レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年8月23日
- 登録日時
- 2017/08/23 18:53
- 更新日時
- 2017/08/24 15:09
- 管理番号
- 県立長野-17-078
- 質問
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解決
インターネットで甲冑を調べていると、「胴高」「甲高」「鉢高」などが記載されているが、これはどこを計測したものか。
- 回答
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甲冑の各部分の名称について記載のある資料はあるが、法量の計測方法について記載のある資料は確認できなかった。
甲冑等を所蔵している真田宝物館へ問い合わせをしたところ、
「胴高はどこからどこまでを測るといった規則はないため、所蔵している館によって計測箇所は異なっている。特定の甲冑であれば、所蔵している博物館等へどこからどこまでを計測したのか問い合わせることを勧める。」
とのこと。
また、東京国立博物館にも問い合わせる。
「時代や現存している個々の甲冑それぞれの形状が異なるため、どの部分を計測するという決め方ができない。また、可動域のあるものは、どの状態で計測するのかを統一するのは難しい。なお、甲高と鉢高は同じで、首の後ろを守る"しころ"を含まない兜の底辺から天辺までの長さになる。しかし、それぞれ兜の形が違うので、前面を測る、一番長い部分で測るなどの決めも無い。表示されている計測値は、測った機関に問い合わせる以外にわからない。」
とのこと。
甲冑は、使用された時代によって、構成要素が異なるため、
・『日本甲冑の基礎知識』山岸素夫・宮崎真澄著 雄山閣 2006 【756.7/ヤモ】
・『よろいとかぶと』群馬県立歴史博物館 2009 【756.7/グン】
・『日本甲冑論集』山岸素夫著 日本甲冑論集刊行会 1991 【756.7/ヤモ】
・『図解日本甲冑事典』笹間良彦著 雄山閣 1973 【756.7/サヨ】 館内
などから、各部位の名称がわかり参考になる旨、上記問い合わせ内容とともに伝える。
- 回答プロセス
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1. NDC756 金工芸の棚をブラウジングする。『日本甲冑の基礎知識』,『図解日本甲冑事典』,『世界の甲冑・武具歴史図鑑』ペトル・クルチナ著 原書房 2014【756.7/クペ】,『図録日本の甲冑 武具事典』笹間良彦著 柏書房 1981【756.7/サヨ】,『武具コレクション』国立歴史民俗博物館編 歴史民俗博物館振興会2007(国立歴史民俗博物館資料図録5)【756.7/コク】などを見るも、甲冑の各部分の名称や解説はあるが、法量や計測方法などの記載はない。書庫の資料についても同じ。
2. NDC210.09の有職故実やNDC210.03の日本史事典の棚を見ていく。『武具と武器の有職故実』鈴木敬三著 吉川弘文館 2014【210.09/スケ】,『有職故実大辞典』鈴木敬三著 吉川弘文館 1996【210.09/スケ】,『図説日本合戦武具事典』笹間良彦著 柏書房 2004【210.03/サヨ】など見ていくが、これらにも記載がない。
3. NDC069 博物館学の棚を見る。『博物館学事典』全日本博物館学会編 雄山閣 2011 【069.03/ゼン】,『博物館学事典』石渡美江ほか編 東京堂出版 1996 【069.03/イミ】などを見るが、法量についてさえ記述が見当たらない。
4. 真田宝物館、および東京国立博物館へ問い合わせをする。上記回答のほか、真田宝物館での、「胴高」の計測箇所(前胴高と後胴高とに分けて測定。胴前は上は一番低いところから胴の一番出っ張った所まで、後ろも同じ)について情報を得る。
- 事前調査事項
- NDC
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- 金工芸 (756 8版)
- 日本史 (210 8版)
- 博物館 (069 8版)
- 参考資料
- キーワード
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- 甲冑
- 鎧
- 兜
- 武具
- 防具
- 法量
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000220973