レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/06/25
- 登録日時
- 2010/06/30 14:52
- 更新日時
- 2015/11/25 14:48
- 管理番号
- 日進10S-4
- 質問
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解決
「書物奉行」の中で“サツマイモ”と関係があったのは誰か。
- 回答
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青木昆陽・・・江戸時代中期の儒者、蘭学者。甘藷先生と呼ばれた。
享保20年(1735)に「蕃薯考(ばんしょこう)」を著して幕府に上書し、救荒作物としてサツマイモの普及に尽力した。また、深見有隣が享保17年(1732)に徳川吉宗へサツマイモについての報告をしている。
- 回答プロセス
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『広辞苑 第6版』(813.1/0137/[1])で“書物奉行”をひくと、江戸幕府の職名で江戸城内紅葉山文庫の図書を管理する役職だとわかる。
青木昆陽、近藤重蔵、高橋景保の名前あり。
“さつまいも”と引くと漢名で甘藷とある。
『日本史総合辞典』(210/0213)にも、“書物奉行”をひくと、同様の記述あり。
『講談社日本人名大辞典』(281/0177)で、各人を引くと、青木昆陽がサツマイモ先生と呼ばれていたことが分かる。
『コンサイス日本人名事典 第5版』(281/0231)でも確認できる。
『世界大百科事典』(031/043/11)で“サツマイモ”とひくと「1735年(享保20年)に青木昆陽が普及させた」との記述あり。
同事典で“青木昆陽”とひくと「1735年に蕃薯考を著して幕府に上書し普及に貢献。1767年に書物奉行に昇進した」とある。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 7版)
- 食用作物 (616 7版)
- 参考資料
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- 『広辞苑』新村出編/岩波書店/2008/(813.1/0137/[1])p.1134、1418
- 『国史大辞典 第3巻』国史大辞典編集委員会編/吉川弘文館/1997/(210/0298/3)p.829
- 『世界大百科事典』平凡社/2007/(031/043/11)p.295
- 『国史大系 第46』黒板勝美,国史大系編修会編/吉川弘文館/1966/(210/431/46)p.316
- 『講談社日本人名大辞典』上田正昭[ほか]監修/講談社/2001/(281/0177)p.7
- キーワード
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- 書物奉行
- サツマイモ
- 甘藷
- 江戸時代
- 青木昆陽
- 深見有隣
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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他に『国史大辞典 6』(210/0298/6)で同様に調べる。
“甘藷”(サツマイモ)の項に青木昆陽についてとともに、深見有隣という人物が徳川吉宗にサツマイモについての報告をしたとの記述がある。
『国史大辞典 7』(210/0298/7)の“書物奉行”の項をみると青木昆陽とともに深見有隣の名前もあり、書物奉行であったことが確認できた。
また、『国史大辞典』の“甘藷”の項に『徳川実紀9』(有徳院殿御実紀付録17)にサツマイモが救荒作物として大きな成果をあげた事が述べられているとあるので、『徳川実紀索引 人名篇』(210.5/0153)で調べて『国史大系 46巻』(210/431/46)をみると、書物奉行の深見有隣が甘藷栽培についてまとめた事、長崎の飢饉についての報告でサツマイモについて述べた事の記述がある。青木昆陽についての記述もあり。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 司書講習生
- 登録番号
- 1000068632