①ではカエデ(モミジ)の木の一生、特徴や分布、どのように利用されているか、木にまつわる文化や歴史等が幅広く紹介されている。カエデの利用として「樹液を煮つめたメープルシロップ」の項目があり、メープルシロップに関して「北アメリカがふるさとのサトウカエデの樹液からつくります。」「サトウカエデは30メートル以上の高木に育つカエデで、樹液の量も多く、また樹液の糖度も3パーセントほどあります。それをなべで煮つめて66パーセントほどの糖度にします。」「日本のカエデでも、イタヤカエデ、オオモミジ、ウリハダカエデ、ヒナウチワカエデなどの樹液には、2パーセントほどの糖度があるので、かすかに甘みを感じます。」「日本でも、イタヤカエデなどの樹液を煮つめて、シロップや飲料をつくっているところがあります。」と解説されている。樹液の流れている様子や、樹液の採取の様子(カナダと日本)、日本で作られたメープルシロップ、採取される時期によって変わるメープルシロップの種類を比較した写真も載っている。
②では北アメリカ、中央アメリカ、南アメリカの国々の伝統菓子の作り方や食文化が紹介されている。「メープルシロップとカナダの伝統」という項目があり、「メープルシロップの収穫は、雪がとけはじめるころにはじまる。カエデの甘い樹液は、夜は0℃以下、昼間は0℃以上になるときだけとれるといわれている。」「3~4月の収穫時期、メープルシロップ農家は、家族みんなで大いそがしになる。カエデの幹にくだをさし、樹液をバケツにあつめるのがむかしながらの方法だよ。小さい子でも、バケツをはこぶなどの仕事がある。メープルシロップづくりは、親から子どもにつたえられる伝統行事でもある。」「行事のおたのしみは、作業のあとの「雪の上の砂糖パーティー」。樹液を煮つめてつくったシロップを、あついうちにきれいな雪の上にたらすと、やわらかくかたまって、タフィーというメープルキャンディーができる。それを棒にからめとって、みんなで味わうんだ。」と解説されている。樹液をバケツで採取している様子や、タフィーを作っている様子が分かる写真も載っている。
③では木の様々な利用法を紹介しており、「樹液を飲む」の項目で、「アメリカやカナダの北東部で有名なメープルシロップは、サトウカエデの樹液を利用したものです。サトウカエデは樹液中の糖分が非常に高く、普通でも2~5%くらいふくんでいますが、なかには10%をこえるものもあります。早春、葉が開く前に幹に穴をあけ、管をさしこみ、流れ出た樹液を集めます。この採取方法は、昔からアメリカ先住民が行っていた方法とほとんど変わりません。このような樹液が、1シーズンで樹木1本から1リットルぐらい採れます。樹液をさらに煮つめると香りのよい、上品な甘さのシロップが得られます。」と解説されている。カエデの幹に穴をあけて樹液を集めている写真も載っている。