レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018/11/17
- 登録日時
- 2019/12/27 00:30
- 更新日時
- 2019/12/27 10:40
- 管理番号
- 所沢狭山-2019-009
- 質問
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解決
果物のザクロが出て来る神話や民話などが載っている本を探している。
- 回答
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以下の資料に記載があります。
〇『図説世界シンボル事典』 ハンス・ビーダーマン/著 八坂書房 2000年
〇『花の神話と伝説』 C.M.スキナー/著 八坂書房 1985年
〇『ギリシア神話』 呉茂一/著 新潮社 1994年
〇『ギリシャ神話』 新人物往来社/編 新人物往来社 2010年
〇『図説エジプト神話物語』 ジョナサン・ディー/著 原書房 2000年
〇『世界の花と草木の民話』 日本民話の会外国民話研究会/編訳 三弥井書店 2006年
〇『天の仏像のすべて』 枻出版社 2013年
〇『鬼子母神のはなし』 中村真男/文 風濤社 1988年
〇『北野天神縁起を読む』 竹居明男/編 吉川弘文館 2008年
〇『世界の民話 18 』小沢俊夫/編 ぎょうせい 1979年
〇『インドの民話』 M・S・H・ストークス/原著 大日本絵画巧芸美術 1979年
〇『世界の神話伝説』 自由国民社 1998年
- 回答プロセス
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1.所蔵資料の内容確認
〇『図説世界シンボル事典』 ハンス・ビーダーマン/著 八坂書房 2000年
p.176「ザクロ」に記載があります。
「(前略)みずみずしい果肉の中にぎっしり詰まった無数の種子は豊穣のシンボルとされ、果実はフェニキアの女神アシタロテ(アシュトレト)、ギリシア神話のデメテル(ローマ神話ではケレス)とその娘ペルセポネ(プロセルピナ)、アプロディテ(ウェヌス)、アテナといった女神たちの象徴とみなされた。
エレシウスの密儀においてとりわけ重んじられた神話によると、ペルセポネは冥界の王ハデスのもとに連れ去られたが、そこでザクロの種を食べさえしなければ死者の国にとどまらずにすんだという。しかしペルセポネはその種を口にしたばかりに、永遠に地上の神々のもとにいることができず、1年の3分の1は冥界に戻って暮らさなければならなくなったのである。また、「偉大なる母」キュベレに愛された若者アッティスは、母ナナがザクロの木に触れて身ごもった子であるという。(以下省略)」との記載あり。
〇『花の神話と伝説』 C.M.スキナー/著 八坂書房 1985年
p.248-250「ザクロ(Pomegranate)」の項あり。
「(前略)しかし、これはまた古代神話においては、地獄の果実であった。なぜなら、それを食べたペルセポネは黄泉の国に戻り、一年の半分をそこで過ごさなければならなくなったからである。(以下省略)」との記載あり。
〇『ギリシア神話』 呉茂一/著 新潮社 1994年
p.263-283「第一節女神デーメーテールとコレー」の項に、冥王ハーデスが隙をねらって、甘い柘榴の実をペルセポーネの口に押し込み、そのため一年の三分の一を暗黒界で過ごさなければならなくなった内容の記載あり。
p.266「(前略) この賛歌の主題は、プルートーンすなわちアイドーネウス(冥府王)によるペルセポネーの誘拐であるが、(中略) 少女はその見事さに心を奪われ、さっそく両手を延ばして、この立派な玩具を取ろうとした。すると突然大地に裂け目ができて、大きな口が開いたと見るまに、かのたくさんな名をもつクロノスの子の、すべての人を待ち受ける御主(すなわち死の神)がそこから、神馬を御して現れた。そしていやがる少女を捉え、黄金づくりの車に乗せると、泣き叫ぶのをそのまま、つれていってしまった。(以下省略)」との記載あり。
〇『ギリシャ神話』 新人物往来社/編 新人物往来社 2010年
p.43-44「死の世界」の「ハデスの美しい妻ペルセポネ」の項あり。
