レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年10月25日
- 登録日時
- 2021/10/13 15:37
- 更新日時
- 2024/01/15 10:39
- 管理番号
- 横浜市中央2627
- 質問
-
解決
1.横浜と紅茶の関係について歴史的なことを知りたい。
2.現在の横浜市の家庭での紅茶消費量と、消費量が多いまたは少ない場合はその理由を
知りたい。
- 回答
-
〔質問1〕横浜と紅茶の関係について歴史的なことを知りたい。
※URLの記載のあるものは、インターネットでご覧いただけます。
1 年表類
(1) 「都市横浜の記憶」(https://archive.lib.city.yokohama.lg.jp/museweb/)検索
「年表をさがす」でキーワード「紅茶」で検索すると、下記の4件が出てきます。
1874 明治7 各府県で紅茶を試製したが成績は不良だった
1878 明治11 勧農局では、各紅茶伝習所の試製紅茶を三井物産会社に委託してロンド
ンに試売した
1879 明治12 紅茶伝習所試製の紅茶が、大倉組により、ロンドンとオーストラリヤで
試売された
1881 明治14 民営の横浜紅茶商会が高知・福島などの紅茶150,000 余斤をオ
ーストラリヤのメルボルンに送つたが、他国産の紅茶に圧せられ、損失を生じた
(出典:『横浜歴史年表 複刻 上巻・下巻・索引合本』 横浜歴史年表編纂委員会/
編 白話社 1973)
(2) 『横浜近代史総合年表』 松信太助/編 有隣堂 1989.12
索引に「紅茶」の項目があります。
2 歴史について
(1) 『横浜市史 第3巻 上』 横浜市/編集 横浜市 1961.3
明治期に紅茶の直輸出を目的に設立された2社について記述があります。
いずれも、あまり好調ではなく短命に終わったとあります。
p.722、第13図:直輸出会社の設立・解散期間
「横浜紅茶会社」が掲載されています。
p.750~752
「横浜日本紅茶株式会社」について書かれています。
(2) 『日本茶文化大全 All about tea』 ウィリアム・H.ユーカース/
著 知泉書館 2006.3
p.77 メルボルンへの大規模な輸出等を行ったが成功せず、あまり続かなかった「横
浜紅茶商会」について書かれています。
(3)『横浜もののはじめ考』 横浜開港資料館/編 横浜開港資料館 2010.3
p.60~p.61「レストランとカフェ」の項目
紅茶が供されていたこと、紅茶製造を行った製茶売込商村松吉兵衛についての記述が
あります。
(4)『幕末・明治の横浜 西洋文化事始め』 斎藤多喜夫/著 明石書店 2017.3
p.119 村松吉兵衛について書かれています。
(5) 『茶業開化 明治発展史と多田元吉』 川口国昭,多田節子/著 全貌社 1989.8
幕末、神奈川奉行の下番世話役を務めたのち、インドで紅茶製造技術を習得し静岡で
茶の栽培を始めた多田元吉について書かれた本です。
p.195~256「第4章 紅茶ブーム到来と挫折」の中で、元吉が演説した「輸出茶商権回
復論」が引用されており、当時の紅茶貿易の中心は横浜と神戸であったということがわ
かります。
(6) 『横浜の食文化 横浜の文化シリーズ』「横浜の食文化」編集委員会/編 横浜市教
育委員会 1992.3
1865年開業の横浜ベーカリーの喫茶室で紅茶の飲食が可能であったことや、日本最
初の喫茶店が紅茶やコーヒーでもてなしたこと、関東大震災後の元町で定着・繁栄させ
た欧米食文化の一つとして紅茶(ティー)が挙げられています。
〔質問2〕現在の横浜市の家庭での紅茶消費量と、消費量が多いまたは少ない場合はその理由を知りたい。
1 消費量について
(1)『家計調査年報 令和元年-1(家計収支編)』総務省統計局/編集 日本統計協会 2020.8
p.199 二人以上の世帯、一世帯あたりの紅茶茶葉の年間数値で、横浜市は1,286円、385グラム、
支出・購入しています。金額において2位(1位は東京都区部)、数量において1位です。
2 横浜市の家庭での紅茶消費が多い理由について
理由について根拠となる記述のある資料は見つかりませんでした。
以下は調査の過程でわかった事柄をご紹介いたします。
(1) 『横浜ルール YOKOHAMAハイカラライフを楽しむための49のルール』
都会生活研究プロジェクト「横浜チーム」/著 KADOKAWA 2015.3
p.63 「パン&スイーツ王国」の中で、スイーツに相性が良い紅茶への支出額・数量が
多いことに触れています。
(2)『統計から読み解く47都道府県ランキング 消費・子供・スポーツ編』
久保哲朗/ 著 日東書院本社 2020.7
p.180-181 県ごとのランキングですが、神奈川が2位となっています。
紅茶の消費量と鉄道通勤・通学率や通勤時間との正の相関が高く、鉄道が発達した都市部
で多くなる傾向がある、パン、バター、ジャム消費量とも正の相関があり、洋食文化が進
んでいる都市部で多くなっているようだ、と書かれています。
(3) 家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市(※)
ランキング(2020年(令和2年)~2022年(令和4年)平均)
飲料 総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/kakei/5.html
紅茶は金額・数量ともに上位です。
URL最終確認日:2024年1月10日
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 関東地方 (213 8版)
- 農産物製造.加工 (619 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000306035