レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009/03/01
- 登録日時
- 2009/11/01 02:10
- 更新日時
- 2009/12/25 15:27
- 管理番号
- 10-2D-200910-01
- 質問
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解決
明治初期の警察の階級を知りたい。
- 回答
-
「国史大辞典」の「警察制度」の項を紹介。
明治以降現代までの警察制度を四期に分けて記載している。
あわせて、明治初期の警察の階級について定めた下記法令を紹介。
1.明治5年8月に出された警保寮職制
警保寮(現在の警察庁)の階級を定めるもの。
「警察官の生活 : 明治時代」 (雄山閣出版、1974)
p11に、「明治5年8月28日司法省に警保寮が設けられ(略)、この警保寮職制では頭、権頭・・・(略)、
権少警部、一等巡査、二等巡査、三等巡査の職名を定め・・・」など、以下の21階級を紹介。
1 頭(かみ)
2 権頭(ごんのかみ)
3 助(すけ)
4 権助(ごんのすけ)
5 大属(だいぞく)
6 権大属
7 中属
8 権中属
9 少属
10 権少属
11 大警視
12 権大警視
13 少警視
14 権少警視
15 大警部
16 権大警部
17 少警部
18 権少警部
19 一等巡査
20 二等巡査
21 三等巡査
()内のヨミについては、商用データベース「ジャパンナレッジ」内「日本国語大辞典」で確認。
2.明治7年1月 太政官第6号達により布告された、東京警視庁の職制及び事務章程
東京警視庁(現在の警視庁=東京都警察)の階級を定めるもの。
「庁府県警察沿革史 1 警視庁史稿 上」(原書房、1973)
p7「警視庁職制及事務章程」に東京警視庁の階級あり。
- 回答プロセス
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1.「国史大辞典」を調査
「警察制度」の項に、明治以降現代までの警察制度を四期に分けて紹介。
この項に、明治初期の警察官の職制について定めたものとして「警保寮職制」、「警視庁職制章程」、
「行政警察規則」などが挙げられているが、階級の詳細については記載なし。
2.商用データベース「ジャパンナレッジ」を調査
“警保寮”をキーワードに検索
日本大百科全書(ニッポニカ)の「警察」の項を見る。警察制度の歴史などが載っているが、職制・階級については記載 なし。
この項で紹介されていた参考文献から「警察法:新版」(有斐閣、1983)を見るが、明治期の警察階級については記載 なし。
3.当館所蔵資料を調査
フリーワードで、キーワード “明治×警察” 分類で検索。「警保寮職制」、「警視庁職制章程」、「行政警察規則」などが載っていないか確認。
1) 「警保寮職制」
「警察官の生活 : 明治時代」 (雄山閣出版、1974)p11に、「明治5年8月28日司法省に警保寮が設けられ
(略)、この警保寮職制では頭、権頭(中略)、一等巡査、二等巡査、三等巡査の職名を定め・・・」など、21階級を紹介。
2) 「警視庁職制章程」
「庁府県警察沿革史 1 警視庁史稿 上」(原書房、1973)p7に「警視庁職制及事務章程」収録。
第1章「職制」に階級の紹介あり。
3) 「行政警察規則」
「日本近代思想大系 3 官僚制 警察」(岩波書店、1990) p319に収録。
しかし内容は、警察理念や職務についてで階級については記載なし。
- 事前調査事項
- NDC
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- 行政 (317)
- 参考資料
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「国史大辞典5 け-こほ」 国史大辞典編集委員会/編(吉川弘文館、1985、当館書誌ID:0000166995)
「警察官の生活 : 明治時代」 岡 忠郎/著(雄山閣出版、1974、当館書誌ID:0080220862)
「庁府県警察沿革史 1 警視庁史稿 上」 内務省警保局/編(原書房、1973、当館書誌ID:0080044995)
「日本近代思想大系 3 官僚制 警察」 加藤 周一/[ほか]編集 (岩波書店、1990、当館書誌ID:0000224257)
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「国史大辞典5 け-こほ」 国史大辞典編集委員会/編(吉川弘文館、1985、当館書誌ID:0000166995)
- キーワード
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- 明治時代
- 警察
- 歴史
- 警保寮
- 職制
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000059166