レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/4/5
- 登録日時
- 2017/08/03 00:30
- 更新日時
- 2024/03/29 00:32
- 提供館
- 金沢市図書館 (2310230)
- 管理番号
- 玉川-000490
- 質問
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解決
【石高と俵数の換算について】 1石は何俵に相当するのか。たしか4俵と聞いたことがあるのだが。私の先祖は200石取の武士だったのだが、明治3年の由緒帳には切米80俵余と記されており、計算が合わない。
- 回答
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○全国
『日本国語大辞典 第5巻』(112272768)p.561「こく【石・斛】」によると、石は尺貫法による容積の単位で、1石は約180リットルにあたる。一方、『日本国語大辞典 第11巻』(112306481)p.514「ひょう【俵】」によると、古代には五斗を一俵とする定めであったが、のち、地域により五斗から二斗までの差を生じた。明治以後、四斗に統一されたと記されている。『図解単位の歴史辞典』(111125632)p.228-229「ひょう【俵】」にも「江戸時代末期には地域的に荷姿が規格化されて、三つ俵(三斗三升三合入り)、四斗俵、五斗俵などとなる。このどれをとるのかは藩によって異なり」と記されている。
○加賀
『加賀藩農政史考』(118546645)p.433「加賀藩収納米俵量の事」には「俵量は時々変動ありて、一定せず」、天正15年までは3斗俵(今の4斗5升くらい)、天正16年より5斗俵などと記されている。
『金沢市史 通史編2 近世』(119896540)p.582-583によると、天正11年(1583)当時の1俵の容量は3斗、慶長3年(1598)当時の1俵の容量は5斗と記されている。1俵が5斗の場合、1石は2俵分に相当する。
提示された由緒帳には200石分を「減少」して支給したと書かれていたので、200石分が支給されなかった可能性があることをお伝えした。
<追記>
近世史料館で確認したところ、加賀藩の場合、幕末まで1俵=5斗を採用しているとのこと。また、明治初年の給禄改定の計算方式は『石川県史 第2編』p.1051に紹介されている。これによると、元高200石の場合は改定給禄で100石余しか支給されない計算となる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 歴史 (2 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000219813