「ゼウスとデメテルの娘ペルセポネは、(中略) 芳しい香りに誘われてその花を手折ろうとした瞬間、突然大地が割れて黒馬が引く戦車が現われ、彼女を強引に大地の底に連れて行ってしまった。(中略) ゼウスはペルセポネを地上に帰すよう命じた。だがハデスは、妻にざくろの実を与えた。(以下省略)」との記載あり。
〇『図説エジプト神話物語』 ジョナサン・ディー/著 原書房 2000年
p.24-32「ラーの目」の項に柘榴が出てくる話あり。
「(前略) するとラーは、人間の娘たちにビールを造るよう命じるのでした。娘たちはすぐさま仕事にかかり、大量の大麦をつぶし、やがて七千杯ものビールが出来上がりました。そしてこの七千の杯のどれにも、マンドラゴラの草から煮出した成分をまぜました。するとただちに、ビールは真紅の色に染まりました。この上に、さらにザクロの果液が加えられると、ビールはもっと血のようになりました。(以下省略)」との記載あり。
〇『世界の花と草木の民話』 日本民話の会外国民話研究会/編訳 三弥井書店 2006年
p.16-20「ザクロ姫(インド)」の話あり。
「七人の王子がいる王がいて、できることなら別の王の七人の王女と結婚させたいと願い、大臣を派遣した。(中略) 婚礼の準備が始まると、一番末の王子は王にいった。「全員が王女たちを迎えに出かけてしまうと、王国は留守になり、敵に攻め込まれてしまうかもしれません。私は残って留守をあずかっていますから、私の花嫁も連れて帰ってください」王と王子たちは無事に花嫁を連れてもどってきたが、花嫁は六人しかいなかった。(中略) 王子は、最初は遠慮したが、行者がくりかえしくりかえしいうので、ついに、「私はザクロ姫と結婚したい」といってしまった。行者は、「いままでに何人もの王や王子が名高いザクロ姫と結婚したいと頼みにきたが、だれもできなかった。しかし、ほかならぬおまえの頼みならかなえてあげよう。この棒をもっていって、外の庭のザクロの木を打ち、落ちたザクロの実を拾って、気を付けて割って開けるがよい」と教えてくれた。(以下省略)」との記載あり。
〇『天の仏像のすべて』 枻出版社 2013年
p.90「鬼子母神 きしもじん Hariti」の項の「起源」に「他人の子供を食べていたというインドの悪神ハーリーティーが、ブッダの神通力によって仏教に帰依し、子供たちを守る善神となった。」とあり。
p.92-93「(前略) 左手に最愛の末っ子を抱き、右手に吉祥果とよばれる果実をもつ。この吉祥果はザクロとされる。そのゆえんは、もう2度と子供を食べられなくなった鬼子母神にむかって、ブッダがザクロの味が人間の肉の味に近いから、食べなさいとすすめたためという。(以下省略)」との記載あり。
〇『鬼子母神のはなし』 中村真男/文 風濤社 1988年
「インドのお話です。(中略) そういって、おしゃかさまは、あのおどりにむちゅうになって、おなかの赤ちゃんをながしてしまった牛かいの妻のことを話してきかせました。「おまえの心がめいじていたことは、むかしの牛かいの妻ののろいなのだ。こののちもまた、おまえの心がさわぐことがあろう。そのときは、ザクロの実を食べなさい。味がにているから、心がしずまるだろう。(以下省略)」との記載あり。
〇『北野天神縁起を読む』 竹居明男/編 吉川弘文館 2008年
p.66「道真の怨霊と北野天満宮の創立」の「道真の霊が天台僧尊意のもとに出現し、怨霊調伏の修法の中止を乞う(柘榴天神)」に柘榴の記載あり。
「(前略)これを聞いて神霊は顔色を変え、喉の渇きにと出された柘榴の実を口に含んだかと思うと、妻戸に吐きかけて姿を消した。その柘榴は炎となって妻戸に燃えついたが、尊意は灑水の印を結んで消し止めた。焦げた妻戸は、いまだに本房に残っているという。(以下省略)」
△『世界植物神話』 篠田知和基/著 八坂書房 2016年
p.130「ザクロ姫(インド)」の項に「オレンジやザクロから生まれた妖精は悪い女によって殺されるが、埋められたところからザクロが生え、実がなって、それを切るともとの妖精がでてくる。(以下省略)」との記載はあるが、話自体の記載はなし。
2 本館調査による追加資料
〇『世界の民話 18 』小沢俊夫/編 ぎょうせい 1979年
p.88-90に「ざくろ」の話あり。
