レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/11/01
- 登録日時
- 2021/10/01 00:30
- 更新日時
- 2021/10/01 10:51
- 管理番号
- 所沢本-2021-21
- 質問
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解決
昔の人名「ざえもん」は誰も(庶民)が自由に付けても良い名前なのか、官位だったのか知りたい。
- 回答
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以下の資料に記載がありました。
〇『ビジュアル・ワイド江戸時代館』 小学館 2013年
〇『苗字と名前を知る事典』 奥富敬之/著 東京堂出版 2007年
〇『苗字と名前の歴史』 坂田聡/著 吉川弘文館 2006年
〇『日本人の名前の歴史』 奥富敬之/著 吉川弘文館 2018年
〇『日本人なら知っておきたい名前の由来、名付けのいわれ』 大野敏明/著 実業之日本社 2013年
〇『国史大辞典 4』 国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1984年
〇『日本人の姓・苗字・名前』 大藤修/著 吉川弘文館 2012年
- 回答プロセス
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1.所蔵資料の内容確認
〇『ビジュアル・ワイド江戸時代館』 小学館 2013年
p342 「男子の名前」の項目あり。
「「〇右衛門」「〇左衛門」「〇兵衛」といった名前が多い。朝廷の官位(官職と位階)名に由来しているが、官位を授かっていたわけではなく官位に準ずる名前で箔をつける意味があった。地位によって名前は変わったし、また、使用人なら使用人らしい名前のつけ方などがあり、自分勝手な命名は許されていなかった。」との記載あり。
〇『苗字と名前を知る事典』 奥富敬之/著 東京堂出版 2007年
p216~221 「一般庶民の実名」の項目あり。
p219 「そして江戸時代に入ると律令制官職由来の名前が圧倒的に多くなるが、なかでも「~左衛門」型・「~右衛門」型・「~兵衛」型の三種が、群を抜いて多くなる。(後略)」との記載あり。
〇『苗字と名前の歴史』 坂田聡/著 吉川弘文館 2006年
p67~72 「字の種類」の項目あり。
p70 「②の官途名型字は、朝廷の官職名を取り入れた字である。(中略)左衛門・右兵衛・左近・勘右衛門・兵衛太郎など中央官庁の役職名を用いているもの、の二つに分けられる。」との記載あり。
p112 「紀伊国粉河荘東村住民の人名」の章に「「名つけ帳」に見える成人男性名」の項目あり。
「(前略)第三に、官途名型字は衛門型と兵衛型ですべてである。衛門・左衛門・右衛門といった衛門型の官途名は、そのうちの四分の三を占めるが、実際には大半が左衛門系(左衛門・小左衛門・左衛門二郎など)で、なぜか右衛門系はほんのわずかしかいない。(後略)」との記載あり。
〇『日本人の名前の歴史』 奥富敬之/著 吉川弘文館 2018年
p228~236に「一般庶民の名前」の項目あり。
p234 「やがて江戸時代に入ると、律令制官職名由来の名前が圧倒的に多くなるが、なかでも「―左衛門」型、「―右衛門」型、「―兵衛」型の三種が、群を抜いて多くなる。」との記載あり。
〇『日本人なら知っておきたい名前の由来、名付けのいわれ』 大野敏明/著 実業之日本社 2013年
p78~82 「通名、ふだんの呼び名は役職の誉れを込めて」の項目あり。
「京の御所を警備する役職からついた通名です。御所を守る部署は大きく3つに分けられていました。(略)最後は衛門府です。文字通り、御所の門の警備を担当しました。門を警衛するのが仕事です。この三府は左右に分かれていて、御所の東側が左、西側が右です。(略)これら六衛府に勤務することは、平安時代の武士にとっては大変に名誉なことでした。天皇を直接守る近衛兵であり、エリート集団だったからです。(略)そしてこれらのエリート武士団であることを強調する名前が付けられていくようになるのです。このうち、近衛府は帝に近すぎるため、名前に付けることを遠慮しました。そして兵衛府と右衛門府、左衛門府が名前として付けられるようになったのです。」との記載あり。
△『広辞苑 第7版』 新村出/編 岩波書店 2018年
p1150 「左衛門」項目あり。①左衛門督の略②左衛門府の略③土左衛門の略。溺死者の俗称。名づけに関する記載なし。
p2490 「百官」の項目(もろもろの役人。内外の諸官)に「百官名」の項目あり。家・親・本人などの官職名をその人の通称とする命名法。式部・内記・主水など。名づけに関する記述はなし。
p929 「仮名」項目あり。①実名のほかに仮につけた名。通称。呼び名。②実体のないものに仮につけた名称。名づけに関する記載なし。
△『日本国語大辞典 第4巻』 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001年
p1424 「仮名」項目あり。①武士や僧侶が実名のほかにつけた呼び名。通称。俗名。俗称。家名(けみょう)②古代・中世、貴族・官人・武士などが、土地の開発、所領の支配・登録などにさいし、本名を隠してつかった名前。③名前のわからない人に付けた仮の名。④本名を隠して、仮に付けた名。かめい。⑤実体のないものに仮に名付けること。また、仮に名付けられたもの。名づけに関する記載なし。
△『国史大辞典 2』 国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1980年
p374 「衛門府」項目。略、靫負部は早く実態を失い、名のみが衛門府に受けつがれたという説と、名のみでなく、実態においても直結しているとする説がある。名づけに関する記載なし。
p374-375 「衛門府領」項目に、左衛門府と右衛門府についての記載あり。
×『日本国語大辞典 第5巻』 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001年
p1357-1358 「左衛門」の項目あり。名づけに関する記載なし。
×『日本国語大辞典 第11巻』 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001年
p503 「百官名」項目あり。官名をもってつけたその人の通称。名づけに関する記載なし。
×『国史大辞典 5』 国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1985年
p122 「仮名」の項目があるが、名づけに関する記載なし。
2.後日調査の追加事項
〇『国史大辞典 4』 国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1984年
p550-608 「きんせい」の項目あり。
p586 「下百姓には家屋に庇・濡縁・破風板・釣天井を作ることや、座敷口を三寸以上にすることを禁じ、名前に衛門・兵衛・太郎・太夫などとつけることを許さなかった。」との記載あり。
〇『日本人の姓・苗字・名前』 大藤修/著 吉川弘文館 2012年
p88 「字と通称」の項目あり。「中世後期には村落にも官職名が普及した。」との記載あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 系譜.家史.皇室 (288 9版)
- 参考資料
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- ビジュアル・ワイド江戸時代館 小学館 2013.7 210.5 978-4-09-623022-0
- 苗字と名前を知る事典 奥富敬之/著 東京堂出版 2007.1 288.1 978-4-490-10703-6
- 苗字と名前の歴史 坂田聡/著 吉川弘文館 2006.4 288.1 4-642-05611-4
- 日本人の名前の歴史 奥富敬之/著 吉川弘文館 2018.8 288.1 978-4-642-06765-2
- 日本人なら知っておきたい名前の由来、名付けのいわれ 大野敏明/著 実業之日本社 2013.2 288.12 978-4-408-10976-3
- 国史大辞典 4 国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1984.2 210.033 4-642-00504-8
- 日本人の姓・苗字・名前 大藤修/著 吉川弘文館 2012.10 288.1 978-4-642-05753-0
- キーワード
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- 名前
- 左衛門
- 官位
- 官職名
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000305311