レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年04月25日
- 登録日時
- 2019/05/24 18:31
- 更新日時
- 2019/12/25 13:41
- 管理番号
- 広県図2019131
- 質問
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解決
下総にある普化宗(ふけしゅう)の総本山一月寺の許可がないと,虚無僧になれなかったと言うのは本当か。
- 回答
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関連の記述があった資料は次のとおりです。
【 】内は,当館請求記号です。
1『国史大辞典 6』国史大辞典編集委員会/編,吉川弘文館,1985【R210.03/Ko532/6】
p.24 虚無僧
「江戸幕府は彼らを諸国探察に利用し、延宝五年(一六七七)のころから普化禅宗という一派として公認し、その宗徒を関西では(略)妙安寺、関東では一月寺と武蔵青梅の鈴法寺に取り締まらせ、寺社奉行の統制下においた。」
2『国史大辞典 12』国史大辞典編集委員会/編,吉川弘文館,1991【R210.03/Ko532/12】
p.108-109 普化宗
p.109 「江戸時代には慶長十九年(一六一四)吉野織部が青梅に鈴法寺を開基し、一月寺、京都明暗寺と並んで根本道場とした。」
3『総合仏教大辞典 下巻』総合仏教大辞典編集委員会/編集,法蔵館,1987【R180.3/87ソ/2】
p.1210 普化宗
「徳川家康は普化僧に特権を与えたと伝え、のち幕府は一月寺と青梅の鈴法寺を総触頭として一宗を統括させた」
4『身分的周縁』塚田孝/[ほか]編,部落問題研究所出版部,1994【361.8/94ツ】
p.161-216 一七世紀における虚無僧の生成
p.195-199 東国に虚無僧寺院が開かれる
p.196 「下総国小金宿一月寺は、一五九〇(天正十八)年に小金城が落城し、「人民逃亡」の機に乗じて開かれた」
5『新体系日本史 15 宗教社会史』山川出版社,2012【210.08/101シ/15】
p.392-426 普化宗廃止と近世アジールの一特質
p.394 「一七七〇年代に鈴法寺と下総国小金一月寺の両本寺・触頭が頂点に立ち、本山末寺体制による全国の寺院組織編制を終結させる」
6『部落問題研究』105号(1990.5),部落問題研究所【雑誌】
p.46-67 「一八世紀における虚無僧の身分形成 (第27回部落問題研究者全国集会報告--日本の民主主義と部落問題研究の課題<特集>)」保坂裕興
p.49 「下総国小金宿一月寺と武蔵国青梅鈴法寺は、一六八七(貞享四)年六月、普化禅宗総本寺を名乗って十一条の掟を定めた」
p.52 「一月寺・鈴法寺門弟が用いる編笠=虚無僧の深編笠を商売する者は、両寺か国々の末寺から印鑑を取り置き、合印を持っている者にしか売り渡してはならない(略)これにより両寺が全国の虚無僧を直接に掌握する基礎ができた(略)」
p.52 「門弟は「本則」を授与されてはじめて正式な虚無僧として認められ、(略)「本則」は事実上虚無僧の免許状であった(略)」
p.53 「鈴法寺方では、(略)商家へは本則を付与せず、(略)一月寺は、浅草の一月寺番所へ心易く出入りしている者の仲介があれば、武士・町人の区別なく本則を付与していた。」
p.53 「一七五九年一〇月六日、幕府は強硬な内容の触れを出した。(略)①本則の授与対象を「仕官之者」とし、百姓・町人への授与は停止する(略)」
7『古事類苑 33 宗教部1』神宮司庁/編,古事類苑刊行会,1931【R031/Ko39/33】
p.1113-1146 普化宗
普化宗に関する各種史料が掲載されています。いずれも漢文で書かれています。
なお,虚無僧についての解説ではなく,研究会の活動記録が主な内容ですが,次の資料も所蔵しています。
8『虚無僧研究会創立30周年記念誌』30年誌編集委員/編集,虚無僧研究会,2012【L768.1/112コ】
研究会の会報の総目次が掲載されています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 各宗 (188 9版)
- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
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国史大辞典編集委員会 編. 国史大辞典 第6巻 (こまーしと). 吉川弘文館, 1985.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001769026-00 , ISBN 4642005064 -
国史大辞典編集委員会 編. 国史大辞典 第12巻 (ふーほ). 吉川弘文館, 1991.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002138902-00 , ISBN 4642005129 -
総合仏教大辞典編集委員会/編集 , 総合仏教大辞典編集委員会. 総合仏教大辞典 下. 法蔵館, 1987.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I004955100-00 -
塚田孝 [ほか]編 , 塚田, 孝, 1954-. 身分的周縁. 部落問題研究所出版部, 1994.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002338932-00 , ISBN 4829820454 -
高埜, 利彦, 1947- , 安田, 次郎, 1950-. 新体系日本史 15. 山川出版社, 2012.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023479560-00 , ISBN 9784634531505 - 保坂裕興. 一八世紀における虚無僧の身分形成 (第27回部落問題研究者全国集会報告--日本の民主主義と部落問題研究の課題<特集>). 部落問題研究所, 1990.5. 部落問題研究 105号 p. 46-67
-
神宮司庁/編. 古事類苑 33 宗教部. 1. 古事類苑刊行會, 1931.6.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I024531219-00 -
30年誌編集委員 編 , 虚無僧研究会. 虚無僧研究会創立30周年記念誌. 虚無僧研究会, 2012.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023608040-00
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国史大辞典編集委員会 編. 国史大辞典 第6巻 (こまーしと). 吉川弘文館, 1985.
- キーワード
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- 虚無僧
- 普化宗
- 隠密
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000256324