レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2001年3月28日
- 登録日時
- 2013/06/08 15:47
- 更新日時
- 2021/01/10 00:30
- 管理番号
- PML20010328-01
- 質問
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解決
丸五瓜唐花(?)の家紋について、由来や意味など、なんでもよいので知りたい。
- 回答
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丸五瓜唐花の家紋そのものの由来や意味などは判明せず。
*2014年再調査*
当館の所蔵資料では丸五瓜唐花の紋そのものに関する記述を見つけることは出来ず。
ただ、「五瓜」と「丸」についての記述は、以下のものが確認出来た。
・木瓜の紋
泡坂妻夫『家紋の話-上絵師が語る紋章の美-』に、木瓜の元は、中国から渡ってきた紋様で、という鳥の巣のことであり、三日月形を円形に配した中に鳥や卵が入っていたりする図で、唐代では官服の模様にされていたらしいこと、日本ではこの図形を織物にして、御簾の上部を飾る帽額に使っていたこと、やがて原形がいろいろと変化していった、と書かれている。また瓜を五つにした紋は「五瓜に唐花」と呼び、その一つに織田信長が使った織田瓜がある、と書かれている。
大枝史郎『図像化された日本文化の粋 家紋の文化史』には、木瓜は木瓜の花、あるいは胡瓜(木瓜)に切り口の図案化といわれているが、御簾の上部の帽額につけられた紋から発展したもの、と言われている、との記述と、は中国では木の上につくる鳥の巣を指すことばといわれ、卵を産み落とした巣を真上からみた図が原形とされていること、現代に伝わる木瓜紋は、唐花を美しい曲線で囲み、完成された家紋の一つである、といったことが記されている。
・丸
丸がいつ起こったのかは判らないこと、紋の注文を受けるとき、客が木瓜、鷹の羽場合、必ず丸のあるなしを訊くと、七、八割方が丸がついている、といいう答えが返ってくる、との記述がある。
- 回答プロセス
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・インターネットで検索
家紋ワールド→http://www.harimaya.com/kamon/
木瓜紋の由来は発見→http://www.harimaya.com/kamon/column/mokkou.html
・また、当館所蔵の泡坂妻夫『家紋の話:上絵師が語る紋章の美』(新潮社 1997年)で調べるも、
唐花紋までしか出ず。
これ以外に当館に該当する資料が見付からず、近隣図書館を紹介。
*2014年再調査*
・WEB家紋帳の瓜(木瓜)の項目に「丸に五瓜に唐花」の紋の図と、瓜(木瓜)についての解説がある
→http://kamondb.com/plant/uri.html
・国史大辞典の紋章の項の参考文献に、
沼田頼輔『日本紋章学』
沼田頼輔『綱要日本紋章学』
沼田頼輔『紋章叢話』
桔梗文之丞「日本紋章入門」(『日本紋章大図鑑』所収)
これらが載っているがいずれも当館未所像のため、調査出来ず。
- 事前調査事項
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五瓜唐花の読みは「ごかからはな」
また、五瓜は「もっか」「もっこう」とも読むとの情報を得る。
- NDC
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- 系譜.家史.皇室 (288 9版)
- 参考資料
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泡坂妻夫 著. 家紋の話 : 上絵師が語る紋章の美. 新潮社, 1997. (新潮選書)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002650019-00 , ISBN 410600528X (S111.31-A97) -
大枝史郎 著. 家紋の文化史 : 図像化された日本文化の粋. 講談社, 1999.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002764196-00 , ISBN 4062094606 (S111.31-O18)
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泡坂妻夫 著. 家紋の話 : 上絵師が語る紋章の美. 新潮社, 1997. (新潮選書)
- キーワード
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- 家紋
- 紋章
- 瓜
- 五瓜
- 唐花
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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近畿大学中央図書館の方に下記の資料と掲載個所をご教示いただき、現物を確認いたしました。
日本家紋総鑑 千鹿野茂著 角川書店, 1993 ISBN:4040315006
p.1102-1103
314-459
丸に五瓜に唐花
使用姓氏と採集地が載っており、11氏が挙げられていました。
ありがとうございました。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 当館スタッフ
- 登録番号
- 1000132265