料を調べると、『熱田神宮の伝説と名所』や『熱田神宮史料 地誌編』所収の「蓬莱島之説」に諸文献の記事が集められていることがわかりました。諸文献の一つに「林道春の神社考に伝」とあることから、林道春について調べると林羅山の僧号であることがわかりました。林羅山の著作を確認すると、『本朝神社考・神社考詳節』p.270に紀州熊野、駿州冨士、尾州熱田を蓬莱とする記述がありました。
後日、『日本の神々 第10巻』p.20-21に熱田神宮の蓬莱伝説、楊貴妃伝説、名古屋を蓬左とする初見などについて書かれていることがわかりました。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 神社.神職 (175 9版)
- 参考資料
-
-
熱田神宮文化部文化課 編 , 熱田神宮 (名古屋市). 熱田神宮の伝説と名所 : 秋季企画展. 熱田神宮宮庁, 2012.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024038984-00 -
熱田神宮宮庁/編纂 , 熱田神宮. 熱田神宮史料 [第6]. 熱田神宮宮庁, 2015.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I071439646-00 -
林羅山 [著] , 林, 羅山, 1583-1657. 本朝神社考・神社考詳節. 現代思潮社, 1980. (続日本古典全集)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001465518-00 -
谷川健一 編 , 谷川, 健一, 1921-2013. 日本の神々 : 神社と聖地 第10巻. 白水社, 1987.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001840973-00 , ISBN 4560022208
-
熱田神宮文化部文化課 編 , 熱田神宮 (名古屋市). 熱田神宮の伝説と名所 : 秋季企画展. 熱田神宮宮庁, 2012.
- キーワード
-
- 熱田神宮
- 蓬莱山
- 蓬莱島
- 林羅山
- 蓬左
- 小蓬莱
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000226433