レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年8月22日
- 登録日時
- 2014/08/23 13:05
- 更新日時
- 2022/08/28 12:26
- 管理番号
- PML20140823-01
- 質問
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解決
本のカバー(ジャケット)について
絵本にカバーはなんでついているの?
- 回答
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○カバーは何でついているのか?
・藤本朝巳『絵本のしくみを考える』(日本エディタースクール出版部 2007年)
p.176「ジャケットと折り返し」
「人間の身体であれば、身に付けている衣類や帽子や靴下、また装飾品のようなものです。あるいは、顔の表面を飾る化粧のようなものです。
これらは身体そのものではありませんが、身体を守り、飾り、人を引き立て、他人にアピールしているものです。
絵本の場合も絵本の外部が本体そのものの存在を引き立て、読者にアピールしているのです」
→これらの記述から、当館のカバー付き図録を使って説明
・『書店員・図書館司書・翻訳家・装丁家(職場体験完全ガイド37:本にかかわる仕事)』(ポプラ社 2014年)
p.38 「装丁家は、本のどこをデザインするの?」
カバー :表紙にかぶせる紙で、「本の顔」ともいえる部分です。めだつデザインを考えます。
○色の退色について
参考までに、当館所蔵の、同一本で違う環境に置いた場合の退色比較参考事例を提供
http://www.printing-museum.org/blog/?p=7895(2022年8月現在リンク切れ 当館ブログの記事)
[2022年追記]
当館図録において、退色の実例を関連ファイルにアップロードを実施。下記を参照。
また、小学校低学年には難しいと考えて、直接提供はしなかったが、
紀田順一郎監修『新版 本の情報事典』(出版ニュース社 1991年)
p.320 「酸性紙問題」に、「紙の劣化は、保存環境、即ち、場所、温度、湿度、光、大気汚染などにも影響されるが(中略)」の記述あり、
本人が予想した退色以外にも本を傷める原因はいくつかあり、カバーによって保護できることを伝える。
実際の説明としては、本を人間の体に、カバーを洋服に例えて説明をした。
・長いズボンを穿いてると、転んで膝を打った時も、ズボンがあるから擦り傷にならない。傷になるのを防いでくれる
→本におけるカバーも同じで、本に少々水がかかったりしても、本体が傷まないようにカバーが守ってくれる、等
[2022年追記]色の退色について
退色の実例として、当館の図録での例をあげる。
いずれも同じ図録を並べたが、
・左側:紫外線カットの処置を施している書庫で保管していたもの
・右側:蛍光灯下の事務室で保管していたもの
いずれも刊行から10年経過したものであるが、色々と違いがみられることが分かる。
- 回答プロセス
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自由研究のテーマとしてのレファレンス。
質問者は「色の退色を防止するためではないか」、と考え、事前に学芸員に質問。
学芸員からは、ポスター用など、退色しにくいインキもあると思う、との説明もしたとのこと。
退色以外の劣化原因も含めたカバーの理由と併せて、色の退色の原因などの簡単な説明もした。
- 事前調査事項
- NDC
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- 写本.刊本.造本 (022 9版)
- 参考資料
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藤本朝巳 著 , 藤本, 朝巳, 1953-. 絵本のしくみを考える. 日本エディタースクール出版部, 2007.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009153671-00 , ISBN 9784888883771 (S867.51-F62) -
職場体験完全ガイド 37. ポプラ社, 2014.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025174471-00 , ISBN 9784591137857 (S003.3-Sh96)
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藤本朝巳 著 , 藤本, 朝巳, 1953-. 絵本のしくみを考える. 日本エディタースクール出版部, 2007.
- キーワード
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- ブックカバー
- ブックジャケット
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 質問者は小学校2年生であったので、文献を紹介しつつ、実例を見せて説明をした。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 小中学生
- 登録番号
- 1000158781