レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/12/17
- 登録日時
- 2014/04/23 12:25
- 更新日時
- 2014/07/29 14:04
- 管理番号
- 埼久-2014-001
- 質問
-
未解決
勝軍地蔵とは悪業煩悩の軍に勝つ地蔵ということであるが、この「悪業煩悩の軍」の意味が知りたい。
- 回答
-
「悪業煩悩の軍」という言葉の意味について記述のある資料を見つけることはできなかった。
参考に、質問に関連すると思われる記述のある資料を、回答プロセスの通り紹介した。
- 回答プロセス
-
『密教大辞典 3』(密教辞典編纂会 法蔵館 1979)
p1135-1136「勝軍地蔵菩薩」の項に以下の記述あり。
「敵軍降伏の三昧に住せる地蔵菩薩。(中略)この尊には儀軌存せず、地蔵本願経・十輪経・陀羅尼集経等に、煩悩の賊天魔の軍に勝つこと、軍陣闘戦に於て難を免るゝことを説けること、(後略)」
『例文仏教語大辞典』(石田瑞麿著 小学館 1997)
p5「悪業煩悩(アクゴウボンノウ)」の項に、「悪業を招く一切の迷いの所行。心身を悩ます一切の妄念」とあり。
p784「天魔」の項に、「浴界六天の頂上、第六天にいる魔王。仏法をそこない、修行の邪魔をし、人身をなやまして智慧・善根をさまたげる悪魔。四魔の一つ」とあり。
『我が国民間信仰史の研究 1』(堀一郎著 東京創元社 1985)
第9篇第4章「将軍塚と将軍地蔵の由来」第3節「将軍地蔵の儀軌」
p690「そもそも此の勝軍地蔵とは智證圓珍請来の『妙法蓮華三昧秘密三摩耶経』なるものに、(中略)悪業煩悩ノ軍ヲ斬ル剱ヲ執ル(後略)」の記述あり。悪業、煩悩の解説なし。
『地蔵菩薩』(望月信成著 学生社 1989)
p109-110 京都市東山区泉涌寺来迎院の勝軍地蔵に関する記述があるが、「悪行煩悩の賊軍を切る剣を執る尊であると解釈している。」とあるのみ。
『地蔵菩薩の研究』(真鍋広済著 三密堂書店 1965)
p21-27「戦場の地蔵尊」に、勝軍地蔵に関する記述として、「また「地蔵菩薩秘記」には『勝軍地蔵は(中略)悪業煩悩の軍に勝つの剣を執る。』とも説かれている。」との記述あり。
p66「勝軍地蔵のように、(中略)悪業煩悩の賊軍に勝つ剣を執っているという勇ましい姿の地蔵尊もある。」
『国訳一切経 印度撰述部 大集部 5』(大東出版社 1998)
p16-217「大乗大集地蔵十輪経」
p19に、「諸の天魔を降すことは大龍象の如く、煩悩の賊を斬ることは猶し神剣の如く」とある。
『地蔵信仰』(速水侑著 塙書房 1975)
p132-134「勝軍地蔵」の項目に、「文保2年(1318)に完成した『渓嵐拾葉集』の地蔵の条の記載で、一切怨敵種々悪夢種々畏怖を消散させる「勝軍の事」という利益が、特に強調されている。」とあり、勝軍地蔵の姿については「与願金剛地蔵菩薩秘記」を引用して、「悪業煩悩の軍に勝つの剱を執る」と説明されている。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 仏教教理.仏教哲学 (181 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 地蔵
- 菩薩
- 民間信仰
- 勝軍地蔵
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000152568