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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
高崎市立中央図書館 (2310031)管理番号
(Control number)
0131225154
事例作成日
(Creation date)
2020年09月14日登録日時
(Registration date)
2020年09月25日 11時47分更新日時
(Last update)
2020年09月25日 11時49分
質問
(Question)
江戸時代の吉井町に富士塚や富士講があったのか知りたい。
上信越自動車道で高崎市吉井町付近を走行している時に、富士塚橋という橋を見かけた。
回答
(Answer)
「吉井町誌」「群馬県史」を確認しましたが、高崎市吉井町に富士講と富士山信仰の富士塚があったという事実は確認できませんでした。
また、富士塚橋から少し離れた黒熊地区に浅間神社があり、『吉井町誌』によると、富士山信仰に関係の深い“木花咲耶姫”が祭られていることが判明しましたが、富士塚橋や富士講との関係は不明でした。

吉井郷土資料館にご質問の内容を問い合わせたところ、富士塚橋の名称の由来は、橋のある神保地区の小字“富士塚”であるが、小字の由来は不明。地元に残っている言い伝えによると、その小字の周辺に富士塚がいくつか存在していたらしいが、富士山信仰の富士塚ではなく、浅間山信仰のものと考えられる、と回答がありました。
さらに黒熊地区の浅間神社についても伺うと、黒熊地区にも“富士塚”という小字があるが、神保地区と同様に浅間山信仰のものと考えられ、浅間神社の祭神についても、浅間山の神様として“木花咲耶姫”が祭られていてもおかしくはない、とのことでした。

吉井郷土資料館の回答を受けて、浅間山信仰について当館所蔵資料を確認したところ、岡村知彦著「浅間山信仰の歴史」(信濃毎日新聞社 2013年刊)に、中世の浅間山には龍神や蛇神が祭られていたが、江戸時代になるとこれらの龍蛇神に代わって、富士山に祭られていた女神“木花咲耶姫”が祭られるようになった、との内容が記載されていました。
回答プロセス
(Answering process)
次の地域資料にあたるが、質問に該当する内容は見当たらなかった。
吉井町誌 吉井町誌編さん委員会編纂 吉井町誌編さん委員会 1974
 第3部文化篇
  第3節民間信仰と俗信
   天神講やその他の講についての記述はあるが、富士講については見当たらず。
群馬県史 通史編6近世3 群馬県史編さん委員会編集 群馬県 1992
 第4章寺社の信仰と動向 第5節庶民信仰の諸相
  1庶民信仰と講
   県内の富士講についての記述があるが、吉井町については見当たらず。
群馬県史 資料編25民俗1 群馬県史編さん委員会編集 群馬県 1984
 第5編社会生活 第4章講集団
  3富士講
   高崎市東部の萩原町についての記述が少しあるが、吉井町については見当たらず。

また、富士塚橋より東の方向の黒熊地区に浅間神社があり、吉井町誌や角川日本地名大辞典で次の内容を確認した。
・明治42年、43年に近隣の小社を合祀。
・黒熊の浅間神社は、大正14年に字吉田から社殿を新築移転されたもの。
・祭神は富士山信仰と関係の深い“木花咲耶姫”である。
・富士講・富士塚に関連する記述は見当たらず。

吉井郷土資料館に、高崎市吉井町の富士塚・富士講について問い合わせをしたところ以下の回答あり。
・富士塚橋の富士塚という名称は、神保地区の小字の地名からきている。
・小字の由来は不明である。
・地元の小字に詳しい方に聞いたところ、神保地区の富士塚という小字の周辺に、富士塚がいくつか存在していたという言い伝えが残っているとのこと。
・吉井町は昔から上信国境の浅間山(アサマヤマ)の信仰が深いので、富士山信仰の富士塚ではなく、浅間山信仰のものと考えられる。
・浅間神社がある黒熊地区にも富士塚の小字があるが、富士塚橋のある場所からは離れているので、直接関連はないと考えられる。
・黒熊地区の浅間神社に木花咲耶姫が祭られているが、浅間山の神様として木花咲耶姫が祭られていてもおかしくはない。
・黒熊地区の富士塚も同様に浅間山信仰のものだろう。

吉井郷土資料館の回答を受けて、あらためて浅間山(アサマヤマ)について次の資料を確認する。
浅間山信仰の歴史 岡村知彦著 信濃毎日新聞社 2013
浅間山風土記 萩原進著 国書刊行会 1980
浅間 堤隆著 ほおずき書籍 2012

上記資料のうち、岡村知彦著「浅間山信仰の歴史」(信濃毎日新聞社 2013年刊)の『第4章美しく気丈な女神 1富士の女神がやってきた』(p122~)に、中世の浅間山には龍神や蛇神が祭られていたが、江戸時代になるとこれらの龍蛇神に代わって、富士山に祭られていた女神“木花咲耶姫”が祭られるようになった、との内容が見つかった。

念のため、富士山信仰について次の資料を確認したが、参考になる内容は見当たらなかった。
富士山コスモロジー 藤原成一著 青弓社 2009
富士山と日本人の心性 天野紀代子著 岩田書院 2007
富士山の祭神論 竹谷 負著 岩田書院 2006
山と森のフォークロア 静岡県文化財団著 羽衣出版 1996
大学的富士山ガイド 都留文科大学著 昭和堂 2020
日本人はなぜ富士山を求めるのか 島田裕巳著 徳間書店 2013 
富士山 Hバイロン・エアハート著 慶応義塾大学出版会 2019
富士塚ゆる散歩 有坂蓉子著 講談社2012
富士山文化 竹谷靱負著 祥伝社2013
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
原始宗教.宗教民族学  (163 9版)
参考資料
(Reference materials)
岡村知彦 著 , 岡村, 知彦, 1943-. 浅間山信仰の歴史 : 火の山の鬼と仏と女神たち. 信濃毎日新聞社, 2013. (信毎選書 ; 6)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025095601-00 , ISBN 9784784072316 (当館資料番号 114762198)
キーワード
(Keywords)
高崎市-歴史
浅間山
山岳崇拝
富士講
富士塚
照会先
(Institution or person inquired for advice)
吉井郷土資料館
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000287462解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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