レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年06月13日
- 登録日時
- 2014/07/13 16:56
- 更新日時
- 2023/05/04 09:29
- 管理番号
- 鎌中ー2014037
- 質問
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解決
鎌倉時代に、位の高い女性(京から嫁いだ御台所など)は、赤色の袴を着用していたというのは本当か。
- 回答
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赤色(緋袴)が当時の女性の服飾として一般的でしたが、赤でなければならないというわけではなかったようです。
◆『有職故実図典』
「色目は紅を本義として、紅袴とも称されているが、若年は濃色(こきいろ)とし、時によっては白を用い、凶事なら萱草色を用いたこともあった」
(「うちばかま」の項)
◆『有職故実日本の古典』
「男女ともに着用するが…(中略)…小女は濃色、成人以後は赤色を用いる」
(「はかま」の項)
◆『有職故実大辞典』
「普通には着裳以後の婦人用として」
(「くれないのはかま」の項)
「女房の袴は、宮殿内の所用として、赤の下袴を拡大延長して緋袴と通称し、」
(「はかま」の項)
「平安時代以来の成人後の宮廷婦人のはく生袴(きのはかま)・打袴(うちばかま)・張袴(はりばかま)・近世の大腰(おおごし)の袴のたぐいを言う」
(「ひのはかま」の項)
◆『日本衣服史』
「吾妻鏡」に記されている6代将軍宗尊親王の御息所の衣服の一覧に「紅袴」「白袴」
- 回答プロセス
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①位によって着ることのできる色は決まっていたはずなので、有職故実を確認する。
②日本の服飾史の本で確認する。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 8版)
- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380 8版)
- 風俗史.民俗誌.民族誌 (382 8版)
- 参考資料
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『有職故実図典』 鈴木敬三 吉川弘文館 平成7 【R 210.09】
P131~132 打ち袴 -
『有職故実 日本の古典(角川小辞典17)』 室伏信助ほか編 角川書店 昭和53 【R 210.0】
p76~ 袴 -
『有職故実大辞典』 鈴木敬三 吉川弘文館 平成8 【R 210.09】
P244 紅袴(くれないのはかま),P560 袴,P598 緋袴(ひのはかま) - 『日本衣服史』 増田美子 吉川弘文館 2010 【R 383.1】
- 『吾妻鏡』文應元年三月二十八日条 御息所御服月充注文
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『有職故実図典』 鈴木敬三 吉川弘文館 平成7 【R 210.09】
- キーワード
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- 袴
- 緋袴 ひのはかま
- 紅袴 くれないのはかま
- 有職故実
- 服飾史
- 鎌倉時代
- 女性の服飾
- 衣服史
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000156082