レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2005年7月27日
- 登録日時
- 2005/07/26 17:01
- 更新日時
- 2011/02/10 15:15
- 管理番号
- 2005-001
- 質問
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解決
乃木希典の家紋を知りたい。
- 回答
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千鹿野茂著『探訪江戸明治名士の墓』(新人物往来社、1993)に乃木希典の墓(都立青山霊園)の調査があり、「家紋、持ち合い四つ井筒」とあり。家紋名が確定できたので、同著『日本家紋総鑑』(角川書店、1993)にて、家紋の意匠を確認した。
- 回答プロセス
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家紋が知りたい理由は、質問者が米国の大学教員であり、「日本人の殉死思想と死生観」というテーマの博士論文を大学出版局から刊行するにあたり、本文頁に転載したいというものであった。目的は、学術書への家紋転載であるため、ヴァリアントの多い家紋のなかでも極力正確を期す方針をとった。
1.乃木神社のホームページを検索すると関連画像①の家紋を確認(http://www.nogijinja.or.jp/ 最終確認 2005/07/27)。
しかし、デフォルメされている疑いあり。
2.『日本の参考図書』第4版(日本図書館協会、2002)を参照し、家紋関連の参考図書として、千鹿野茂著『日本家紋総鑑』(角川書店、
1993)が存在することを確認する。
3.千鹿野茂著『日本家紋総鑑』にて、乃木神社ホームページの家紋を探すも合致する家紋がみあたらない。基本的に検索は「家紋名」
からになっており、家紋意匠の「形」から検索するのはかなり難しい。
4.乃木の家紋名を調査するには伝記的記述を参照しておく必要があるため、データベース「人物レファレンス事典」(日外アソシエーツ)
を検索して、各種人物情報事典を点検するが見当たらない。また自館OPACで所蔵する乃木の伝記を参照するもやはり言及がない。
5.視点を変え、どのような「家紋の探し方」があるか知るため、同著者執筆の他の資料をインターネット上でNACSIS Webcat及び雑
誌記事索引を検索し、いくつかヒットする資料を参照する。
6.その結果、同著『探訪江戸明治名士の墓』(新人物往来者、1993)があることがわかり、墓から家紋にアプローチすることにする。同
書内に、乃木希典の墓(都立青山霊園)の項目があり、「家紋、持ち合い四つ井筒」と報告あり。
7.3の『日本家紋総鑑』に戻り、「井筒」の項を参照すると家紋群のなかに「四つ持ち合い井筒」の意匠(関連画像②)があり、この紋の意
匠が乃木の墓(都立青山霊園)から取ったものであるとの記述がある。
8.念のため、乃木神社にホームページの家紋の由来を問い合わせる。同神社・権禰宜の文書での回答をみると、乃木の甥にあたる方
が調べた「祖先」の乃木玉木家の定紋(関連画像③)に、丸枠を神社側で付加した意匠であることが判明した。
- 事前調査事項
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質問者が日本語による乃木希典の伝記類を事前に調査
- NDC
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- 伝記 (28 9版)
- 参考資料
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千鹿野茂著『日本家紋総鑑』 角川書店, 1993
千鹿野茂著『探訪江戸明治名士の墓』 新人物往来社,1993
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千鹿野茂著『都道府県別姓氏家紋』 柏書房, 2004
沼田頼輔著『綱要日本紋章學』 明治書院, 1928
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千鹿野茂著『日本家紋総鑑』 角川書店, 1993
- キーワード
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- 家紋
- 乃木希典
- 照会先
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- 東京・乃木神社 〒107-0052 東京都港区赤坂8-11-27 電話:03-3478-3001 FAX:03-3478-3005 URL:http://www.nogijinja.or.jp/
- 寄与者
- 備考
- この質問の受付回答の経緯は、京都新聞「なるほど図書館活用講座」(2005/8/3朝刊)に掲載
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 米国大学教授
- 登録番号
- 1000023311
- 関連ファイル