レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20190513
- 登録日時
- 2019/06/11 00:30
- 更新日時
- 2019/09/25 11:45
- 管理番号
- 0401000801
- 質問
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解決
『新訂海舟座談』(嶽本義治/編,岩波書店,1983年)のp.246に、木村芥舟(かいしゅう)が「旧幕府史談会」で勝海舟について話したと載っている。その「旧幕府史談会」が開かれたのはいつか?
- 回答
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木村芥舟が勝海舟について話した「旧幕府史談会」が行われたのは、「明治32年2月12日、上野東照宮社務所にて」
載っていたのは国立国会図書館デジタルコレクション(図書館送信限定)『舊幕府(旧幕府)』3(2)明治32年(永続的識別子info:ndl.jp/pid/1559414)のp.44-45(36コマ)
- 回答プロセス
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自館には『新訂海舟座談(岩波文庫)』の所蔵がないため、p.246に載っているという木村芥舟翁の「海舟先生に聞いて話されたことを左に附す」の内容を依頼者に聞いた。
「古い召使が2人(お糸とお兼)いて、有能だった」(依頼者曰く、海舟には4人の妾がいてその中の2人がこの2名。この史談会では召使として話している)というような文章が含まれているとのことだった。
更にこのp.246の直前に載っている事柄が、明治32年6月27日の話題なので、それ以降に開催されたのではないかということだった。
また、依頼者自身も調査され「一般公開の国立国会図書館デジタルコレクションでは見つからなかった。図書館送信限定には載っているかもしれないので“旧幕府史談会”で調べてみてほしい」とのことだった。
そこでまずは、国立国会図書館サーチとデジタルコレクションを「旧幕府史談会」で検索した。
サーチでは2件(レファ協1件・公共図書館所蔵情報1件)、デジタルは0件のヒットだった。
インターネットでも調べると、最初に『旧幕府』という資料の解説ページがあり、その中の【史談会での談話者】に「木村芥舟」の名前が確認できた。
しかし、巻号や掲載ページの特定には至らなかった。
次に「木村芥舟」で自館所蔵検索し『木村芥舟とその資料 旧幕府の記録』という資料が見つかった。
木村芥舟の遺稿と著作が掲載されているp.92(23)に“15「海舟翁逸事」(談話) 活字本『旧幕府』3巻2号(明治32年)所収”とあった。
勝海舟についての談話のようだったので、これを確認することにした。
近隣の図書館に『旧(舊)幕府』の所蔵があったが、改めて国立国会図書館デジタルコレクションでも「木村芥舟」と「海舟」で検索すると『舊幕府』3(10)がヒットした。
目次から3(2)を選びその中の史傳p.44-50を選ぶとページに飛び、そこに「海舟翁逸事」があった。
タイトルのすぐ横に「二月十二日上野東照宮社務所舊幕府史談會席上に於て」とあり、文章を確認すると「舊い侍妾(めしつかひ)が兩個(原文ママ)ありまして、是は若い時分から今日に至るまで勝家に居りましたが~」という箇所が確認できた。
おそらくこれで間違いないと思われたのでこの日付を回答とした。
ここまで確認出来てわかったことだが、国会図書館サーチでヒットした公共図書館の所蔵情報もインターネットでヒットした情報も『旧幕府』だったので、すぐにデジタルコレクションを確認してみていればもう少し早くたどり着けたかもしれない。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 木村芥舟とその資料,横浜開港資料館/編,横浜開港資料普及協会,1988年 (p.92(23)に、15「海舟翁逸事」(談話) 活字本:『旧幕府』3巻2号(明治32年)所収とあり|0113606016|/289.1/キ/)
- キーワード
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- 旧幕府史談会
- 木村芥舟
- 勝海舟
- 海舟座談
- 旧幕府
- 舊幕府
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000257245