レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 埼玉県立久喜図書館 (2110009) | 管理番号 (Control number) | 埼熊-2016-109 | ||||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2015年10月03日 | 登録日時 (Registration date) | 2017年03月02日 10時34分 | 更新日時 (Last update) | 2017年06月07日 18時39分 | ||||||
質問 (Question) | ゴローニンの「日本幽囚記」の中に、「新オランダというのはオーストラリア大陸のことである。」という文言があったが、ほかに「新オランダ」という呼び方をしている人や資料があるか知りたい。 | ||||||||||
回答 (Answer) | 複数の資料で「新オランダ」との記述が見られた。確認できた下記の資料を紹介した。 『語源海』(杉本つとむ著 東京書籍 2005) p150「オーストラリア」の項に、「1642年、オランダ人、タスマン(現、タスマニア島に名をとどめる)が、Nieuw Holland(新オランダ)と命名。日本にこの〈新オランダ〉でも紹介された。」 『日本思想大系 35 新井白石』(家永三郎〔ほか〕編集 岩波書店 1975) p48「ノーワ-ヲヽランテヤ 海南にあり。その地極めて濶(ひろ)し。今はヲヽランド人併せ得たり。これによりて、ノーワ-ヲヽランデヤと名づくといふ。」とあり。頭注に「ノーワ-ヲヽランテヤ:新和蘭。オーストラリアのこと。」とあり。 p570「解説」から「本書には序文も跋文もなく、それらのものから成立時期を知ることはできない。」とあり。上巻末の記述等から「本書の執筆時期は、いちおう正徳5年(1715)2月中旬前後と推測することができる。」また、中巻、ポルトガルの項での記事等から「自筆本の形でのものは、享保9(1724年)年か享保10(1725)年にも書かれていたことになる。」ともあり。 『日本思想大系 55 渡辺崋山』(家永三郎〔ほか〕編集 岩波書店 1981) p49「新和蘭(しんおらんだ)」とあり。(注)頭注に「新和蘭:オーストラリア」とあり。 p648「収載書目解題」に「天保10年(1839)3月から4月にかけて、執筆したものである。」とあり。 p41「一、英吉利亜(いぎりす)ハ海軍ニ長ジ(中略)新阿蘭陀(おらんだ)ヲ拓キ、」とあり。 p86「一、或問(あるひととう)、アウスタラリーの内、新ホルラントの地中」、「答云(こたえていわく)、新和蘭(おらんだ)は一の大洲の如く」とあり。 p649「収載書目解題」に「天保9年(1838)3月、江戸参府のオランダ商館長ニーマンとの対談の模様を記したもの。」とあり。 『図説日本古地図コレクション ふくろうの本』(三好唯義[ほか]著 河出書房新社 2014) p68「伊万里焼世界図皿」(江戸時代後期、佐賀県立九州陶磁文化館蔵)の解説に「また南に「新ヲランタ」(新オランダつまりオーストラリア)を描いている。」とあり。図の中に「新ヲランタ」あり。 『ガリヴァー旅行記 ワイド版岩波文庫』(スウィフト作 平井正穂訳 岩波書店 1993) p403「第4篇フウイヌム国渡航記第11章」の見出しに「ニュー・ホランドに到着し、定住を願う。」とあり。 p405「ニュー・ホランドの南西部の沿岸に近づき」とあり。 p449「訳註」に「ニュー・ホランドの南西部」「喜望峰南方からニュー・ホランド(今のオーストラリア)まで丸木船で行こうというのである。」とあり。 p451「解説」から「ガリヴァー旅行記」は1726年成立とわかる。 『アンデルセン童話集 3』(アンデルセン著 エドマンド・デュラック絵 新書館 1983) p126「パラダイスの園」中に「これは世界第五の大陸、新オランダ(オーストラリアの元の名)でした。」とあり。 | ||||||||||
回答プロセス (Answering process) | 《Google ブックス》( http://books.google.co.jp/ Google)を〈新オランダ〉(完全一致検索)で検索する。 『近世日本の世界像』(川村博忠著 ぺりかん社 2003) p116(「5 新井白石のみた世界」「聞き取りによる世界地誌」中)(※『西洋紀聞』の中巻に関する記述の中で) 「アジアでは付録としてオーストラリアを「ノーワ・ヲヽランデヤ(新オランダ)の名称でここに含めているのが注目される。この地は南海にあって、その土地はきわめて広いが居住には不向きである。今はオランダが領有しているため新オランダと名づけたのだと説明している。」「この地のことをオランダ人に確認したところ、(中略)新オランダと名づけたのは、その地を併合したからという意味からではなく、オランダ人がはじめて発見した土地という意味だと答えたという。」とあり。 ほか、渡辺崋山の著作などがヒットする。関連資料を調査した。 「西洋紀聞」を確認する。 『日本思想大系 35 新井白石』(家永三郎〔ほか〕編集 岩波書店 1975) 地理事典を確認する。 『コンサイス外国地名事典』(三省堂編修所編 三省堂 1998) 『ミリオーネ全世界事典 14 アメリカ』(吉原俊一責任編集 学習研究社 1981) 『世界地名辞典 [1] 西洋篇』(世界地名辞典編集部編 東京堂出版 1955) 《国会図書館サーチ》( http://iss.ndl.go.jp/ 国会図書館)を〈新オランダ〉で検索する。 童話類にヒットあり。 ウェブサイトの最終アクセス日は2015年9月23日。 | ||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | |||||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||||||
寄与者 (Contributor) | |||||||||||
備考 (Notes) | |||||||||||
調査種別 (Type of search) | 文献紹介 | 内容種別 (Type of subject) | 地名 | 質問者区分 (Category of questioner) | 個人 | ||||||
登録番号 (Registration number) | 1000210948 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 解決 |