レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年11月6日
- 登録日時
- 2018/12/28 11:23
- 更新日時
- 2019/01/31 12:20
- 管理番号
- 神戸図‐1450
- 質問
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台風で隣の家の屋根がとんできて自動車が損傷した。補償を求めているが対応してくれない。
- 回答
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民法717条「土地の工作物等の占有者及び所有者の責任」に該当する事例と思われる。
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵(かし)があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。(民法717条)
『弁護士のための水害・土砂災害対策QA』日本弁護士連合会編 第一法規 2015 p10~11
「台風で瓦が飛んで隣の建物を損壊したら賠償しなければならないか」の問いに、「建物の設置、保存に瑕疵があれば原則として所有者が過失の有無を問わず、責任負担しなければならない。占有者は、過失がないことを立証できれば責任を負わない」とある。
『事例に学ぶ損害賠償事件入門』損害賠償事件研究会編 民事法研究会 2018 第三章 特殊不法行為 Ⅲ 土地工作物等責任
「通常想定されない被害者・第三者の行動や同様に自然力によって生じた危険性までは要求されない」とある。ただし、瑕疵の有無が判断される。瑕疵とは、通常有すべき安全性を欠くことである。
これらの記述から、隣家の屋根がどのような状態であり、それが安全性を欠いていたと評価されるかどうかが、大切な点であると考えられる。
上記の本などを提供、あわせて神戸市が開設している「市民相談室」の窓口を紹介した
神戸市:市役所での相談のページ(最終確認日:2019年1月31日)
http://www.city.kobe.lg.jp/life/guidance/window/siminsoudan01.html
- 回答プロセス
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自然災害による損害補償の内容であったので、分類3693の資料をあたってみたところ『弁護士のための水害・土砂災害対策QA』に、問い合わせの内容に似た事例を見つけた。この事例により、民法の「不法行為」に関する本を探した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会福祉 (369 8版)
- 民法.民事法 (324 8版)
- 参考資料
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日本弁護士連合会災害復興支援委員会 編著 , 日本弁護士連合会.『弁護士のための水害・土砂災害対策QA』 = Flood and Sediment Disaster Countermeasures For Lawyers : 大規模災害から通常起こり得る災害まで. 第一法規, 2015.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I026949187-00 , ISBN 9784474052253 (当館ID PV:7200467009) -
損害賠償事件研究会 編 , 損害賠償事件研究会. 『事例に学ぶ損害賠償事件入門 : 事件対応の思考と実務』. 民事法研究会, 2018. ([事例に学ぶシリーズ])
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I028840218-00 , ISBN 9784865562156 (当館ID PV:7200565936)
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日本弁護士連合会災害復興支援委員会 編著 , 日本弁護士連合会.『弁護士のための水害・土砂災害対策QA』 = Flood and Sediment Disaster Countermeasures For Lawyers : 大規模災害から通常起こり得る災害まで. 第一法規, 2015.
- キーワード
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- 災害
- 補償
- 台風
- 賠償
- 自然災害
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000249519