「ある町に、とても信仰の厚い男がいた。妻と一人のむすこがあったが、その息子にこう頼んだ「わしが死んだら、毎朝川に行って、大きなパンを一個ずつ投げてくれないか?それからもう一つ、自分のものではないものは、決して取って食べるでないよ。それは盗みと同じことだから」父が死ぬと、息子は言われたとおり、毎朝川へ行って、パンを一個ずつ投げた。(中略) 突然川が一個のざくろを運んでくるのが見えたので、すくい上げて二つに割り、実を一粒つまみ出した。そのとき、父が言い遺した、おまえのものでないものを食べるな、という言葉を思い出して、(以下省略)」との記載あり。
〇『インドの民話』 M・S・H・ストークス/原著 大日本絵画巧芸美術 1979年
p.121-130に「ザクロの王様」の話あり。
「昔あるところに、アナルバサ王、またはザクロの王様と呼ばれた王様が住んでいた。王様にはグリアナル王妃またはザクロの花と呼ばれた王妃があった。ところが王妃は、4歳か5歳になる幼い女の子と、3歳になる小さな男の子を残して亡くなってしまった。(以下省略)」との記載あり。
〇『世界の神話伝説』 自由国民社 1998年
p.7-8に「豊穣の女神デメテルの怒り」の項あり。
「それからゼウスは、姉妹の豊穣の女神デメテルと関係し、ペルセポネ女神を儲けた。彼は、この娘を兄弟のハデスの妃にしようと計画し、ハデスを唆して彼女を、花摘みをしている最中に捕らえ、冥府へ攫って行かせた。(以下省略)」との記載あり。
△『庭木の民俗誌』 宮沢文四郎/著 銀河書房 1985年
p.202-242「石榴(ざくろ)」の項に、「紅一点」「石榴の女神」「鬼門と石榴」「人肉の味」などざくろに関する記載はあるが、民話などの記載はなし。
2.記載のなかった資料
×『中国の神話・伝説』 伊藤清司/著 東方書店 1996年
×『ロシアの神話』 エリザベス・ワーナー/著 丸善 2004年
×『イギリス伝説紀行』 飯田正美/著 松柏社 2005年
×『ノルウェーの民話』 ペーター・クリステン・アスビョルンセン/著 青土社 1999年
×『モンゴルの民話』 松田忠徳/訳編 恒文社 1994年
- 事前調査事項
- NDC
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- 神話.神話学 (164 9版)
- 伝説.民話[昔話] (388 9版)
- 参考資料
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- 図説世界シンボル事典 ハンス・ビーダーマン/著 八坂書房 2000.11 389.033 4-89694-463-1
- 花の神話と伝説 C.M.スキナー/著 八坂書房 1985.1 164.04
- ギリシア神話 呉茂一/著 新潮社 1994.8 164.31 4-10-307103-6
- ギリシャ神話 新人物往来社/編 新人物往来社 2010.6 164.31 978-4-404-03868-5
- 図説エジプト神話物語 ジョナサン・ディー/著 原書房 2000.3 164.42 4-562-03290-1
- 世界の花と草木の民話 日本民話の会外国民話研究会/編訳 三弥井書店 2006.7 388 4-8382-9070-5
- 天の仏像のすべて 枻出版社 2013.9 718.1 978-4-7779-2965-8
- 鬼子母神のはなし 中村真男/文 風濤社 1988.5 E
- 北野天神縁起を読む 竹居明男/編 吉川弘文館 2008.11 175.962 978-4-642-07154-3
- 世界の民話 18 小沢俊夫/編 ぎょうせい 1979 388.08
- インドの民話 M・S・H・ストークス/原著 大日本絵画巧芸美術 1979.5 388.25
- 世界の神話伝説 自由国民社 1998.4 164 4-426-60710-8
- キーワード
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- 柘榴
- 神話
- 民話
- 伝説
- 果物
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000271684