レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年1月20日
- 登録日時
- 2019/01/20 16:39
- 更新日時
- 2019/12/24 14:44
- 管理番号
- 2079
- 質問
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解決
高野山の両界曼荼羅図(血曼荼羅図)を見たい
- 回答
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●『空海と高野山』
(京都国立博物館ほか/編集 NHK大阪放送局 2003年)L/702.1
図版37(全体図、部分図 ともにカラー)
●『秘宝』第7巻「高野山」
(講談社 1968年)L/708
図版18・19(部分図 カラー)
図版56・57(全体図 モノクロ)
- 回答プロセス
-
1.曼荼羅に関する本を調査。
2.高野山、密教に関する本を調査。
3.美術書(仏教美術)に関するものを調査。
4.重要文化財であることがわかったため関連の美術書もあたる。
全体図2幅と金剛界図の部分図のうちカラーで大きな図版が見たいと言われたため、
上記2冊を紹介しました。
そのほか、以下の資料にも図が掲載されています。
●『仏教美術入門』第4巻
(濱田 隆・西川 杏太郎/監修 平凡社 1991年) 書庫 702.0
P.82 解説頁挿図(部分図 モノクロ)
●『日本古寺美術全集』第13巻
(集英社 1983年)L/702.1
P.102 解説頁挿図27(全体図 モノクロ)
●『重要文化財』第7巻
(文部省文化庁/監修 毎日新聞社 1973年) 書庫 709.2
P.39 挿図8(全体図、部分図 モノクロ)
- 事前調査事項
- NDC
-
- 芸術史.美術史 (702 10版)
- 叢書.全集.選集 (708 10版)
- 仏会 (186 10版)
- 参考資料
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-
『空海と高野山』L/702.1
(京都国立博物館ほか/編集 NHK大阪放送局 2003年) (展覧会図録) -
『秘宝』第7巻「高野山」L/708
(講談社 1968年) -
『日本古寺美術全集』第13巻「金剛峯寺と吉野・熊野の古寺」L/702.1/N
(集英社 1983年) -
『仏教美術入門』第4巻「密教の美術」書庫 702.0
(濱田 隆・西川 杏太郎/監修 平凡社 1991年)
-
『空海と高野山』L/702.1
- キーワード
-
- 両界曼荼羅
- 血曼荼羅
- 金剛界曼荼羅
- 胎蔵界曼荼羅
- 高野山
- 金剛峯寺
- 密教
- 仏教美術
- 照会先
- 寄与者
- 備考
-
「図を見たい」という要望だったため、来歴等についての情報提供はおこなっていません。
図をさがすにあたり以下のことがわかりました。
1.「曼荼羅」
仏教の宇宙観をあらわすもの。
密教においては大日如来を中心とする「胎蔵界曼荼羅」と「金剛界曼荼羅」がこれにあたる。
この二つは表裏一体のものと考えられており、対で「両界曼荼羅」とよばれ、
密教の理想世界をあらわすものとされる。
『仏教美術入門』第4巻(上掲)
P.14-,P.84-
『秘宝』第7巻(上掲)
P.337
2.「血曼荼羅」
平清盛が絵仏師常明に描かせた両界曼荼羅図。金剛峯寺所蔵、重要文化財。
久安5(1149)年、落雷による火災のため高野山の大塔・金堂など伽藍の大半が焼失し、
平清盛により再建された。その際奉納されたもの。
清盛が自身の頭部の血を絵の具に混ぜて使用させた、という話や、
清盛が「胎蔵界曼荼羅図」は自分で筆を執り、その際自身の頭部の血を使って描いた、
という話が伝わっており、そこから「血曼荼羅」とよばれているという。
『日本古寺美術全集』第13巻(上掲)
P.102-
『秘宝』第7巻(上掲)
P.337
『空海と高野山』(上掲)
P.274
『マンダラ事典』(森 雅秀/著 春秋社 2008年)参考 186.8
3.上記「血曼荼羅」については、『平家物語』に言及している解説があったため、確認。
『平家物語』巻第三「大塔建立」の段に下のような一文がある。
「東曼荼羅をば、清盛書かんとて、自筆に書かれけるが、何とか思はれけん、八葉の中尊の宝冠をば、
わが首の血をいだいて書かれけるとぞ聞えし」
現代語訳:「東曼荼羅(=胎蔵界曼荼羅)を自分が描こうといって、自筆でお描きになったが、
なんと思われたのであろうか、八葉の中尊(大日如来)の宝冠を、ご自分の頭の
血を出して、それでお描きになったということだ」
『完訳日本の古典』第42巻「平家物語 一」(市古 貞次/校注・訳 小学館 1986年)より
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000250436