レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20131208
- 登録日時
- 2014/04/01 00:30
- 更新日時
- 2020/04/17 16:58
- 管理番号
- 中央-2013-16
- 質問
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解決
単行本にはあまり見かけないようだが、文庫本には「解説」がついている。この「解説」はいつごろからついているのか。
- 回答
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文庫本をテーマに書かれている資料を調査した。資料1のp.112に「そもそも文庫本に解説が付けられるようになったのは、昭和二二(一九四七)年に新しい装いで出発した新潮文庫が、その第一冊目に刊行した川端康成『雪国』に、伊藤整の解説を付けたのが始まりとされている。」とある。
資料2(都立多摩図書館所蔵)のp.55-58「ふくらむ「解説」」の中に、文庫本の「解説」について言及があるが、いつからと明確に書かれてはいない。
資料3のp.14-16「解説の歴史は作者と解説者の相克の歴史といえる」(風間十郎著)に、「解説は文庫本の中に完全に定着してしまっている。こうした解説つき文庫本の慣習化のそもそもは、昭和22年、新潮社が新しいかたちの新潮文庫を復刊させ、その第1冊めの川端康成『雪国』の巻末に伊藤整の解説をつけたのが最初である。」とあり、その後刊行された角川文庫、河出文庫もこれにならったことが書かれている。
資料4~8と、資料9の「特集 文庫本なんでも事典 文庫本ファンよ!!」(p.14-45)「文庫 その解説の魅力」川本三郎著(p.19)、資料10のp.21-23「文庫の解説」川本三郎著には、文庫本の「解説」がいつからついたかわかる記述はみつからなかった。
また、以下の雑誌にも記述はみつからなかった。
『日本古書通信』 52巻7号通巻696号(1987年7月)日本古書通信社
p.4-7「日本における文庫本の歴史(1)」鈴木徳三著
『日本古書通信』 52巻7号通巻697号(1987年8月)日本古書通信社
p.2-7「日本における文庫本の歴史(2)」鈴木徳三著
『日本古書通信』 52巻7号通巻698号(1987年9月)日本古書通信社
p.10-13「日本における文庫本の歴史(3)」鈴木徳三著
『日本古書通信』 52巻7号通巻699号(1987年10月)日本古書通信社
p.3-7「日本における文庫本の歴史(4)」鈴木徳三著
『日本歴史』 226号(1967年3月)日本古書通信社
p.64-71「文庫本刊行史序説」服部清道著
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 図書.書誌学 (020 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】文庫本雑学ノート 文庫がボクをつかんで放さない / 岡崎 武志/著 / ダイヤモンド社 , 1998.9 <0204/3052/98>
- 【資料2】文庫そのすべて / 矢口進也/著 / 図書新聞 , 1979<0231/ ヤクチ/ >
- 【資料3】ダカーポ 7巻14号通巻137号 (1987年7月15日) / マガジンハウス
- 【資料4】文庫はなぜ読まれるのか 文庫の歴史と現在そして近未来 / 岩野 裕一/著 / 出版メディアパル , 2012.10<023.1/5125/2012>
- 【資料5】最新図書館用語大辞典 / 図書館用語辞典編集委員会/編 / 柏書房 , 2004.4<R/010.3/5013/2004>
- 【資料6】文庫本雑学ノート 2冊目 文庫王のごひいき文庫ものがたり / 岡崎 武志/著 / ダイヤモンド社 , 2000.5<0204/3052/2>
- 【資料7】文庫パノラマ館 / 奥村 敏明/著 / 青弓社 , 2000.10<027.4/5005/2000>
- 【資料8】文庫博覧会 / 奥村 敏明/著 / 青弓社 , 1999.10<027.4/5002/1999>
- 【資料9】ダカーポ 7巻6号通巻129号 (1987.3.18) / マガジンハウス
- 【資料10】 図書 608号 (1999.12) / 岩波書店
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000151700