レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/01/05
- 登録日時
- 2010/06/17 02:01
- 更新日時
- 2013/01/08 15:11
- 管理番号
- 埼久-2009-087
- 質問
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未解決
「関東大震災の歌」の歌詞全文が載っている資料を探している。楽譜まで載っているものがよい。
「天に自然の道理あり 人に天賦のみ魂あり」で始まる。明治末生まれの女性が結婚前に覚えた歌らしい。関東大震災(大正12年)以後なので、大正末-昭和初期の流行歌の類ではないか。質問者によれば、学校で歌った(習った)のかも知れないとのこと。
- 回答
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事前調査事項の内容について、『嵐山町報道 316号』(昭和58年9月10日)p4の「関東大震災の思い出」と題した文中に、「関東大震災の歌」1番から3番が掲載されていることを確認したが出典の記述はなし。
歌詞をもとに調査したが、これ以上の該当の歌・歌詞などは見つからなかった。
なお備考欄に追記あり。(2013/1)
- 回答プロセス
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所蔵資料を調査する。
大正末または昭和初期の流行歌について調べる。
『日本のうた 1 明治・大正』(野ばら社 1998)に「関東大震災のうた」として「復興節」(作詞・作曲 添田さつき)があるが、該当の歌ではない。
〈AV-NOCS〉を検索するが、該当の曲はヒットせず。
Web情報を探索する。
〈関東大震災 & 歌〉で検索するが「関東大震災の歌」はヒットせず。
「復興の歌」「帝都復興の歌」はあるが、事前調査のブログとは歌詞が異なる。
〈天に自然の道理あり〉および〈関東大震災の歌〉の検索キーワードで、
ウェブサイト《Music Forest 音楽の森》《楽譜ネット》《楽譜屋》《歌ネット》《うたまっぷ》を調査するが、いずれもヒットせず。
《Music Forest 音楽の森》を〈大震災の歌〉で検索したところ、
「大震災の歌」(作詞・添田さつき、作曲・鳥取春陽)、「復興節」(作詞、作曲・添田さつき)が、アルバム『大正の流行唄』(キングレコード 2008)に収録されているが、該当の歌ではない。
また、個人のブログ「昭和初期の映画主題歌あれこれ 関東大震災」(2012/12/11確認)によると後藤新平が推し進めてきた帝都復興事業が、昭和5年に一応完成のめどがつき、昭和5年(1930年)の春頃に復興の歌が集中して出ているとあったため、昭和3-10年に出た復興の歌を調査したが、該当するものはなかった。
その他の調査済み資料は以下のとおり。
『日本のうた 2 昭和初-20年』(野ばら社 1998)『歌謡の百年 2 大正の歌』』(実業之日本社 1969)『歌謡の百年3 昭和初期の歌』(実業之日本社 1969)『日本の唱歌 中 大正・昭和篇』(金田一春彦・安西愛子編 講談社 1979)『日本唱歌集』(堀内敬三・井上武士編 岩波書店 1958)『日本唱歌全集』(井上武士編 音楽之友社 1986)『日本唱歌童謡集』(飯塚書店 1983『続日本歌謡集成 5』(東京堂 1962)『日本流行歌史 上』(社会思想社 1994) 『流行歌明治大正史』(添田唖蝉坊・添田知道著 刀水書房 1982)『昭和流行歌総覧 戦前・戦中編』(福田俊二編 柘植書房 1994)
『嵐山町史』(嵐山町 1983)
『大正ニュース事典』(毎日コミュニケーションズ 1986)『読売新聞明治・大正・昭和CD-ROM』『関東大震災』(鹿島出版会 2003)『地震・噴火災害全史』(日外アソシエーツ 2008)『東京震災記 復刻版』(博文館新社 1991)『関東大震災』(吉村昭 文藝春秋 1978)『The地震展 関東大震災80年』(読売新聞東京本社 c2003)
- 事前調査事項
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調査済み資料:質問者の「歌詞の一部を覚えている」ということから、Web検索で「里やまのくらしを記録する会」ブログがヒットした。内容は「嵐山町報道 316号」(昭和58年9月10日)p4の「関東大震災の思い出」の引用。3番まで歌詞が載っている。曲名自体が正確でない可能性もあり。
「昭和歌謡全曲名 戦前・戦中編」他、参考図書には見あたらない。
「関東大震災(ドキュメント)」(現代史の会編 草風館)に添田唖蝉坊の大正大震災の歌が収められているが、歌詞が違う。
- NDC
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- 声楽 (767 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 流行歌
- 「関東大震災の歌」
- 関東大地震-大正時代
- 復興節
- 復興歌
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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追記:回答後、県外個人の方から情報提供あり。この方の近親者の回顧録によれば、歌の題名は「災後国民覚悟三けんの歌」(三けんとは、「真剣」「勤倹」「貢献」のこと)で、歌詞1-3番は質問の出典『嵐山町報道 316号』と同じである。4番、5番は以下のとおり。このあとに、復興に努力しようという歌詞が数節続いて、1節毎に「真剣・勤倹・貢献よ 」と結んでいる、曲は軍歌「歩兵の本領」(万朶の桜(ばんだのさくら)で始まる)メロディとのこと。回顧録は近親者にのみ渡されたもので、出版されたものではなく当館では現物を確認していない。
また、この情報をもとに再調査を行ったが、資料による確証は得られなかった。(2013/1)
4.忽ち四方に大火焔
上ると見れば木枯らしの
秋の木の葉を巻く如く
燃え広がりて凄まじく
5.炎々天に溢ぎりて
地は火の海となり果てて
阿鼻焦熱の生地獄
無惨の死傷者幾十万
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000067983