レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/10/24
- 登録日時
- 2021/11/27 00:30
- 更新日時
- 2021/11/27 00:30
- 管理番号
- 6001052589
- 質問
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解決
ゼムクリップがいつ頃発明されたのか知りたい。
- 回答
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ゼムクリップは19世紀末には存在していました。1899年にアメリカのウィリアム・ミドルブルックが、クリップを作る機械の特許を取得しています。また、ゼム(gem)という呼称はこのクリップの販売で成功したイギリスのクシュマン&デニソン社が1892年より使用したブランド名に由来しています。
以下の資料に記載されていました。
・『ゼムクリップから技術の世界が見える:アイデアが形になるまで(朝日選書)』(ヘンリー・ペトロスキー/著 忠平美幸/訳 朝日新聞社 2003.8)
「1 ペーパークリップと設計」「ゼムクリップ」(p.25-30)に次の記述があります。
「「ゼム」の名で知られるようになったあのクリップの基本理念は、明らかに十九世紀後半には存在していた。コネティカット州ウォーターベリーのウィリアム・ミドルブルックが、クリップを作る機械(図1-4)の特許を取得しており、説明図に、この機械の存在理由として、完全な形のゼムがっはっきり描かれているのである。ついでながらミドルブルックの一八九九年の特許は、ゼムクリップの歴史として広く知られている「ノルウェー人ジョン・ヴォーレルによる発明」という通説が、本当は正しくないことの証拠にもなっている。ヴォーレルをはじめとする十九世紀末の発明家たちは、実際にあらゆる形の大きさの形のクリップの特許を取っていた(中略)けれども、ミドルブルックが取得しようとしていた特許は、ゼムクリップを安価に成形する手段だった。(後略)」(p.25-27)
また、図「1-4 ウィリアム・ミドルブルックのクリップ製造機の特許」が掲載されています。(p.26)
・『20世紀をつくった日用品:ゼム・クリップからプレハブまで』(柏木博/著 晶文社 1998.11)
「ぜム・クリップ」(p.126-127)に次の記述があります。
「ゼム・クリップの出現は、(中略)、一九世紀末のことだ。(中略)一九世紀半ばには針金を切断してピンを量産する機械が出現する。この機械は近代機械技術の象徴としてスミソニアン博物館に展示されている。ゼム・クリップの製造法の特許はコネチカット州のウィリアム・ミドルブルックが一八九九年にとっている。以後、多くの改良案が出されているが、結局ミドルブルックのデザインは今日のゼム・クリップとほとんど変わっていない。しかし、ミドルブルックはクリップにではなく、その製造機械の方に特許を取っていたのである。(後略)」(p.127)
・『文房具語辞典:文房具にまつわる言葉をイラストと豆知識でカリカリと読み解く』(高畑正幸/著 誠文堂新光社 2020.1)
「ゼムクリップ」(p.100)に次の記述があります。
「特許は出願されておらず起源は不明だが1899年にアメリカのウィリアム・ミドルブックがこの形のクリップを自動製造する機械の特許を出願しており、1890年頃には存在していたと思われる。ゼム(gem)という呼称はこのクリップの販売で成功したイギリスのクシュマン&デニソン社が1892年より使用したブランド名に由来している。」
・『1000の発明・発見図鑑』(ロジャー・ブリッジマン/著 小口高/[ほか]監訳 丸善 2003.11)
「産業の発展(1851年~1900年)」「クリップ 1899年」(p.168)に次の記述があります。
「最も一般的なクリップはゼムクリップとして知られており、イギリスの“Gem”という会社が初めてつくったものかもしれない。これに関わった発明家である米国の技師ミドルブルックは、1899年にクリップ製造機の特許をとっている。(後略)」
[事例作成日:2021年10月24日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 技術史.工学史 (502 10版)
- その他の雑工業 (589 10版)
- 参考資料
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- ゼムクリップから技術の世界が見える ヘンリー・ペトロスキー∥著 朝日新聞社 2003.8 (25-30)
- 20世紀をつくった日用品 柏木/博∥著 晶文社 1998.11 (126-127)
- 文房具語辞典 高畑/正幸‖著 誠文堂新光社 2020.1 (100)
- 1000の発明・発見図鑑 ロジャー・ブリッジマン∥著 丸善 2003.11 (168)
- キーワード
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- ゼムクリップ(ゼムクリップ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000308081