レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年09月24日
- 登録日時
- 2012/10/19 10:43
- 更新日時
- 2018/08/31 19:02
- 管理番号
- 県立I2012-57
- 質問
-
解決
読んでいた資料に「和辻吉師」と出てきた。和辻哲郎の事だと思うのだが、「吉師」の読みは?
- 回答
-
※ 高知県立図書館・高知市民図書館合築に伴い、資料に関する情報が現在の情報とは異なる場合があります。 ※
「吉師」の読み方は「きし」。
『大辞林』『日本国語大辞典』『広辞苑』を引くと、「吉師」以外に「吉士・吉志」とも書く。
新羅の官職名一七等中の第一四番目であり、古代氏族の姓の一つでもあった。大和政権において外交、通訳、記録などを職務とした渡米人に対する敬称として使われたようである。
なお「和辻吉師」とは日本の哲学者の和辻哲朗のことではなく、『古事記』に百済王が『論語』十巻と『千字文』一巻を付して貢進したとある「和邇吉師(わにきし)」(『日本書紀』では、「王仁」)のことではないかと思われる。
- 回答プロセス
-
・Google検索で下調べ
⇒"和辻吉師"ではヒットせず。
⇒吉師で検索しなおすと、「goo辞書」などがヒットし、読みは「きし」(http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/51626/m0u/)
⇒Wikipediaの「王仁(わに)」の項目もヒット、『古事記』では王仁は「和邇吉師(わにきし)」と表記されていることが分かる。
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%8B%E4%BB%81)
・国語辞典で「きし」にあたる
⇒『大辞林』 に「吉士・吉師」・・・(新羅の官名に基づくといわれる)八色(やくご)の姓以前の古代氏族の姓の一。海外に使節として派遣されたり、外国からの使節の応接にあたる職能をもつ氏族に与えられた。
⇒『日本国語大辞典 第4巻』に「吉士・吉師」・・・(古代朝鮮語に漢字を当てたもの)①新羅の官職名一七等中の第一四番目。②昔、わが国に渡来した人々の名につける敬称。文筆の事や通訳などの外国との事務を職とした者の称号。
⇒『広辞苑』に「吉士・吉師・吉志」・・・①新羅の官職名一七等中の第一四番目。②大和政権で、外交、記録などを職務とした渡米人に対する敬称。後に姓(かばね)の一つとなる。
・『国史大辞典 14』で「わに」を引く⇒「王仁」の項あり、『日本書紀』応神天皇十五年八月条などに出てくる人物として説明と、『古事記』応神天皇段では「和邇吉師(わにきし)」と書き・・・として回答欄に記載した内容の説明がある。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 語彙 (834 9版)
- 日本史 (210)
- 参考資料
-
- 『大辞林』(松村 明/編 三省堂編集所/編 三省堂 2006年)(R/813.1 自館ID1103991475)
- 『日本国語大辞典 第4巻』(小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001年)(R/813.1 自館ID1102479894)
- 『広辞苑 1』(新村 出/編 岩波書店 2008年)(R/813.1 自館ID1104051725)
- 『国史大辞典 14』(国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1993年)(R/210.03/K 自館ID1100830635)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 対面音訳中の資料に出てきたとのこと(原資料不明)
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000112765