レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年08月03日
- 登録日時
- 2011/10/27 17:58
- 更新日時
- 2012/01/31 19:48
- 管理番号
- 名古屋市鶴-2011-026
- 質問
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解決
江戸にあった尾張家の戸山御屋敷の屋敷図が見たい。できるだけ大きいものがよい。
- 回答
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当館で閲覧できるものとしては『東京市史稿 遊園篇-2』(東京市役所 1929年)所収の「宝暦頃・戸山御屋敷絵図」が一番大きいようです。戸山御屋敷の施設として造られた小田原宿を模したといわれる「御町屋」については『建築史論叢 稲垣榮三先生還暦記念論集』(中央公論美術出版 1988年)に詳しい図があります。なお、『尾張家への誘い』(新宿歴史博物館 2006年)には「尾張徳川家江戸屋敷~市谷・麹町・戸山~絵図集成」があり、サイズは小さいですが戸山御屋敷に関する33の絵図が掲載されています。
- 回答プロセス
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(1)まずは江戸時代の尾張徳川家に関する解説書・資料集である『尾張の殿様物語』(徳川美術館 2007年)を調べてみると、戸山屋敷の説明と「戸山御庭之図」が載っていました。
(2)次に(1)の資料の参考文献にあげられている2つの資料を確認してみます。
・『大名庭園 江戸のワンダーランド』(徳川美術館 2004年)には「戸山御屋敷絵図」、「戸山御庭ノ図」、「宝暦比戸山御屋敷絵図」がありました。また、屋敷図ではありませんが「殿様が取った御庭」として徳川慶勝の撮影した写真や庭絵図(「戸山荘八景図巻」、「戸山御庭之図」)も掲載されています。
・『尾張家への誘い』(新宿歴史博物館 2006年)には「尾張徳川家江戸屋敷~市谷・麹町・戸山~絵図集成」があり、戸山御屋敷に関する33の絵図(№49~81)の解説と小さいですがカラーの絵図が掲載されています。また、「発掘調査からみた戸山荘」についてもまとめられていますが、その中に後述の東京市史稿の「戸山御屋敷絵図」を一部改変して名称を付した図があり参考になります。
(3)ここまでの調査で戸山御屋敷の細部が確認できるような大きさの地図はありませんでした。そこで、当館で作成している郷土件名索引カードも調べてみると「戸山荘」についての記述が『建築史論叢』(中央公論美術出版 1988年)にあることがわかりました。同書を確認してみると戸山御屋敷についての尾張藩記録、見聞記、絵図類についてまとめられており、絵図としては「宝暦頃・戸山御屋敷絵図」(『東京市史稿 遊園篇-2』)が紹介されていました。また、同書には戸山御屋敷の施設として造られた小田原宿を模したといわれる「御町屋」の詳しい図(「戸山御屋敷御取建以来伝聞之記」(寛延2年)より作成)がありました。
(4)『東京市史稿 遊園篇-2』(東京都 1929年)を確認してみると、折りたたみ式の大きな絵図がありました。また、名古屋市史資料市13-154付図に「戸山屋敷御庭之圖」(前述の絵図集成の№76の系統のもの)と「和田戸山御屋鋪圖」(№75の系統のもの)がありました。
- 事前調査事項
- NDC
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- 造園 (629 9版)
- 参考資料
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- 『尾張の殿様物語 尾張徳川家初代義直襲封四〇〇年記念』 徳川美術館/編集 徳川美術館 2007年 p.150-151
- 『大名庭園 江戸のワンダーランド』 徳川美術館/編集 徳川美術館 2004年 p.20-21,28-29,32-35
- 『尾張家への誘い 新宿歴史博物館平成18年度特別展』 新宿歴史博物館/編集 新宿歴史博物館 2006年 p.56-60,78-105
- 『建築史論叢 稲垣榮三先生還暦記念論集』 中央公論美術出版 1988年 p.257-273
- 『東京市史稿 遊園篇-2』 東京市役所 1929年 p.512
- キーワード
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- 戸山御屋敷
- 戸山荘
- 戸山御庭
- 和田御屋敷
- 尾張藩江戸屋敷(下屋敷)
- 戸山公園
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000093735