レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年05月24日
- 登録日時
- 2022/08/30 14:23
- 更新日時
- 2022/08/31 14:32
- 管理番号
- 0000110988
- 質問
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解決
吉田松陰による以下の内容を持つ文献を探している。
「妄りに人の師となってはならない。本当に教えなくてはならないことがあって初めて人の師となりうるのである。また妄りに人の弟子となってはならない。師を求むる前にまず自分の心や目標が定まって、それに答えてくれる師を求めなくてはならない。学問をする上で一番大切な事は、思うことがありながらその思い達せず、なすべき事がありながらその方法が明らかでないためにとまどっている状態にあることである。この時こそ学を求め師を求めるときである。」
- 回答
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当該内容は、「講孟余話」(こうもうよわ、「講孟剳記(こうもうさっき)」とも)に収められたものと思われる。それぞれ該当する部分が2か所ある。
1.「妄りに人の師となってはならない。本当に教えなくてはならないことがあって初めて人の師となりうるのである。また妄りに人の弟子となってはならない。」
巻の二 滕文公 上 第四章に該当する文言がある。資料1p213から原文を引用する。( )は資料1に付されている振り仮名。
「大抵(たいてい)師を取ること易(やす)く、師を択(えら)ぶこと審(つまびらか)ならず。故に師道軽し。故に師道を興(おこ)さんとならば、妄(みだり)に人の師となるべからず。又妄に人を師とすべからず。必ず真に教ふべきことありて師となり、真に学ぶべきことありて師とすべし。」
2.「師を求むる前にまず自分の心や目標が定まって、それに答えてくれる師を求めなくてはならない。学問をする上で一番大切な事は、思うことがありながらその思い達せず、なすべき事がありながらその方法が明らかでないためにとまどっている状態にあることである。この時こそ学を求め師を求めるときである。」
巻の四中 尽心上篇第三十七章に該当する文言がある。資料2p402-403から原文を引用する。( )は資料2に付されている振り仮名。
「学者師を求むるを以て云はんに、師を求めざるの前に、先(ま)ず実心定(さだま)り実事立ちて、然(しか)る後往(ゆ)きて師を求むべし。凡(およ)そ学を為(な)すの要(よう)、皆爰(ここ)にあり。思ふことありて未(いま)だ達せず、為すことありて未だ成(な)らず。是(ここ)に於(おい)て憤悱(ふんび)して学に志し、而(しこう)して師を求む。是(これ)、実事ありと云ふべし。」
- 回答プロセス
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提示された文言は訳文と思われたため、原文に近いと思われる単語(「妄り」「人の師」「学問」「達せず」など)と、「吉田松陰」の語を組み合わせ、Googleにて完全一致検索を行うことで特定した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本思想 (121 9版)
- 参考資料
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1.吉田松陰/著 , 近藤啓吾/全訳注 , 吉田松陰 , 近藤啓吾. 講孟箚記 上. 講談社, 1983-00. (講談社学術文庫 : 442)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I109159498-00 , ISBN 4061584421 (p213) -
2.吉田松陰 [著] , 近藤啓吾 全訳注 , 吉田, 松陰, 1830-1859 , 近藤, 啓吾, 1921-2017. 講孟箚記 下. 講談社, 1980. (講談社学術文庫)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001476090-00 (p402-403)
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1.吉田松陰/著 , 近藤啓吾/全訳注 , 吉田松陰 , 近藤啓吾. 講孟箚記 上. 講談社, 1983-00. (講談社学術文庫 : 442)
- キーワード
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- 吉田, 松陰, 1830-1859
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000320417